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献本対象書籍:詳細

森の経済学 森が森らしく、人が人らしくある経済

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  • 三俣 学
  • 齋藤 暖生
定価:税込 2,750円(本体価格 2,500円)
発刊年月
2022.07
ISBN
978-4-535-55993-6
判型
四六判
ページ数
272ページ
Cコード
C3033
ジャンル
  • 経済学各論(公共経済学・都市経済学・環境経済学等)

内容紹介

森林破壊を食い止め、自然と人の営みを調和させるにはどうしたらよいか。エコロジー経済学の視点から考える。

目次

第1部 人間の経済と森

第1章 人間にとっての森

 1 連続的な空間としての森
 2 森を見るまなざし
 3 資源としての森
 4 脅威としての森
 5 森の時間――資源の有限性と無限性


第2章 森とともに歩んできた生活世界と経済の発展

 1 生計を支えた森の資源
 2 共同体の経済と森
 3 複雑化する社会と森


第2部 森の経済をとらえる学問のまなざし

第3章 自然環境に対する経済学のまなざし

 1 経済学とは
 2 標準的な経済学におけるいくつかの前提
 3 主流派経済学における変化の兆し


第4章 森林をめぐる学問の歩み――森林学のまなざし

 1 林学の誕生と森林学
 2 森林をシンプルにとらえ、体系的に管理する技法
 3 森林を複雑な系としてとらえ、管理する技法


第3部 日本の森がたどった近代

第5章 日本の林業・木材加工の技術史

 1 「林業」という言葉をめぐって
 2 樹木を育てる技術
 3 木材伐採と搬出の技術
 4 木材加工の技術


第6章 経済が変える森の姿

 1 姿を変える森
 2 人々の資源利用と森の姿
 3 近代化と森の変容(近代~戦後)
 4 人工林の拡大と利用の空洞化


第7章 農山村における近代――コモンズ解体と「高度利用」の神話

 1 コモンズとしての自然――「自然の公私共利」の原則
 2 日々の生活を支えてきた村の中の「共」――入会の森を利用する
 3 森の近代――入会消滅政策=高度利用の果てに残ったもの
 4 非商品化経済をとらえなおす
    ――高度利用の神話が生んだ放置と無関心


第8章 森林エコロジーの劣化と遠ざかる森

 1 森林の「充実」を説明する理論
 2 過少利用の森林が抱える諸問題
 3 遠くなった森が生み出す世代を超えた問題



第4部 ゆたかな森林社会へ

第9章 エコロジカルな経済へのパラダイムシフト

 1 近現代の経済の発展と矛盾
 2 エコロジーをゆたかにする経済は可能か
 3 共的部門の再評価――一九九〇年代の二つのコモンズ論
 4 パラダイムシフトに向けた運動
 5 新たな公・共・私と基盤としての自然アクセス


第10章 パラダイムシフトにおける「公」「私」の役割

 1 社会と自然の結び直し
 2 森をめぐる制度の変容
 3 変容する生産と消費のかたち


第11章 共創するコモンズ――森林をめぐる協治の胎動

 1 伝統的コモンズにおける協働の試み
 2 都市と山村をつなぐ――森林ボランティアの広がり
 3 海・川・森をつなぐ漁民の森運動――「森は海の恋人」
 4 森林の教育利用――学校林という森
 5 非商品化経済の営みが創る新しいコモンズ
    ――環境の本源的な価値を求めて


第12章 エコロジカルな経済を支える自然アクセス
     ――みんなの自然を取り戻す

 1 入浜権運動で問われた「自然はだれのものか?」
 2 英国のコモンズをめぐる歴史
 3 北欧・中央諸国に広がる自然アクセスの世界
 4 多の世界を創る自然アクセス制から学ぶこと
 5 非商品化経済をゆたかにする
    ――森林社会の基盤をなす森の経済学へ

おわりに


書評掲載案内

■『森林科学』2022年10月号P96にて掲載。
評者:山本信次(岩手大学農学部)

■『林業経済』2022年75巻8号P24-30にて掲載。
評者:池上 惇(京都大学名誉教授)

■『林業技術』2023年1月号P36にて掲載。
評者:佐藤宣子(九州大学)

■『日本経済新聞』2023年4月8日29面にて掲載。
評者:岡田秀二(富士大学学長)

■『社会と倫理』第38号、p.133-136にて掲載。
評者:斎藤修(一橋大学名誉教授・日本学士院)

参考リンク

森の経済学写真館

https://www.nippyo.co.jp/55993_photo/

『森の経済学 森が森らしく、人が人らしくある経済』の著者、
三俣学、齋藤暖生らに撮影による森や木々の写真です。