雑誌詳細:法律時報  2009年5月号

2009年5月号 通巻 1008号

  • 紙の書籍
毎月27日発売
[特集1]
憲法学に問う
定価:税込 1,980円(本体価格 1,800円)
在庫なし
発刊年月
2009.04
雑誌コード
08027
判型
B5判
ページ数
224ページ

内容紹介

行政法、民法、会社法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、労働法、国際法、財政学の研究者が憲法学に対して「これが足りない」等々の注文をつける。それに対して憲法学者がどう応えうるのか。他分野間の理論交流を促すとともに、憲法学の新たな可能性を切り拓く。

【法律時評】

自壊する農地制度――農地法等改正法律案の問題点/原田純孝



■特集=憲法学に問う



民法学からの問題提起と憲法学からの応答/山野目章夫+小山 剛

 私法秩序の基本的部分とその憲法適合性審査/基本権の内容形成論からの応答/憲法学と民法学の対話



刑法学からの問題提起と憲法学からの応答/髙山佳奈子+蟻川恒正

 先端科学技術の刑事的規制/「国民の敬虔感情」と刑事的規制



会社法学からの問題提起と憲法学からの応答/上村達男+阪口正二郎

 会社法から憲法へ――控えめな質問と期待/憲法から会社法へ――ささやかな応答



民事訴訟法学からの問題提起と憲法学からの応答/長谷部由起子+長谷部恭男

 民事訴訟手続の基本原則と憲法/憲法から見た裁判手続原則



刑事訴訟法学からの問題提起と憲法学からの応答/川崎英明+愛敬浩二

 憲法的刑事手続と憲法学への期待/憲法的刑事手続と憲法学の課題



行政法学からの問題提起と憲法学からの応答/人見 剛+川岸令和

 行政権の主体としての地方公共団体の出訴資格/司法権の概念の再構成に向けて



労働法学からの問題提起と憲法学からの応答/諏訪康雄+南野 森

 憲法学にとって労働法は周辺か/憲法と労働法――「働く人」の権利を守るために



国際法学からの問題提起と憲法学からの応答/窪 誠+紙谷雅子

 誰のための何のための憲法学なのか/市民のための憲法学とは



財政学からの問題提起と憲法学からの応答/神野直彦+村田尚紀

 財政学から憲法学へ/日本国憲法の国家像――憲法政策学的試論



【論説】

喫煙規制をめぐる憲法問題

 ――ドイツ連邦憲法裁判所の禁煙法違憲判決を素材に/井上典之



健康への権利に関する国連の活動の一端

 ――初代特別報告者ポール・ハント氏の研究と活動/藤田早苗



憲法理論の再創造(11)

ドイツ――国家学の最後の光芒?:ベッケンフェルデ憲法学に関する試論/林 知更



公私協働の最前線(12)

フランス法における公私協働――行政契約法の基層という視点から/亘理 格



多角的法律関係の研究(11)

保証取引と多角関係/中舎寛樹



新信託法制と流動化・証券化(5)

会社と信託――証券化ヴィークルの視点から/藤瀬裕司



【取引法研究会レポート】

増担保約定に基づく増担保請求の効力――銀行取引を中心に/宮川不可止



【B&Aレビュー】

川角由和=中田邦博=潮見佳男=松岡久和編『ヨーロッパ私法の展開と課題』/北居 功

山本敬三「基本権の保護と不法行為法の役割」●民法学のあゆみ/吉村良一

小池信太郎「量刑における犯行均衡原理と予防的考慮(1)~(3・完)」●刑事法学の動き/安田拓人



【民事判例研究】

包括遺贈と登記/田中淳子



【特別刑法判例研究】

不正アクセス行為の禁止等に関する法律8条1号の罪と私電磁的記録不正作出罪との罪数関係について牽連関係の成立が否定された事例/辻本淳史



【労働判例研究】

就業規則によらない年俸制のもとでの使用者による一方的減額決定

 ――日本システム開発研究所事件/野田 進



【史料の窓】

明治期の出版契約書/真辺美佐

刑法典施行100年

刑法典施行後の100年間を俯瞰し、刑法解釈学の果たしてきた役割とその現状とを総括するとともに、刑法研究者が今後の刑法解釈学において果たすべき役割とその可能な寄与を改めて探る。