雑誌詳細:法律時報  2017年2月号

2017年2月号 通巻 1108号

  • 紙の書籍
毎月27日発売
[特集1]
「権利」を解剖する──基礎法学の挑戦
定価:税込 1,925円(本体価格 1,750円)
在庫なし
発刊年月
2017.01
雑誌コード
08027
判型
B5判
ページ数
168ページ

内容紹介

「権利」は、法学の鍵概念のひとつである。しかしながら現代社会における「権利」の用法が多様化する中で、「権利」それ自体は何であるのか、「権利の実質に近い」ものとそうでないものとを切り分ける問いが、深められずに扱われてきたのではないか。基礎法の諸分野から、この問いに挑む。

【法律時評】
成年年齢の引き下げと若年消費者保護について……河上正二

■特集 「権利」を解剖する――基礎法学の挑戦

・企画趣旨……新田一郎
・日本近世における「裁判」制度の確立とその限界……坂本忠久
・「権利」について考えるためのさまざまな視座——比較法学・比較法史学からの素材提供……海老原明夫
・資源配分システムとしての「権利」の形成……飯田 高
・権利は存在するか——拡大と拡散……大屋雄裕
・権利・裁判・日本——四報告を聴いて……高橋一彦

[座談会] 何が権利か、権利とは何か
……新田一郎・坂本忠久・海老原明夫・飯田 高・大屋雄裕・高橋一彦・北村一郎・佐藤岩夫

■小特集 「裁判官対話」の理論と実際
・企画趣旨……伊藤洋一
・「裁判官対話」とは何か——概念の概括的検討……須網隆夫
・国際法における「裁判官対話」——その理論的背景……寺谷広司
・「裁判官対話」とフランス公法判例——条約の法律に対する優越を素材に……伊藤洋一
・裁判所は誰に語るのか——日本の裁判所における国際法・外国法の(不)参照……濱本正太郎


●論説
・福島原発事故賠償訴訟における損害論の課題……吉村良一
・転換価額修正型新株予約権の「公正価値」——MSCB、MSワラント等の公正価値と有利発行該当性に関する考察……渡辺宏之
・フランス不法行為法改革の最前線……廣峰正子

●連載
・グローバル化と法の変容・12……船越資晶
 「法の帝国」を再想像する
・憲法学からみた最高裁判所裁判官・21……山元 一
 最高裁に舞い降りた「国際民主主義」者——横田喜三郎
・「国家と法」の主要問題 Le Salon de théorie constitutionnelle・19……西村裕一
 穂積八束「憲法制定権ノ所在ヲ論ズ」を読む
・民法理論の対話と創造・5-2……藤澤治奈
 アメリカ担保法と倒産法の交錯(下)——将来財産を目的とする担保権の倒産法上の処遇

【民事判例研究】
責任能力を欠く未成年者に対する親権者の監督義務……城内 明
【特別刑法判例研究】
組織的詐欺罪における「詐欺罪に当たる行為を実行するための組織」……熊谷智大
【労働判例研究】
口頭弁論終結時前の割増賃金の支払と付加金支払命令の可否——甲野堂薬局事件……新屋敷恵美子

学会レポート 第12回東アジア行政法学会国際学術大会
——東アジアにおける「オープンデータの法制度と課題」および「リスク社会と行政訴訟」……下山憲治 136

【史料の窓】
「国家の理想」——矢内原忠雄……古川江里子

新法令解説/文献月報・判例評釈/メモランダム

2017年3月号(2017年2月27日発売)本体1750円+税

特集=保障・分配・機能強化の中の社会保障

現在の社会保障法は常に何らかの改正を施されているが、その改正はどのような内容であり、また必要性はどう考えられるべきか。改正前後の法のあり方の変容と、法改正相互の関係を問い、全体としての社会保障法がいかなる特色を持つに至っているのかを考察する。

小特集=約款規制をめぐる基本問題
……金山直樹、鹿野菜穂子、田中亘、 三枝健治、田岡絵里子