第１部　現代日本における土地問題の所在
第１章　都市拡大と資本による土地支配強化
（中野一新）
１　土地資産と国富の構成
２　地価格差の拡大と不公平感の醸成
３　資本による土地支配と銀行資本の動員
４　バブル経済の崩壊と土地取引規制緩和論の再浮上
第２章　高地価形成と土地農地問題
（山田良治）
１　日本経済と土地・農地
２　高度経済成長に伴う土地問題の展開
３　低成長への移行
４　第２次地価狂乱と土地・農地問題
５　バブル崩壊と土地デフレ
第２部　戦後農地法制の理念とその展開
第３章　「農地法体制」の法学的検討
（池田恒男）
１　はじめに
２　戦後改革の最重要課題としての農地改革とその歴史的前提
３　農地法体制における理念と論理
４　農地法体制の変質・解体過程
５　「新政策」と農地法体制
６　小括
第４章　農地制度の展開と農業生産法人
（豊田洋一）
１　はじめに
２　現行農業生産法人制度の概要と特徴
３　農業法人問題の発生と農業生産法人制度の創設・変遷
４　おわりに
第５章　農地法制と土地所有権論の系譜
（鈴木龍也）
１　はじめに
２　渡辺洋三における「生存権的財産権論」の生成と農地法体制批判
３　稲本洋之助における土地の「有効利用論」とその行方
４　原田純孝における現代土地政策批判と「規範論的」土地法論の可能性
５　結びに代えて
第３部　都市拡大と土地・農地制度の変容
第６章　都市化の進展と農地税制
（田中　治）
１　はじめに
２　農地税制の展開とその特徴
３　農地の保有と固定資産税
４　農地の相続・贈与に対する課税
５　農地の譲渡と所得課税
６　おわりに
第７章　宅地並み課税と生産緑地法
（溝手芳計）
１　はじめに
２　都市計画法と宅地並み課税政策
３　宅地並み課税政策の展開と生産緑地法
４　むすび
第８章　農地の都市的利用と土地区画整理
（見上崇洋）
１　はじめに
２　土地区画整理における都市と土地・農地
３　都市計画制度における農地
４　地区計画制度と区画整理
５　おわりに
第９章　高地価形成と農地法運用の現段階
（藤井洋一）
１　はじめに
２　現段階における農地法の運用
３　農地法運用の画期別特徴
４　農地の土地商品化と法体系の矛盾
５　結び