書籍詳細:みんな、家で死にたいんだに

みんな、家で死にたいんだに 福祉村・泰阜の12年

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  • 紙の書籍
定価:税込 1,760円(本体価格 1,600円)
在庫なし
発刊年月
1996.10
旧ISBN
4-535-56031-5
ISBN
978-4-535-56031-4
判型
四六判
ページ数
228ページ
Cコード
C1036
ジャンル

内容紹介

長野県泰阜村の村医として在宅福祉、在宅医療を実践した著者が、その成果と失敗の顛末を綴る。生と死の問題、高齢者と介護の問題、医療のあり方、福祉とは等々、現代社会の抱えるいくつかの問題点を鋭く剔抉する。

目次

1 こうすりゃ家で死ねる
 1 在宅福祉の村
  都会でみた福祉
  小地域で施策の立案を
  在宅福祉の進め方
  村の在宅福祉
  山奥でもホームヘルプ
  連携のとれた福祉
  ノーマライゼーションの思想
  在宅福祉の原点
  診療所へ集中されたマンパワー
  在宅を貫いた老人たち
  地域を支える活動
  小地域で住民とともに
 2 老人福祉に有害な健康幻想
  避けられない「老い」と「死」
  村が集団検診(集検)をやめた理由
  薄弱な集検施行根拠
  集検における科学性の欠如
  検診における見落とし
  集団検診廃止後の疾病構造の変化
  老人をくいものにする痴呆検診
  骨粗鬆症検診の問題点
  有害な健康主義
  健康主義の実態
  福祉に不可欠な健康主義の否定
 3 村の医療
  病院医療から診療所医療へ
  覆された医学常識
  村の医療の実際
  在宅死率は八〇%
  老人医療費は国平均の半分
  二四時間体制の医療
  よりよい死をめざす
  満足死と尊厳死
  村の尊厳死
  地域医療の進むべき道
  医療における看護の重要性
 4 在宅医療はこうすりゃできる
  福祉は受け手の立場で
  介護至上主義の誤り
  保健・医療における幻想部分を拒否しよう
  地域の医療は診療所で
2 こうなりゃ家では死ねない
 5 特養へ入所させられた老人たち
  秦清志さんの場合
  家に帰りたがる老人たち
  嘱託医を引き受けたわけ
 6 否定されつつある在宅福祉
  施設へと逆流しはじめた村の福祉
  旧も新もゴールドプランは輝かない
  福祉における世論形成へのマスコミの影響
  種々の社会勢力の圧力
 7 施設福祉の悲劇
  特養における「老い」と「死」の管理
  村に特養ができた理由
 8 在宅福祉を否定する「村とはいったい何だ」ろうか
  診療所医療への村民の反応
  村の論理
  県も村か
  ふるさと創生騒動と村議会
  一般村民から遊離した村おこし
  議員さんたちの執着
  激しい福祉への攻撃
  調査活動をしない議員さんたち
  村の排外主義
  若者対策がお好き
  村に議員は必要ない
  したたかな村の政治屋さんたち
  結局、村とは何だろうか
 9 ふたたび、「秦清志さん」の場合
  ついに特養に措置される
  秦さんを訊ね泰阜へ
  村を去った理由
  秦さんの心境
  秦さんのメッセージ
  福祉はこれでよいのだろうか
  老人とともに問題の解決を
 10 在宅福祉はこうすりゃつぶれる