書籍詳細:ユング派の心理療法

ユング派の心理療法

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  • 河合 隼雄
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  • 紙の書籍
定価:税込 1,320円(本体価格 1,200円)
在庫なし
発刊年月
1998.06
旧ISBN
4-535-56089-7
ISBN
978-4-535-56089-5
判型
四六判
ページ数
196ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

ユングの心理学は、元型、アニマ・アニムス、個性化など、イメージを重視するので、奥が深いが、難解でもある。本書は、ユング研究所で資格を得た療法家が、症例に即して、具体的にその全体像をイメージアップする。(『こころの科学セレクション』は雑誌『こころの科学』に掲載された特別企画に最新の情報を加筆して、単行本化したものです。)

目次

1 ユング派の心理療法とは
 個性化の過程
 イメージの世界
 コンステレーション
2 〈元型〉の考え方
 曖昧で混乱した心理学?
 集合的無意識と元型
 元型
 《自己》
 自我
 おわりに
3 ユング心理学の〈宗教〉イメージ
 宗教意識の高まり
 〈宗教〉の体験
 魂の世界
 〈傷〉とその癒し
4 夢分析における〈コスモロジー〉の視点
 古典的な夢分析とコスモロジー
 コスモロジーの視点
 コスモロジーの視点と個々のイメージ
5 ユング心理学の〈創造性〉
 こころの危機と創造性
 イメージの重要性
 創造性とアニマ・アニムス
 心理療法家の役割
 無意識のイメージの扱い方
 夢分析の例
6 夢の中の「蛇」とのかかわり
 「蛇」を背負う
 「蛇」を家に招き入れる
 人類と「蛇」
7 ユング心理学における〈転移〉現象
 無意識とは
 異界とは
 ユング心理学における転移現象
 事例にみる転移現象
8 〈境界例〉にみるユング派の心理療法
 心理療法の外枠と内枠
 治療者のこころの働き
 面接中断と怒りの問題
 治療者の怒り
 破壊的なもの
9 〈分裂病〉の臨床
 精神分析的自我心理学からみた分裂病
 ユング心理学からみた分裂病
 分裂病者の無意識へのかかわり方の特徴
 症例
 個人神話と分裂病
10 ユング派心理療法と日本人のアイデンティティ
 事例
 治療経過
 ユング派心理療法からの考察
11 心身症
 心身症とはなにか
 時代精神としての自然科学的世界観
 人間関係の媒体としての身体症状
 心身症の治療
12 精神医療とユング心理学の可能性
 精神医療の実際とそれに期待されるもの
 症状のもつ意味
 『不思議の国のアリス』に閉じ込められた生と性
 分析心理学的精神療法
13 分析家個人開業のすすめ
 「母-息子」文化の意味
 「母-息子」文化の崩壊
 女性たちの反乱
 中心の空洞化
 分析家の治療者としての意味
 分析家個人開業のすすめ