書籍詳細:宗教に揺れるアメリカ

アメリカのキリスト教原理主義勢力の動向を注視せよ 宗教に揺れるアメリカ 民主政治の背後にあるもの

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,970円(本体価格 2,700円)
在庫なし
発刊年月
2002.02
旧ISBN
4-535-58319-6
ISBN
978-4-535-58319-1
判型
四六判
ページ数
392ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

米国政治を背後で揺さぶるキリスト教・ユダヤ教。これら宗教と政治との関係を正しく理解しない限り、米国を理解したことにはならない。 9・11同時多発テロ後の米国の動きを読むうえでも不可欠なこの論点を深く広く掘り下げる。

目次

第1部 アメリカ政治・宗教関係の変遷

 第1章 多文化社会における政治と宗教

  同時多発テロ

  国民統合が難しい多文化社会

  パウロとトクヴィルの説明 ほか

 第2章 アメリカの政教関係についての考え方

  ウォルドの分析枠組み

  政治的資源としての宗教団体

  オデガードの圧力団体研究 ほか

 第3章 合衆国憲法と市民宗教

  不徹底だった政教分離原則

  政治の世俗化を望んだ建国の父たち

  理神論も影響 ほか

 第4章 宗教関係利益団体の台頭

  宗教関係団体の急増

  三種類に分けられる独立の宗教関係利益団体

  急増・活発化の原因 ほか

第2部 キリスト教会の政治化

 第5章 主要諸教派の政治化

  宗教・教派の人口比率とその変化

  躍進するユニークな小教派

  近代主義と原理主義の分裂 ほか

 第6章 福音派の政治化と宗教保守派

  さまざまな種類が混在

  三人に一人が福音派

  政治的活動の嫌悪と放棄 ほか

 第7章 「宗教活動の自由」規定の具体化紛争

  冷遇・迫害受けた中小教派

  一夫多妻制で抑圧強まる

  影響力の増大と内部の締め付け ほか

 第8章 宗教と政治行動

  世俗化の進むアメリカ社会

  秩序の党と平等の党

  ニューディール連合の崩壊

第3部 戦争と宗教

 第9章 現代アメリカの戦争と正戦論

  四分類される戦争への態度

  聖書にみる正戦論の萌芽

  初代教会の平和主義とキリスト教公認 ほか

 第10章 東西冷戦の激化と「反共十字軍」

  冷たい戦争の始まり

  トルーマン・ドクトリンとマーシャル・プラン

  マッカーシズムの再評価も ほか

 第11章 文化戦争とセラピー国家

  伝統文化と対抗文化の対立抗争

  民主主義が機能不全に

  法律の順守が不十分 ほか

第4部 宗教政治的争点

 第12章 妊娠中絶とアメリカ政治

  「産めよ、増えよ」に反する行為

  カトリック教会の態度

  ロー対ウェイド事件で判決 ほか

 第13章 同性愛に関する政治的攻防

  聖書の記述とその解釈

  妊娠中絶問題より深刻

  第二次大戦を境に政治活動へ ほか

 第14章 公教育における宗教と政治

  「祈り」の重要性

  公立学校創設・普及とホーラス・マン

  強まったプロテスタント色とそれへの反発 ほか

 第15章 宗教的政争に揺れる教育委員会制度

  問題を投げかける多元主義的システム

  地方自治組織のなかの学校区

  独立性や社会的構成に問題も ほか

第5部 注目すべき新しい動き

 第16章 大統領の不祥事をめぐる政教論争

  ホワイトウォーター疑惑が発端

  弾劾裁判で無罪が確定

  国民のクリントン支持は最高水準 ほか

 第17章 政治の総中道化と宗教の見直し

  無党派層の増大とその影響

  宗教を武器に総中道化が進む

  リベラル団体も宗教受容へ軌道修正 ほか

 終 章 アメリカの多文化共生とキリスト教

  共生を促進する動きと阻害する動き

  共生を妨げてきた主要因

  徹底して差別される側にとどまる ほか