書籍詳細:欧州統合の地平

ヨーロッパは何処へ!? 統合の「最終形態」を探る 欧州統合の地平 拡大・深化・最終形態

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,200円(本体価格 2,000円)
在庫なし
発刊年月
2002.04
旧ISBN
4-535-55293-2
ISBN
978-4-535-55293-7
判型
四六判
ページ数
264ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

通貨統合を成功させ、統合の新段階に達したEU。しかし、今後予定されている地理的な拡大と各国制度の調整は、EUにあらたな試練を突きつけようとしている。EUが模索を始めた、統合の「最終形態」とは何か。

目次

序 論 影響力増す欧州
第1章 統合と国益の相克
 ジャン・モネの現実主義が始まり
 国益を克服した統合意欲
 独自の軍事組織も組み込みへ
 タリバン掃討作戦にも支援出動
 二律背反の「拡大」と「深化」
第2章 「連邦政府構想」の波紋
 欧州委員会を真の欧州執行部に
 意気上がらない欧州議会
 ニーズ欧州理事会への逆襲
 連邦主義よりは国益擁護?
 SPD構想、短期実現は絶望的
第3章 「最終形態」をめぐる確執
 これまでの主な欧州統合案
 ジョスパン首相の「民族国家の連邦」
 独仏理念の対立鮮明に
 欧州統合にアイルランドの「ノー」
第4章 EUの拡大と「機能不全」
 もめたQMVの再分配
 独は欧州議会で優位に
 QMV適用分野の拡大
 欧州委員長任命もQMVで
 先行統合、8カ国の同意で可能に
 緊急対応部隊構想推進も承認
 際立った小国の「反乱」
 独に対仏「独立」の兆候
 生殺与奪権はアイルランドに
第5章 中・東欧加盟への楽観と警戒
 質的に異なる第5次拡大
 厳しい「コペンハーゲン基準」
 加盟交渉はレガッタ方式に
 楽観的な「拡大戦略文書」
 農業、通貨、競争政策の適用に時間
 「リベラリズムにはなじまない」
 トルコは長期間待機へ
 安定地域拡大までには時間
第6章 EU憲法の先駆となるか
 加盟国主体の起草委員会
 個人データの保護もうたう
 スト権も最終的に承認
 憲章の法的地位
 憲章はEU憲法になるのか
 法的拘束力は備わるのか
第7章 「欧州独自の軍隊」かNATOか
 危機管理のヘッドライン・ゴール
 新旧米政権の懸念
 NATOの資産利用で対立
 欧州安全保障構築の歩み
 英仏サンマロ共同宣言が転機に
 緊急部隊の鍵握るトルコ
 米はミサイル防衛と取引へ
第8章 「茨の道」歩むプローディ執行部
 委員長に強力人事権
 改革は「毒入りの杯」
 微妙な対外関係調整
 制度改革に期待する仏
 退任委員の再就職に冷却期間
 欧州委員会は不滅
第9章 狂牛病・口蹄疫の教訓
 狂牛病、動物性飼料が原因
 口蹄疫の原因は残飯?
 CAP効率主義の成功と限界
 CAP予算はパンク状態
 有機農業に高い支持率
 CAPの基本原則も放棄へ
第10章 難航する統合の象徴
 通貨統合の淵源、ウェルナー計画
 ドルのフロートと「ヘビ」の誕生
 EMSの発足と動揺
 ドロール報告とマーストリヒト条約
 ユーロ、社債市場を活性化
 底なしのユーロ相場低落
 ダウゼンベルヒ総裁に集まる批判の目
 EUに不可能なポリシーミックス
第11章 民主主義の赤字
 統合揺るがすデンマークの「ノー」
 経済的影響は軽微
 弱いユーロに嫌気?
 成功収めた草の根運動
 「民主主義の赤字」を指し示す
 スウェーデンの国民投票は延期へ
 「民主主義の赤字」解消が先決
第12章 ブレア政権のためらい
 米型統合に割れる世論
 栄光と現実の深い狭間
 根深い英の反EMU感情
 労働党のユーロ政策
 ブレア首相の4条件
 サッチャー首相のブルージュ演説
 通貨統合は単一国家につながる
 英、EMU不参加も
第13章 市場統合への最後の難関
 税制調和から調整へ
 討議の中心「有害税制」に
 財務相理事会の「歴史的合意」
 法人税制の合意は遠のく
 「有害な租税競争」に関心
 税制の差利用した節税
 ダブリン・ドック金融センター
 欧州会社法にも税の恩典なし
 受け入れやすい「母国課税制度」
 非居住者の利子課税は情報交換に
 本格的調和化は当分無理
第14章 世界最大の合併を阻止した力
 世界最大の買収計画
 bundlingと垂直統合
 独禁法思想に歴史的ずれ
 「EUも承認直前までいった」
 競争政策に国際的規制の動き
 国際的競争政策、早くとも数年後か