書籍詳細:先を見よ、今を生きよ

「政策不況」を乗り越えるための本質的な論考! 先を見よ、今を生きよ 市場と政策の経済学

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定価:税込 1,980円(本体価格 1,800円)
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在庫なし
発刊年月
2002.06
旧ISBN
4-535-55294-0
ISBN
978-4-535-55294-4
判型
四六判
ページ数
312ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

いま必要なのは「将来の着地点を見据えて現在の政策を発想する」ことである。「将来が抜け落ちた」政策が声高に叫ばれるなか、あるべき政策フレームワークの本質を問う、第一線の経済学者による冷徹にして真摯な論考。

目次

プロローグ マクロ経済政策をめぐるねじれ現象

 1 はじめに

 2 政策可能性と政策実現性の距離感

 3 経済モデルの選択と政策課題

 4 政策実施のスタイルと政策効果

 5 何が経済政策の障害なのか?

 6 本書のスタイル

第1部 期待形成とコミットメント

第1章 経済予測と期待形成

 1 はじめに

 2 合理的期待形成とは?

 3 マクロ経済予測と合理的期待形成

 4 合理的期待仮説のもたらしたもの

第2章 経済政策における規律と裁量

 1 短期先出しから長期先出しへ

 2 長期と短期の整合性

 3 長期的な規律付けについて

 4 ポスト・ブレトンウッズのマクロ経済政策

 5 日本のマクロ経済政策における真の難しさ

第3章 金融政策の理論と実際

 1 金融政策論争における経済学

 2 未曾有の超低金利政策

 3 物価安定と相対価格

 4 貨幣需要と貨幣数量関係

第4章 景気循環と財政政策

 1 財政政策と大学

 2 景気制御としての財政政策

 3 「国債の力」とは?

 4 「国債の力」の根拠について

 5 財政支出の内実について

第2部 不確実性とマクロ経済政策

第5章 取引コストと流動性

 1 しばし閑談

 2 取引コストについて

 3 流動性需要とマクロ経済

 4 流動性需要と日本経済

第6章 流動性危機と公的介入

 1 長期の時間分散機能

 2 流動性問題と金融政策

 3 流動性問題と日本銀行

第7章 リスク配分とマクロ経済政策

 1 はじめに

 2 マクロ経済学における金利リスク

 3 金利リスクからみた積極財政のコスト

 4 マイルドなインフレーションへの道

 5 民間のリスク管理と政府の経済政策

第3部 合理的発想とマクロ経済政策

第8章 価格調整に関する合理的発想

 1 はじめに

 2 合理的な価格形成とは?

 3 円安誘導は可能なのか?

 4 インフレーションは貨幣的現象なのか?

 5 「だめもと」という政策主張について

第9章 合理的行動と近視眼的行動

 1 合理的か、近視眼的か

 2 現在が将来から切り離される契機

 3 ファンダメンタルズと需要要因

 4 株価リスクの受け皿について

 5 おわりに

第10章 政策のロジックとレトリック

 1 レトリックの大切さ

 2 レトリックとしてのIS-LMモデル

 3 財政政策と金融政策を支えるレトリック

エピローグ 先を見よ、今を生きよ

 1 はじめに

 2 量的緩和措置の政策リスク

 3 将来の姿から逆算すると…

 4 もろもろのこと

 5 われわれの問題の普遍性

補論1 なぜ、今「新しいマクロ経済学」なのか?

 1 なぜ今なのか?

 2 「ミクロ的基礎付け」とは?

 3 なぜ、IS-LMモデルは放棄されたのか?

 4 日本においては?

補論2 マクロ経済学の領域、マクロ経済政策の領域

 1 はじめに

 2 マクロ経済学の領域とは?

 3 マクロ経済政策の領域と時間的整合性

 4 再びミクロ経済学へ

 5 不完全性と景気循環

 6 まとめ

補論3 資産市場とマクロ経済

 1 資産収益率とマクロ経済

 2 リスクとプレミアム

 3 二つのパズル

 4 保険市場の不完全性

 5 経済成長・経済統合の便益

 6 総需要管理政策の便益

補論4 資産市場と公的介入

 1 介入すべきか?せざるべきか?

 2 流動性危機とマーケット・メーカー

 3 裁定取引の資金不足と資金集中

 4 株式市場への直接介入

 5 ジャパニーズ・プロブレム

 6 流動性の総量か?その配分か?

参考文献

初出一覧

索引