書籍詳細:精神疾患はつくられる

それでもあなたはDSMを信じますか? 精神疾患はつくられる DSM診断の罠

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,080円(本体価格 2,800円)
在庫なし
発刊年月
2002.10
旧ISBN
4-535-98195-7
ISBN
978-4-535-98195-9
判型
四六判
ページ数
360ページ
Cコード
C3047
ジャンル

内容紹介

アメリカ精神医学会による操作的診断基準であるDSMこそ、精神疾患をいとも簡単に作り出してしまう教則本(バイブル)である。科学性・論理性・実証性の衣を纏ったDSMを徹底検証し、精神医学のマニュアル化に異議を申し立てる。

目次

第1章 精神医学診断とセクシャル・ハラスメント論争
 診断メーカー
 「精神科のバイブル」の重要性
 従来の見解と批判的な見解
 本書の概略
第2章 これも病気?あれも病気?
 悩みごとは何ですか?
 診断の定義
 精神科のバイブルづくり
 DSMに信頼性はあるのか?
第3章 「同性愛という診断名」の浮沈
 DSMと同性愛の診断
 同性愛の社会的構築
 ゲイ解放運動の出現
 精神医学と精神分析の内部事情
 マニュアルからの同性愛の削除
 再度の約束違反
 戦闘なし
 DSM-IVにおける同性愛の取り扱い
 いま匿名なのは誰?
 同性愛の生物学と同性愛の遺伝子
 今後のDSMでは?
第4章 DSMに持ちこまれた戦争
 戦争の狂気
 ベトナム帰還兵とDSMをめぐる戦い
 臨戦動員
 診断名の変遷
 急性ストレス障害とさまざまな心的外傷
 新たな職業的軍隊とその症状
 今日のPTSD
第5章 マゾヒスティック・パーソナリティ障害、屈辱を喫す
 DSMへのマゾヒズムの登場
 障害なのか、男性による偏見なのか
 提案の反響
 科学を診断する
 マゾヒスティック・パーソナリティ障害の敗北
 パートナーの登場
第6章 境界紛争
 研究室で生まれた診断
 グーサイル博士の仮説
 告訴された治療者のための法的弁護
 「境界パーソナリティ障害」の問題点
第7章 精神科診断の中に生きつづけるレイシズム
 ベンジャミン・ラッシュ
 一八四〇年国勢調査、異常なのはどちら?
 黒人奴隷の精神障害に対する医学の反応
 奴隷の精神障害
 フロイトの未来
 精神薄弱、心理テスト、レイシズム
 モダンタイムズ
 DSM、疫学、そしてレイシズム
 臨床の中のレイシズム
 彼ら自身の声
 文化的なバリエーションと文化結合症候群
 それでもレイシズムは存在する
第8章 精神医学のバイブルを診断する
 DSMの症状
 アメリカを病気にする
 DSMの科学幻想
 苦い薬
 むすび