書籍詳細:植木敬夫遺稿集

科学的弁論の手本 植木敬夫遺稿集 権力犯罪に抗して

の画像の画像
  • 東京合同法律事務所
  • 紙の書籍
定価:税込 3,850円(本体価格 3,500円)
在庫なし
発刊年月
2002.11
旧ISBN
4-535-51341-4
ISBN
978-4-535-51341-9
判型
A5判
ページ数
362ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

東京合同法律事務所一筋に、不器用に、献身的に権力と戦い抜いた著者の遺稿集。戦中、戦闘機を操った経験からか、その弁論は科学的識見に裏付けられている。

目次

松川事件
〈解説〉
バール・スパナーは松川路線班のものではない
 1 松川路線班からバール・スパナーーが紛失したか
 2 本件バール・スパナは松川路線班のものではない
検察官の答弁書は無内容
青梅事件
〈解説〉
本件はどのようにしてデッチ上げられたか
 1 捜査当局は初めから今日の筋書を指向していた
 2 被告達は犯人と疑われるいかなる理由もなかった
 3 宇津木が何故選ばれたか
 4 筋書のデッチあげが始まった捜査本部再設置の意味
 5 「見込み起訴」の意味と役割
 6 筋書きの転換と仕上り
客観的状況と自白における犯行内容との矛盾
 貨車は最初から四輌連結のまま流れた
検察官答弁書に対する反論
 1 エアー・ホースに関する答弁について
 2 実験が「実際に符合しない」との答弁について
 3 後車が追いつくという答弁について
 4 わたくしの補充書の計算の誤りに関する答弁について
デッチあげ事件と科学の役割
 1 デッチあげ事件裁判闘争の性格
 2 自白とのたたかい
 3 裁判の「壁」
 4 自由な「心証」の役割
 5 物証を中心に
 6 大衆の教示と弁護団の努力
 7 検察官の「科学」をうちやぶるために
 8 証拠の弁証法的批判
 9 終りに
辰野事件
〈解説〉
本署事件デッチ上げの軌跡
 1 前回指摘した問題点
 2 右のことが直接に意味すること
 3 「据置説」「くくりつけ説」「単純投入説」「投入発火説」の混乱錯綜
 4 混乱の馬場自白への反映
 5 検証調書はあとで作られた
デッチあげ事件の裁判闘争における方法について
 1 はじめに
 2 「中間弁論」の地位
 3 先入観にとらわれず証拠を分析すること
 4 現場に科学の眼を向けること
 5 目先の利益にまどわず事実を事実として正しくつかむこと
 6 「自白」を徹底的に分析すること
 7 証拠全体を捜査経過の中において分析すること
 8 法廷の内と外は大衆的裁判闘争の二つの側面である
 9 おわりに
日鋼室蘭争議
〈解説〉
分裂に耐えぬいた大争議
 1 背景
 2 争議の前提条件
 3 争議の発端
 4 就労闘争と共闘体制の確立
 5 分裂と挑発と弾圧と
 6 持久戦と全国オルグ
 7 集結大会
砂川事件
安保条約の違憲性
 1 事件のあらまし
 2 憲法上の争点
 3 訴訟の重点と工夫
 4 判決内容と評価
 5 感想と意見
砂川刑特法事件弁論要旨
 1 基地に蝕まれた砂川の歴史
 2 立上がった砂川町民
 3 労働者との提携
 4 無抵抗の抵抗
 5 外郭測量とのたたかい
 6 細目測量とのたたかい
 7 政府は誰のためにあるか
 8 たたかいの再開
 9 「流血の砂川」
 10 基地測量とのたたかい
砂川事件上告審弁論要旨
公安条例の「治安立法」としての性格
〈解説〉
高津事件
〈解説〉
訴訟指揮による刑事裁判の自己否定
 1 事件の本来の争点
 2 一審前半の審理とその結果
 3 強制的訴訟指揮の開始
 4 反証と弁論の全面否定
 5 二審判決の内容と問題点
 6 二審判決の本末転倒の手法
高津事件の法廷活動の方針について
 1 高津事件の基本的性格
 2 高津事件裁判闘争の根本方針
 3 公判前半段階での方針の実現
 4 杉山の強権指揮開始に対する判断と方針
 5 訴訟指揮の異常化に対する判断と方針
 6 一審判決の評価
 7 高津事件の現段階での意義
 8 控訴審の方針
田中ロッキード事件
〈解説〉
「逆転」判決はありうるか
 1 長大な判決の単純な二つの事実
 2 決定的な5億円授受の供述
 3 “請託”“約束”の事実否定も困難
 4 田中の高姿勢もしょせん強がり
田中裁判におけるコーチャン、クラッター証人尋問調書の地位
借地・借家問題
〈解説〉
最近の家賃値上げ攻勢について
私たちの運動の基本方針
弾圧事件に対する大衆的裁判闘争とわれわれの課題
〈解説〉
 1 弾圧のねらいはどこにあるのか
 2 たたかいの目的はどこにあるのか
 3 どのようにたたかいをすすめていくべきか
 4 たたかいの技術をどう駆使すべきか
私フ昭和史
 私の生い立ち
 幼年学校時代
 軍国思想にかぶれる
 飛行機の操縦に魅せられる
 終戦を迎えて
 東大の学生となって
 大学は出たものの
 自由法曹団との出会いと司法試験
 司法修習生へ
 東京合同入所のころ
 妻との出会いと結婚
 借地借家人組合とのかかわり
 近況
あとがき
著作目録
年表