はじめに　日本との出会い
第Ｉ部　日本のアジア観と報道
序　章　日本のアジア報道はどこへ向かうか
１「マスコミ大国」と「金太郎飴」
２日本中心の「期待と不安」論
３「政治大国」のねらいと報道姿勢
４「国論二分」時代の終焉と「東南アジア不在」論
５「福田ドクトリン」の空洞化と「未来志向」論
６江沢民早稲田講演の異常報道と香港報道
７むすび──問われる「国益論」の本質
第１章　日本のマスコミにおける東南アジア報道
１戦前の報道の背景と特色
２戦後の報道の背景と特色
第２章　「南方報道」と「東南アジア報道」の連続と不連続
１「南方報道」の役割と担い手
２「東南アジア報道」の空白と「回帰」
３むすび
第３章　戦後日本における華僑および華人論
──マスコミと研究者の論調を中心にみる
１日本の「華僑論」はなぜ戦前の枠組みから抜け出せないのか
２70年代以降の「華僑論」の特徴と変化
３ポスト冷戦期の「中華勢力」論と「華僑・華人論」
第４章　アジアの視点から見た日本の「内なる国際化」
──留学生・就学生に関する記事をめぐって
１「留学生十万人計画」
２「円高苦」とマスコミ報道
３　バングラデシュ青年「餓死事件」の衝撃
４「官民一体救済ムード」の醸成
５「王小玲事件」および「上海事件」以後の報道の特徴
６「かわいそう」論から「出稼ぎ」論への移行
７むすび──問われる「内なる国際化」報道の姿勢
第５章　日本における「外国人労働者」論議の諸問題
１はじめに──なぜ「国民大論争」なのか
２無視された「強制連行」と「海外雄飛」の史実
３70年代──「研修生」をめぐるメディアの反応
４90年代──「開国・鎖国」論争の実像と虚像
５マスコミ報道・論評の問題点
６むすび──ふりだしに戻った「研修生」論議の意味
第６章　日中関係と日本のマスメディア
Ｉ　江沢民主席の訪日をめぐって
１ポスト冷戦期のアジアの枠組みと日本の「中国観」の変化
２江沢民主席訪日直前の日中の論争
３江沢民主席訪日期間中の日本のメディアの姿勢
４中国政府の「歴史へのこだわり」を日本のメディアはどう説明したか
５日中関係はどこにいくのか
II　朱鎔基中国首相の訪日と日本の反応
１日中関係と「ODAカード」
２「感謝外交」論と「微笑外交」論
３「歴史問題」と「未来志向」
４「増信釈義」の道はまだ遠い
５朱首相訪日後の論争
第７章　湾岸危機と日本の「海外派兵論」
１論議の三大テーマと三つの段階
２「国連平和協力法案」提出の背景
３戦後「派兵論」の系譜を分析する
４マスメディアの報道偏向と特徴
５掃海艇出航とアジアの反応
第II部　日本のアジア報道を読む
第８章　アジア報道を読む
１アジア無視の「真珠湾」論議
２輸入タイ米の処分と日本の「特殊論」
３日本の常任理問題、マスコミは公正に
４「安保理入り」と日本の「反省」
５誇張される「大中華経済圏」
６「新聞の教訓」と従軍記者
７インドネシア動乱と日本の視点
第９章　アジア論の落とし穴
１サミット報道とアジア代表論
２脱亜論と興亜論
３東京発「アジア主義」の怖さ
４「議長国期待」論の実像と虚像
５「４、７、10ゲーム」とアジア盟主論
６ASEM会議と日本の「橋渡し役」論
７誰のための「歩く学問」なのか──鶴見良行さんとの出会い
第10章　外圧論と国際貢献論
１外圧「利用」と「排斥」の構造
２エスカレート「自衛隊派遣」
３「孤立への道」歩む日本
４「変わり身達者」のマスコミ
５「顔」の多い日本
６ガリ国連総長発言と外圧論
第11章　「過去」の清算と安保論争
１　敗戦８・15をアジアに問う
２「広島被曝切手」とアジアの視点
３何のための「国会決議」なのか
４憲法論争と不戦決議
５「東南アジア不在」の「不戦」論議
６沖縄の６・23の平和発言と教科書検定
７「原爆」・国会決議・台湾百年
８村山談話の重み
９ほころびを見せる「非核三原則」
10本土と沖縄とのコミュニケーション・ギャップ
11拡大する「有事」の範囲
第12章　隣国間とアジア外交
１天皇訪中と外交ゲーム
２日本のマスメディアと瀋陽日本総領事館事件
３小泉訪朝と日本メディアの反応
４日本のマスコミと「拉致」事件
あとがき