書籍詳細:クローズド・ワールド

米ソ冷戦政策とコンピュータ発展の相互作用を探求 クローズド・ワールド コンピュータとアメリカの軍事戦略

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  • 紙の書籍
定価:税込 4,180円(本体価格 3,800円)
在庫なし
発刊年月
2003.04
旧ISBN
4-535-58252-1
ISBN
978-4-535-58252-1
判型
A5判
ページ数
480ページ
Cコード
C3031
ジャンル

内容紹介

米ソ冷戦時代におけるアメリカの軍事と政治の戦略決定にいかにコンピュータが重要な役割を演じたかを科学政策的かつ実証的見地から述べた。コンピュータの発達、サイバネティックス、人工知能の起源にも言及。

目次

第1章 「われわれはすべての地域を守る」:冷戦世界の構築
1 シーン1:イグルー・ホワイト作戦
2 閉じたシステムとしての戦後世界
3 クローズド・ワールドの特徴
4 シーン2:チューリング機械
5 サイボーグ
6 シーン3:クローズド・ワールドにおけるサイボーグ
7 ツール、メタファー、言説
第2章 なぜコンピュータを作るのか?コンピュータ研究における軍の役割
1 背景:第二次世界大戦中のコンピュータ
2 ヴァニーヴァ・ブッシュ:科学的研究のためのインフラ構築
3 ENIACプロジェクト
4 戦後の研究動向
5 戦後のコンピュータ研究における軍の役割
6 軍による援助の帰結
7 なぜコンピュータを作るのか?
8 アナログ対デジタル:コンピュータと制御
9 コンピュータが指揮する
第3章 SAGE
1 Whirlwindとアナログからデジタル制御への移行
2 冷戦政治、戦略ドクトリン、防空
3 WhirlwindからSAGEへ
4 SAGEの技術的、産業的影響
5 政治的象徴としてのSAGE
6 結論
第4章 オペレーションズリサーチから電子戦場まで
1 ランド研におけるオペレーションズリサーチ、システム分析、ゲーム理論
2 ロバート・マクナマラ、システム分析、軍管理
3 ベトナム
4 結論
第5章 幕間:メタファーと自我の政治
1 政治、文化、表象
2 メタファーの力
3 メタファーとしてのコンピュータ
4 主体状況とサイボーグ言説
5 「思考手段」
第6章 入れ替わり機械:サイバネティク心理学と第二次世界大戦
1 力/知識としての心理学
2 認知主義、行動主義、サイバネティクス
3 サイバネティクス:機械の行動
4 心理エンジニアリング
5 メーシー会議
第7章 ノイズ、コミュニケーション、認知
1 音響心理学研究所とノイズに関する諸問題
2 音響心理学と認知:ジョージ・A・ミラー
3 結論
第8章 人工知能
1 サイバネティクスからAIまで:記号処理
2 ソフトウェアとしての知性
3 タイムシェアリング:AIと指揮統制の結合
4 結論:クローズド・ワールドとサイボーグ
第9章 第二次冷戦時代のコンピュータと政治
1 デタントの時代
2 冷戦の再来
3 1980年代のコンピュータと戦争
4 複雑さの危険
5 戦略電脳構想
6 ドームの再密閉:AIとクローズド・ワールド
第10章 クローズド・ワールドにおける心、機械、自我
1 心の劇場で:物語とサイボーグ自我
2 クローズド・ワールド
3 グリーン・ワールド
4 「人間より人間的」:第二の自分
5 冷戦初期における物語上のクローズド・ワールド
6 1980年代のサイボーグ自我
7 グリーン・ワールドにおけるサイボーグ:『スター・ウォーズ』三部作
8 サイボーグの名誉回復
9 結論:『ブレードランナー』と『ニューロマンサー』にみる遺伝子組み替え劇
エピローグ
訳者あとがき
索引