書籍詳細:漂流と漂泊の十年

今日の日ロ関係の原点たる神昌丸遭難事件の全容を鳥瞰 漂流と漂泊の十年 アレウト列島からシベリアへ、そしてペテルブルグ

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  • 山下 恒夫
  • 編纂
  • 紙の書籍
定価:税込 10,450円(本体価格 9,500円)
在庫なし
発刊年月
2003.03
旧ISBN
4-535-06618-3
ISBN
978-4-535-06618-2
判型
四六判
ページ数
728ページ
Cコード
C3020
ジャンル

内容紹介

ペリー来航に先立つ50年、エカテリーナ号の来航こそ、開国の曙光であった。遠く対峙するエカテリーナ女帝と松平定信。多くの新発掘史料に支えられ、伊勢と江戸を結ぶネットワークから漂民の帰国後の生活に至る俗説虚妄に真実の光を当て、今日の日ロ関係の原点たる神昌丸遭難事件の全容を、日ロ双方の視点から、鳥瞰し尽くす。
●第1巻はこちら 第1巻

目次

御私領ノ節魯西亜船入津一件
──魯西亜人松前着一件──
 御応対所御座敷ノ図/異国人旅宿并門内外座舗ノ図/異国人旅宿門内外ノ警備図/御城大手口御固ノ図/ヲロシヤ国ノ文字写
『続蝦夷島奇観』絵図
 松前の国図/津軽領三廐の図/箱館市中の図/根室の図
異舶航来漂民帰朝紀事
 安永七戊戌年、同八己亥年、松前蝦夷地飛騨国湯の嶋村久兵衛請負場所ぇ魯西亜人始めて渡来の記
 天明元辛丑年より寛政四壬子年まで、東西奥蝦夷地島々ぇ魯西亜人渡来の記
 寛政四壬子年魯西亜船松前渡来の記
 寛政丑年正月魯西亜人ぇ神牌御渡しの記
 勢州白子神昌丸幸太夫船、上乗・水主十七人乗り、漂着発端ヲロシヤ国従来道法記
 聞書
 ヲロシヤ国の大概
 御船手水主組頭長谷川仲右衛門直話他
ヲロシイヤ国道具ノ図
 エカテリーナ号の図/ペンをとる人の図とアラビヤ数字/寒暖計の図/天球儀(プトレマイオス球体)の図/天球儀(コペルニクス球体)の図/エカテリーナ二世の肖像を刻した金貨の図/同銀貨の図/盃を持つ男の図/ロシア家屋の平面図/杖を持つ男の図/犬と散歩する図/長ギセルを持つ男の図/外套を着た男の図/キセルの図/鳥の羽のペンとインキ壺の図/弾帯の図/剣の図/コンパスなどの図/秤の図/石火矢仕掛の図/石火矢の図/魯斉亜船艫ヨリ見タル図/ヲロシヤ船舳ヨリ見タル図/ボートの図/革舟の図/柁と柁柄の図/碇の図/旗と船印の図/船の距離計と砂時計の図/印形と望遠鏡の図
 「ヲロシイヤ国道具ノ図」表紙・同表紙裏
松前藩医米田元丹物語の趣き
工藤万幸聞書
寛政五年神昌丸二漂民両目付吟味録(篠本久次郎)
 寛政五年八月二十四日
 同八月晦日
 同九月十一日
 同九月十七日
北槎異聞(篠本廉)
 序
 巻ノ一
 起原
 流寓浪跡
 巻ノ二
 視聴叢談上
 巻ノ三
 視聴叢談下
 巻ノ四
 魯西亜語

―私に判を擬す―(篠本竹堂)
寛政五年蝦夷地騒動聞書
魯西亜国漂舶聞書
 巻ノ一
漂流・漂泊概要
 魯西亜国の図/磯吉坐像/磯吉後姿/磯吉立像(?)二図/磯吉がロシアより持ちかえった品々五図/小市がロシアより持ちかえった品々十五図
 巻ノ二
駿河沖より漂流してアミシイツカに至る
 アムチトカ島着岸の図/伝馬船の上陸を出迎えるアレウトの男たち/ロシア人と出会う図/岩穴で休息する光太夫たち/ロシア人宿舎に着いた五漂民/アムチトカ島の図/魚を食べるアレウトたち/タラワを刈るアレウト/アレウトの男/アレウトの女/谷間の清水を皮袋に汲む図
 巻ノ三
アレウト蜂起の顛末
 アムチトカ周辺諸島図/雨中に皮舟を操るアレウト/皮舟を担ぎ運ぶ図/笠とマイダルカの図/ステリカの図/ステリカを投げるアレウト/トドを射つロシア人/アザラシ猟をするアレウト/網でラッコをとる
 巻の四
食物
 キャベツの図/ホークの図/食卓の図/食事の図/牛乳攪拌器
家作
 呉服屋の図/呉服屋の建物の図/警備の足軽/ペチカの図/富家の家内/門構えの住居の図/農耕の図/富家の飾り床の図/蝋燭と長ぎせる/湯屋での脱衣の図/湯屋の焚き口と浴室/煙出しの図/釣瓶井戸で水を汲む図/井戸水を運ぶ図/酒屋の大樽/丸太で組上げた家屋の図/酒屋売場の図
 巻ノ五
法度 俗礼
 大名葬礼指揮の二将校/葬礼の将兵と見物人/墓所へ向かう行列/葬礼の行列/大名の足軽と天子の足軽/オモチャで遊ぶロシアの子供/ロシア正教の十字架/教会の門/教会の図/大鐘を鳴らす図/たくさんの鐘を一度に鳴らす図/香炉を携え読経する二司祭/ロシアの軍人の図
 巻ノ六
アミシイツカを出帆してカミシャァツカに至る
 カムチャツカのロシア人/スキーと犬ゾリの図/舟で漁をする婦人/魚と櫂を持つ婦人/楽器の図/氷上の花火の図/婚礼のダンスの図
カミシャァツカを出てチギリに至り、乗船してヲホゥツカに渡る
 ロシア婦人二図/黒装束の後家の図
 巻ノ七
ヲホゥツカを出て砂漠を過ぎ、ヤコゥツカを歴てイルコゥツカに至る
 皮袋の図/馬で大湿原を行く図/防虫マスクをかぶった図/キビツカの図/走るキビツカ/荷馬車の図/イルクーツゥの芝居見物三図
 巻ノ八
日本人帰国の願ひ叶はず、光太夫、キリロイチとともに帝都に上り、帰国の願ひ整ひてイルコゥツカに帰る
 帰国願書の図/願書を提出する図/長靴をみがく図?/帝都へ赴く馬車の図/ソリ式馬車の図/ペテルブルグ三図/ナマズ髭を生やした下僕/四頭立ての馬車の図/門燈の図
 巻ノ九
日本人イルコゥツカを出、ラホゥツカより出帆して蝦夷に至り、居る事一年にして箱館に至る
 新蔵との別れを惜しむ図/大河を渡る図/大河へ馬を追込む図/大河を渡り終えた馬群/蝦夷地へ上陸する図/アイヌの家/驚き逃げるアイヌたち/アイヌと話す磯吉/箱館入港のロシア船見物におしよせる群衆二図/エカテリーナ号の図/船印の旗を揚げる図/石火矢を放つ図
 巻ノ十
ヲロシャ人箱館を発駕して松前の陣屋に至り、漂流人を引渡して本国に帰り、光太夫、磯吉東都に帰府す
 浜屋敷門前警備の図/浜屋敷へ向かうロシア使節団の行列/馬上姿の磯吉
漂流民御覧之記の質疑
絵・写真
福山館周辺絵図(小玉貞良画)
慶応三年時の松前城
小松前澗
根室港の夕べ
オホーツク港
ペテルブルグ冬宮
マイダルカ船で海獣猟をするアレウト
アレウトの男と猟具
病人たちを光太夫看病するの図
ロシアの夏服姿の磯吉
解題…山下恒夫