書籍詳細:「編集知」の世紀

18世紀のネットワークから、われわれは何を学ぶか 「編集知」の世紀 18世紀フランスにおける「市民的公共圏」と『百科全書』

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,750円(本体価格 2,500円)
在庫なし
発刊年月
2003.04
旧ISBN
4-535-58346-3
ISBN
978-4-535-58346-7
判型
菊判
ページ数
288ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

サロン・カフェ・劇場…といった市民的公共圏は、出版・百科全書として結実する。フランス革命に直結するこの経験は、21世紀的公共圏を、アメリカ一極ではなく、人間のネットワークとして構想する手がかりを与えてくれる。

目次

"序 論 「啓蒙」から「編集知」へ
 「啓蒙」とは何か
 理性とは何か
 「公共圏」
 編集
 「編集知」から「啓蒙」へ
第1章 「市民的公共圏」──サロン、カフェ、劇場
 「体現的公共性」から「市民的公共性」へ
 「市民的公共性」の創出
 17,8世紀のサロン開業
 サロンの18世紀的展開
 カフェ
 カフェとサロン開業
 劇場
第2章 情報・出版文化
1 18世紀フランスの出版状況
 出版の国際的ヴェンチャー・ビジネス化とヴェンチャー書籍業者の登場
2 サロン・カフェ・劇場と情報・出版文化
 警視総監配下の警部の報告
 18世紀前半のある文士の生き様
 流行禁書作家の登場
 ジャーナリストの本格的出現
 文通・思想の仲介者ダミラヴィル
まとめ マルゼルブの見た18世紀後半の作家たちの世界
第3章 「汎智」から「編集知」へ
 「汎智」
 「汎智」から「編集知」へ
 「汎智」と「編集知」
 18世紀出版文化の中の「編集知」
 「ヌーヴェル」の「編集知」
 「編集知」=「公論」
第4章 「辞典戦争」の中の「編集知」
 『歴史批評辞典』
 「辞典戦争」
 『フュルチエール辞典』
 『アカデミー辞典』
 バナージュ・ド・ボーヴァル版『フュルチエール辞典』
 『トレヴー辞典』
第5章 ヴェンチャー、「ギャルソン」 、『百科全書』
 『百科全書』の刊行史
 ヴェンチャー起業家=ル・ブルトン
 「ギャルソン」ディドロから『百科全書』へ
 『百科全書』の執筆者
 『百科全書』ネットワークの国際的広がり
第6章 「『百科全書』戦争」
 ディドロのヴァンセンヌ幽閉
 プラド事件
 『トレヴー評論』の反『百科全書』キャンペーン
 「『百科全書』戦争」=「公共圏戦争」
 1758年の危機と百科全書派の勝利
 「『百科全書』戦争」後
第7章 『百科全書』の「編集知」
 アルファベット順の採用
 普遍性を有する「編集知」を求めて
第8章 ダランベールの「体系知」
 『動力学論』「前書き」
 『哲学の基礎』
 「解析」から〈観念の分析〉へ
 「体系知」
第9章 クロスファイレンス
 四つの参照法
 論争的クロスレファレンス
 『ディドロならびに『百科全書』の研究』31-2合併号について
 ドルバックにおけるクロスレファレンス
 『百科全書』における「知」の巨視的ネットワーク
 クロスレファレンスのダイナミズム
 ディドロの「科学」方法論の「編集知」的ダイナミズム
 『百科全書』クロスレファレンスからインターネットへ
第10章 『百科全書』の「人間」ネットワーク、その綻びと新たな回復の試み
 『百科全書』の「人間」ネットワーク
 『百科全書』の「女」のネットワーク
 ジョクールの知の単一テクスト性
 ムション『索引(ターブル)』の「編集知」
 『百科全書』後のディドロの「編集知」に向けて
結びにかえて

参考文献
あとがき
人名索引"