書籍詳細:ヨーロッパ私法の動向と課題
龍谷大学社会科学研究所叢書 ヨーロッパ私法の動向と課題
- 紙の書籍
オンラインでの受付ができません。
紙の書籍のご購入
内容紹介
目次
第1部 ヨーロッパ私法の形成と方法論
ハイン・ケッツ『ヨーロッパ契約法I』について……松岡久和
1 はじめに
2 『ヨーロッパ契約法Ⅰ』の概要
3 『ヨーロッパ契約法Ⅰ』の意義と留意点
4 終わりに
書評『ヨーロッパ契約法I』……池田清治
ヨーロッパ共通私法をいかにして達成するか……ハイン・ケッツ/訳:中田邦博
1 はじめに
2 ヨーロッパにおける法統一の方法と可能性
3 ヨーロッパ民法典の可能性
「ヨーロッパ共通私法をいかにして達成するか」をめぐっての質疑応答……中田邦博
1 コメンテーター潮見教授のコメントと質問
2 講演会参加者との討論
3 まとめ
ブツェリウス・ロースクール――ドイツにおける初めての私立法科大学院の試み……ハイン・ケッツ/訳:中田邦博
1 はじめに
2 ドイツの伝統的法曹教育と司法試験
3 法曹教育システムの問題点とブツェリウス・ロースクールの創設
4 ブツェリウス・ロースクールの教育プログラム
5 学生の選抜と教育プログラム
6 学費の徴収
7 学費の支払い方法と奨学金制度
8 おわりに
9 ブツェリウス・ロースクール質疑応答編
第2部 ヨーロッパ私法の諸動向
不貞関係の相手方に対する無償処分の効力――フランス破毀院1999年2月3日判決を手がかりに……森山浩江
1 はじめに
2 破毀院第一民事部1999年2月3日判決
3 本判決をめぐる議論
4 本判決をめぐる議論から得られる示唆
5 おわりに
フランスからみたヨーロッパ契約法の一断面――クリストフ・ジャマンの所説の紹介……馬場圭太
1 はじめに
2 フランスにおける議論状況の概観
3 ジャマンの所説
4 おわりに
契約危殆状態における法的救済に関する一考察――ウィーン国連売買条約・ユニドロワ国際商事契約原則・ヨーロッパ契約法原則を手がかりに……松井和彦
1 問題の所在
2 契約危殆状態における法的救済規定の概観
3 法的救済を生ぜしめる「契約危殆状態」の捉え方
4 履行停止後における契約関係の帰趨――担保不供与と契約解除権との関係
5 権利行使手続
6 比較法的検討のまとめと今後の展望
ドイツ債務法の現代化と「契約締結上の過失」(culpa in contrahendo)……川角由和
1 はじめに――本稿の目的
2 ドイツ債務法現代化のもとでのcic責任論とヨーロッパ契約法原則との関係
3 cic責任に関する近時の学説とドイツ債務法の現代化――J.ハーガーとB.D.リープならびにJ.ケントゲンの見解を中心に
4 cic責任の法的効果に関する最近の判例とドイツ債務法の現代化――cic責任を根拠とする「現状回復」としての契約解消
5 ドイツ債務法現代化のもとでのcic責任の解釈論的位置づけ
6 むすび――本稿考察のまとめと今後の課題
大陸法と英米法における契約上の救済……ハイン・ケッツ/訳:松岡久和
1 はじめに
2 特定履行(Specific Performance)
3 契約の解消(Termination)
4 契約違反(Breach)
5 結論
「大陸法と英米法における契約上の救済」をめぐっての質疑応答……松岡久和
1 コメンテーター松岡のコメントと質問
2 講演会参加者との討論
現在のドイツ損害法における法政策と法解釈学……ゴットフリート・シーマン/訳:高嶌英弘
1 はじめに――債権法の改正と損害法総論
2 利用利益の賠償を例とした、一般損害法における合意ないし価値問題
3 一般損害法における価値観念の変遷と法創造(法の継続形成)
4 損害法政策の不機能:損害概念をめぐる議論
5 近代的損害法の指導理念としての、補償における正義と「利得の禁止」
ヨーロッパにおける損害賠償と損害概念……ペーター・シュレヒトリーム/訳:若林三奈
1 損害概念――比較法的スケッチ
2 損害確定についての立法者・裁判官・学説の役割分担
3 規範的原則への要求
4 ドイツ損害法に基礎づけられる原則の有用性
5 差額説と保護目I論
6 保護目的論と予見可能性のルール
7 まとめ
EUとドイツにおける支払遅滞制度の変革――EU支払遅滞指令とドイツ民法典の2002年改正……潮見佳男
1 はじめに
2 EU支払遅滞指令における遅滞法制
3 ドイツにおける履行遅滞規定の改正
4 おわりに
電子商取引(インターネット取引)に関するEC指令について……ハンス・ユルゲン・アーレンス/訳:中田邦博
1 指令の成立過程――指令による立法の意味
2 情報社会サービス(Dienste der Informationsgesellschaft)
3 商的通信(Kommerzielle Kommunikation)
4 調整分野
5 個別規制の概要
6 一つの法秩序へ連結する必要性――出所国主義
7 出所国連結――国際私法の準則か?
8 対象とされなかった領域
9 バーチャル薬局事例での指令の適用
10 法政策的評価
包括的担保における不確実性は解決したか?――過剰担保における解放請求権をめぐる諸問題について……インゴ・ゼンガー/訳:野田和裕
序言
1 問題の所在
2 判例の展開
3 解放条項
4 捕捉限度
5 結論
第3部 資料編
ヨーロッパ契約法原則(PECL)……訳:藤井徳展・益澤 彩