書籍詳細:情報技術革新の経済効果

情報技術革新の経済効果 日米経済の明暗と逆転

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,630円(本体価格 3,300円)
在庫なし
発刊年月
2003.07
旧ISBN
4-535-55342-4
ISBN
978-4-535-55342-2
判型
A5判
ページ数
308ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

1990年代における米国経済の活況と日本経済の停滞は、1980年代とは形勢が逆転した。その明暗を分けた鍵が情報技術革新にあるとして、日米の経済動向と情報化投資の経済効果を分析し、そのメカニズムを解明する。

目次

はじめに

序 章 情報技術革新と日米経済の逆転現象

第1章 日米経済の長期概観と1990年代
第1節 成長率および失業率の逆転
第2節 設備投資にみる明暗と逆転
第3節 財政支出と民間活力の逆転
第4節 国際評価にみる日米の明暗

第2章 米国経済の活況と情報化投資
第1節 過去と異なる長期の景気拡大
第2節 物価安定と低失業率の両立
第3節 生産性の上昇と設備投資の増勢
第4節 設備投資を牽引した情報化投資

第3章 情報化投資の経済効果と生産性論争
第1節 生産性論争前史:情報経済学と情報化社会論
第2節 ソロー・パラドックスの起源と背景
第3節 生産性論争の「情報化」と実証研究
第4節 歴史的アプローチによる解釈
第5節 ニュー・エコノミー論争
第6節 ソロー・パラドックスの解消

第4章 情報技術発展の経過と1990年代の特徴
第1節 情報技術の共通資源化
第2節 コンピュータ開発の歴史とパソコンの登場
第3節 急速なパソコン普及の背景
第4節 インターネット構築と商業利用の開始
第5節 クリントン政権下の民間主導政策

第5章 日本における情報化投資の実証分析
第1節 情報化に関する日本の研究アプローチ
第2節 情報化投資と生産性に関する過去の研究
第3節 ソフトウェアを含む情報化投資額の推計
第4節 日本の情報化投資の概観
第5節 情報化投資の日米比較
補 論 日米国際産業連関表を用いた日米比較

第6章 日本の情報化投資の経済効果
第1節 生産と雇用の誘発効果
第2節 雇用マトリクスからみた情報化
第3節 雇用への影響に関する日米比較
第4節 情報資本ストックの日米比較
第5節 全要素生産性と労働生産性への影響
第6節 情報資本の限界生産性の推計
第7節 最適情報資本比率の推計
第8節 情報資本の外部性の推計

第7章 情報技術革新と企業改革
第1節 情報化の効果と企業改革
第2節 分業のパラドックス
第3節 企業内部における分業と比較優位
第4節 コミュニケーション・コストと分業
第5節 リエンジニアリング再考

第8章 企業と市場の境界への影響
第1節 企業の境界と取引費用
第2節 取引費用と組織化の費用
第3節 情報技術革新で揺らぐ企業の境界
補 論 統合と結合の相違点

第9章 ネットワークの経済性再考
第1節 カッツ=シャピロの「ネットワーク効果」
第2節 互換性による多数参加と競争的市場
第3節 範囲の経済性と連結の経済性
第4節 企業構造の経済性比較:総合企業と専門企業
第5節 ネットワークの経済性と取引費用の枠組み
第6節 イノベーション:新結合と代替取引
第7節 連結の経済性とモジュール構造

第10章 日米の企業・経済システムと情報技術革新
第1節 日米経済を巡る最近の議論
第2節 分析の視点と情報技術革新の位置づけ
第3節 平成2年版経済白書の位置づけと分析内容
第4節 市場と企業の相互浸透の枠組み
第5節 企業内システムに対する影響
第6節 企業間システムに対する影響
第7節 日本型企業の技術開発力の特徴
第8節 技術開発の二類型と情報技術革新
第9節 研究開発における分業の見直し
第10節 成長機会を活かせなかった構造

第11章 情報技術革新と制度としての市場
第1節 制度問題の顕在化と制度変化
第2節 組織の見直しと日本の企業再編法制
第3節 問われる法制度の形成能力
第4節 会社法制のアメリカ化
第5節 制度の多層性:フォーマルとインフォーマル
第6節 ルール形成の多元的チャンネル
第7節 制度の多元性と国際的調和の問題点

第12章 1990年代の終焉と「日米同時IT不況」
第1節 外需に牽引された日本のブーム
第2節 日米経済の関連性と異質性
第3節 変貌する米国経済
第4節 楽観的展望と過剰需要の連鎖
第5節 需給バランス悪化とストック調整

おわりに
参考文献
索引