書籍詳細:歴史主義の再建

歴史主義の再建 ウェーバーにおける歴史と社会科学

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  • 紙の書籍
定価:税込 5,500円(本体価格 5,000円)
在庫なし
発刊年月
2003.12
旧ISBN
4-535-58349-8
ISBN
978-4-535-58349-8
判型
A5判
ページ数
244ページ
Cコード
C3031
ジャンル

内容紹介

ウェーバーが、ロッシャーにはじまる歴史学派国民経済学の方法的問題の再検討をふまえ、みずからの方法的立場を確立し、同時に一連の宗教社会学研究にいたる学問的認識の課題を見出した過程をたどる。

目次

序 論 政治史から国民経済学へ
1 政治史と社会科学
2 背景としてのランプレヒト論争
3 政治史=文化史論争
4 歴史学と国民経済学
5 マイネッケと政治史学の再建
第一部 政治史学の解体と再編
第一章 マイネッケとウェーバー
一 方法としての理解
二 一八四八年三月革命とフリードリヒ・ウィルヘルム四世
1 プロイセン学派のフリードリヒ・ウィルヘルム四世評価
2 新「ランケ学派」のプロイセン学派批判
3 マイネッケのラッハファール批判
第二章 マイネッケと政治史学の再建
一 ランケにおける歴史と政治
1 『歴史=政治雑誌』とランケ
2 政治理論批判
3 歴史認識と政治学
4 治療学としての政治経済学
5 政治と歴史の相違
二 ドイツ・リベラリズムにおける政治と歴史――プロイセン学派の展開
1 政治的な学としての歴史学
2 リベラリズムの「転向」――トライチュケ「連邦国家と単一国家」(一八六四年)
3 バウムガルテン『ドイツ自由主義――一つの自己批判』(一八六六年)
4 政治史学の解体――トライチュケ=バウムガルテン論争
5 ランケへの回帰――新「ランケ学派」
三 マイネッケ――新「ランケ学派」をこえてランケへ
四 青年ウェーバーと政治史学
1 バウムガルテンとの関係
2 社会政策学会=国民経済学という選択
第二部 ウェーバーと歴史学派経済学
第三章 歴史学派国民経済学の方法的問題――ロッシャーとクニース
一 ウェーバー方法論の論争的文脈
二 ウィルヘルム・ロッシャーと歴史学派国民経済学の成立
1 治療学としての政治経済学
2 古代という経験
3 ロッシャーの発展段階論
三 クニースにおける歴史的方法の擁護
四 ウェーバー「ロッシャーとクニース」の課題
第四章 歴史学派の発展段階論の展開――歴史学と経済学
一 ビュッヒャー『国民経済の成立』
二 古代経済の性格をめぐるビュッヒャー=マイヤー論争
1 マイヤーのビュッヒャー批判
2 ビュッヒャーの反論――国民経済の発展段階と世界史
3 世界史的発展段階論(ヘーゲル)の拒否
第五章 歴史的個体としての「資本主義の精神」――近代資本主義成立をめぐる論争
一 ゾンバルト『近代資本主義』初版
1 経済理論と歴史との総合
2 前資本主義期の資産形成
3 資本主義精神の起源
二 ベロウの批判――論文「近代資本主義の成立」
三 ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の課題
第六章 世界史としての古代史――マイヤーとウェーバー
一 マイヤー『古代史』の世界
二 ウェーバーのマイヤー批判
1 歴史の対象は何か
2 歴史と法則的知識
3 比較の基準としての都市
4 マイヤー批判の未完結性
第七章 古代ユダヤ教の世界史的意義
一 エドゥアルド・マイヤーとユダヤ教の成立
1 世界帝国ペルシア
2 ギリシアとの対比
3 捕囚期のユダヤ教――祭司エゼキエル
4 エルサレム帰還と第二イザヤ
5 教団国家の成立
二 ユリウス・ウェルハウゼンの旧約聖書研究
1 ウェルハウゼン=マイヤー論争
2 ウェルハウゼン『イスラエル史序説』
3 預言者の精神と律法の精神
三 ウェーバーの課題――「古代ユダヤ教」序論
結 論 マックス・ウェーバーと歴史主義の再建
 あとがき
 人名索引