書籍詳細:もう少し知りたい統合失調症の薬と脳[第2版]

シリーズ:こころの科学叢書

もう少し知りたい統合失調症の薬と脳[第2版]

の画像の画像
  • 紙の書籍
定価:税込 1,980円(本体価格 1,800円)
在庫あり
発刊年月
2012.04
ISBN
978-4-535-80432-6
判型
四六判
ページ数
256ページ
Cコード
C3047
ジャンル

内容紹介

妄想に薬が効く理由から、光によるこころの病の検査まで、好評を受けバージョンアップ! 担当医には聞きにくい統合失調症の「なぜ」に、さらに答える。

目次

第1章 薬が効くってどういうこと?

1 妄想が薬で治るのか?

2 本人の体験

3 妄想の改善のされ方

4 妄想に効く薬

5 同じ薬で健康な人は

6 妄想への効果の仕組み

7 薬の効果の解明の順序

8 あらためて妄想とは

9 ドーパミンと妄想

10 統合失調症の妄想

11 薬が効かない妄想

12 妄想が生じない仕組み



第2章 薬を止めたいのだけれど…

1 治療の中断は困ったことである

2 中断ではなく終了である

3 治療を続けるほうが不自然なのかもしれない

4 治療の見通しと生涯治療計画を提供する

5 治療継続のための意志と意欲

6 治療目標を患者と共有する

7 精神症状と生活機能

8 患者にとってのリハビリテーション

9 薬を自分で調節する

10 治療の対象は病気である

11 臨床検査で病状を判断する

12 病気についての患者の気持ち

13 日常語での診察



第3章 いつまで飲まなければいけないの?

1 「薬はいつまで?」

2 「なぜやめてはいけないのですか?」

3 「再発しても治ればよいのでは?」

4 ガイドラインの回答

5 「ときどき飲むのはどうですか?」

6 「そもそも治るのですか?」

7 病状回復の時間経過

8 「検査でわからないのですか?」

9 薬物療法終結の心理的意義

10 おわりに



第4章 薬が効く仕組み

1 なぜ薬が効くのか?

2 「なぜ薬が効くのか?」が完全に明らかなわけではない

3 抗精神病薬の効果

4 薬の効果から精神症状を考え直す

5 抗精神病薬の作用は対症療法か?

6 抗精神病薬のドーパミン受容体遮断仮説

7 ドーパミン仮説の修正

8 ドーパミン神経系とは?

9 行動薬理学からみた脳内ドーパミン系と抗精神病薬

10 認知機能障害と抗精神病薬

11 生体の治癒力と抗精神病薬の作用

12 抗精神病薬療法と心理社会的治療は相乗的に作用する

13 統合失調症になぜ薬が効くのか?ーーまとめ



第5章 生活がうまくいかないわけ

1 精神疾患と認知機能障害

2 捉えにくい日常生活の障害

3 日常生活の障害を捉える視点

4 日常生活障害の評価は難しい

5 事物を対象とした障害――認知機能障害

6 他人についての障害

7 自分についての障害

8 非特異的な日常生活の障害

9 認知機能障害としての統合失調症

10 生活障害と生活療法の脳科学



第6章 働きたい気持ちをかなえる

1 社会で働くことの困難

2 作業の困難

3 一連の作業をするうえでの困難

4 働くなかでの人間関係

5 働く意欲をもつ

6 統合失調症の認知機能障害

7 認知機能障害の特徴にもとづいた就労支援

8 病院の診察室と社会のなかでの生活



第7章 統合失調症の脳のしくみ

1 統合失調症の脳の仕組みを知るために

2 幻聴はどうして聞こえてくるのか?

3 脳の構造と幻聴

4 自我障害

5 人と物

6 脳構造と神経細胞

7 統合失調症の原因

8 治療と予防



第8章 統合失調症治療のこれから

1 ニーズとサービス

2 ニーズを知る

3 サービスを近づける

4 新しいサービスを実現する

5 ニーズを予防する



付録(1) 統合失調症とはーー診断と治療の基礎知識

1 病気の特徴

2 統合失調症とは

3 発症しやすい年代

4 症状

5 診断

6 病型

7 原因

8 治療

9 経過

10 家族や周囲の人の対処法

11 予後と生活のアドバイス

12 間違いやすい病気



付録(2) 脳の働きとこころ――脳科学の発展

1 脳科学の発展の歴史

2 感覚と知(理性)についての解明

3 情(感情・情動)についての解明

4 対人関係についての解明

5 意・自我についての解明

6 脳科学発展の方向

7 事物・他者・自己

8 脳科学のこれからーー行動する脳

9 脳と生活と精神疾患



付録(3) 光でこころを見る――脳検査の実用化と当事者中心の医療

1 こころを見る

2 光トポグラフィー検査

3 こころの病へのNIRSの応用

4 こころの病の検査を実用化する

書評掲載案内

■2012年7月22日付『朝日新聞』