書籍詳細:心理臨床におけるまなざし体験の生成

心理臨床におけるまなざし体験の生成

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,960円(本体価格 3,600円)
在庫なし
発刊年月
2013.07
ISBN
978-4-535-56328-5
判型
A5判
ページ数
172ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

生身の人間同士のまなざしを介したコミュニケーション力が劣化している。臨床事例を踏まえて、その病理と克服の途を追求する。

目次

刊行に寄せて(皆藤 章)



序 章 まなざしと心の起源



第1章 心理臨床におけるまなざし体験の生成とは

  1 関係のはじまり

  2 「見えている」のではなく「見ている」赤ちゃん

  3 見ることの臨床的意味

  4 臨床実践における「まなざし体験の生成」の意義



第2章 母子の見つめあいから生まれてくるまなざし体験の生成

  1 はじめに

  2 見つめ続けること・まなざしを浴び続けること

  3 他者を感じ、肯定されることから共に見る存在へ

  4 「お母さんの目の中にAちゃんがいる」という言葉の意味

   1 発達相談とK式発達検査

   2 母子合同のグループセラピー

  5 他者の視点の内在化と身体像の獲得

  6 母親のまなざし



第3章 「自分」の生成とまなざし体験

  1 はじめに

  2 統合失調症の20代青年との面接過程

   1 事例の概要

   2 事例の経過

  3 見る”自分”の存在

  4 クライエントをまなざし、先に発見する

  5 相づちと情動調律

  6 見てくれる”他者”の存在

  7 見守りのまなざし



第4章 描画における共に見る体験

  1 はじめに

  2 事例の概要

   1 心理療法における描画

   2 描画過程

   3 最後の描画

  3 考察

   1 木を描く

   2 自分の世界を再構成する動き

   3 「共に見る体験」とjoint attention

  4 描画を施行する「とき」

  5 おわりに



第5章 箱庭による二重の見守り

  1 はじめに

  2 視野におさまること

  3 養護教諭の箱庭体験を通路とするコンサルテーション

   1 箱庭体験までの経緯

   2 箱庭の体験過程

  4 箱庭体験をめぐって

   1 箱庭に見られる特徴について

   2 見守られる体験

   3 見えない領域にまなざしを向ける

  5 箱庭療法におけるクライエント・セラピスト関係

  6 箱庭による二重の見守り



第6章 まなざし体験をもたらす箱庭・はり絵・折り紙遊び

  1 はじめに

  2 いじめにあった少女の面接過程

   1 事例の概要

   2 面接過程

  3 分けること

   1 異界の出口と入り口

   2 水のテーマ

  4 区別する遊びのさまざまな段階

   1 箱庭から分ける遊びへ

   2 はり絵・折り紙による表現の意味

   3 共に作り共に見ること

  5 まなざしと共にあることの体験