書籍詳細:自己成長のためのサイコドラマ入門

自己成長のためのサイコドラマ入門 臨床心理士・福祉援助職のためのグループ技法

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,640円(本体価格 2,400円)
在庫なし
発刊年月
2013.08
ISBN
978-4-535-56326-1
判型
四六判
ページ数
220ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

集団心理療法としてのサイコドラマ。その意義と効果、技法を具体的な進め方とともに解説する。読んで面白い実践的な入門書。

目次

知子には幼稚園のころ親戚の家に向かう車の中で泣き続けた記憶があった。肌身離さず持っていたぬいぐるみを家に忘れて「取りに戻って欲しい」と泣き叫んだ、今思い出すと恥ずかしくなる思い出である。沙織は大学祭が近いのに、その準備をきちんとやらないサッカー部のAとBの態度にいらだっていた。しかし、シーンを再現してみると、そのシーンを直視できない自分がいることに気が付いた。彼女はAとBの行動の中に自分の課題を見ていたのだ。

知子と沙織という2人の主役(サイコドラマにおける話題提供者)にとって、気がかりだったこれらの思い出の持つ意味が、サイコドラマを実施する中で次第に明らかになっていく。サイコドラマで自己理解がすすむというのは、こういうことなのだ。このような興味深い事例が満載のサイコドラマの入門書が登場した。臨床心理や社会福祉の専門家にとっても、自己理解や自己成長ということに関心のある一般の読者にとっても、今まで経験したことがない新しい世界への道案内役をこの本が果たすことになるだろう。

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目 次



はじめに



第1章 サイコドラマと私

  1 サイコドラマとの出会い

  2 増野先生との出会い

  3 磯田先生夫妻との出会い

  4 サイコドラマ授業への挑戦

  5 グループ分けの方法



第2章 サイコドラマの三段階

  1 サイコドラマの三つの段階

  2 ウォーミングアップ段階

    (1) 集団と個人のウォーミングアップ

    (2) 監督のウォーミングアップ

    (3) グループを知る

    (4) グループの状況に合わせてウォームアップの方法を検討する

    (5) ウォームアップの手順と実例

    (6) 不安への対処

  3 ドラマ化の段階

  4 シェアリングの段階



第3章 サイコドラマの要素と技法

  1 サイコドラマの五要素

    (1) 監督

    (2) 主役(話題提供者)

    (3) 観客

    (4) 補助自我

    (5) 舞台

  2 サイコドラマの技法

    (1) 役割交換(ロールリバーサル)

    (2) ダブル

    (3) ミラー

    (4) ロールを出すこと(心理的役割の抽出)



第4章 サイコドラマの授業プロセス―

  1 ウォーミングアップの段階

    (1) 第一回目の授業

    (2) 第二回目の授業

    (3) ウォーミングアップの組み立て方

    (4) どのようなテーマを与えるか

    (5) 主役選択

  2 ドラマ化(アクション)の段階

    (1) ファストシーンを探す

    (2) ファストシーンを再現し、シーンの意味を探る

    (3) セカンドシーンに展開する

    (4) 終結に向かってまとめる

    (5) 役割解除

  3 シェアリングの段階

  4 二つの事例の総合考察



第5章 サイコドラマの効果

  1 自発性とテレ

  2 カタルシスとアクション

    (1) カタルシス

    (2) アクション洞察

  3 サイコドラマの目的と効果

    (1) 「自己肯定感」

    (2) 「自己の再認識」

    (3) 「普遍性」

    (4) 「支えられ感」



第6章 さまざまなタイプのサイコドラマ

  1 若い頃の思い出の意味を探る

  2 過去を振り返り現在の自分の成長を確認するドラマ

  3 友人の行動の中に自分の課題を見出すドラマ



第7章 抵抗との対話

  1 ウォーミングアップ段階での抵抗

  2 ドラマ化段階での抵抗



第8章 サイコドラマを大学で実施する長所と短所



あとがき



引用・参考文献