書籍詳細:日独公法学の挑戦

日独公法学の挑戦 グローバル化社会の公法 

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  • 紙の書籍
定価:税込 5,830円(本体価格 5,300円)
在庫なし
発刊年月
2014.03(中旬刊)
ISBN
978-4-535-51981-7
判型
A5判
ページ数
336ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

国境や公私の区分などの「境界線の溶融」が現代公法の世界に与えるインパクトを、日独の研究者が論じる。大阪大学とベルリン自由大学によるシンポジウムの記録。

目次

序 グローバル化する社会と公法の課題…松本和彦

1 問題状況

2 本書の企画趣旨

3 論文解題

4 展望



第1部 グローバル化する社会と国家の主権



1 グローバル化の中の憲法…棟居快行

 0 報告レジュメの再録

 1 「グローバル化問題への補足的ないくつかの命題――グローバル化は新しい主権者か?」

 2 「グローバル化の中の憲法」という問題の再定立――国際人権の観点から

 3 グローバル化による人権論の新展開の可能性



2 国家と社会の間の機能変動――憲法学に対する挑戦…フィリップ・クーニッヒ/高田倫子訳

 1 序

 2 国家と社会の法学上の区分

 3 国家の撤退と社会の利益代表に対する開放

 4 チャンスとリスク

 5 民主制と法治国家に照らした国家の責任

 6 憲法学と憲法化

 7 展望



3 国際警察法の可能性と限界――ドイツの観点からの分析…ハンス・ゲオルグ・マーセン/杉原周治訳

 1 ボーダーレスな危険――国際的責務としての安全

 2 国際警察法の現状

 3 さらに為すべきこと



第2部 グローバル化する社会と議会の意義



4 グローバル化された法創設過程と議会――日本における議会の法的地位と機能態様…高田篤

 1 はじめに

 2 安全保障と国会

 3 グローバル化された法創設過程と議会の役割――特に日本において

 4 おわりに



5 ドイツにおける議会によるコントロール…ハイケ・クリーガー/宮村教平訳

 1 導入:グローバル化された世界における議会の役割の強化

 2 「議会の軍隊」という概念

 3 事前の議会による承認の根拠としての民主制原理

 4 議会から得ることを義務づけられた承認は、いつ法的に要請されるのか?

 5 外交問題に関する政府の活動能力に対する不適切な制限?

 6 外交に関する議会と民主制

 7 結論:議会によるコントロールの限定的効果



6 議会の中の権力分立――グローバル化に伴うその変容可能性について…村西良太

 1 問題の所在

 2 国会と委員会制度

 3 ドイツ連邦議会と委員会制度

 4 EFSF融資決定と予算委員会

 5 波紋を広げた「特別小委員会」の活用

 6 考慮要素としての議員の権利

 7 「本質性」の度合いに応じた権限配分の可能性



7 ドイツ連邦議会の情報権…スーヴェン・ヘルシャイト/柴田尭史訳

 1 情報権の概観

 2 連邦政府に対する連邦議会の情報の請求権

 3 個別の情報権

 4 情報権の評価



第3部 グローバル化する社会と個人の位置



8 行政訴訟における仮の権利保護…長谷川佳彦

 1 はじめに

 2 仮の権利保護制度の性格

 3 仮の権利保護制度の決定要素

 4 おわりに



9 日本における脳死論争と臓器移植法…高井裕之

 1 はじめに

 2 日本における脳死・臓器移植をめぐる動き

 3 死の定義をめぐる法治主義

 4 臓器移植法制定過程における党議拘束の解除

 5 むすびにかえて



10 取材源秘匿権と特定秘密――報道関係者の証言拒絶権・編集資料の差押え禁止…鈴木秀美

 1 問題の所在

 2 報道関係者の証言拒絶権

 3 編集資料の差押え禁止

 4 むすび



11 私人による都市計画提案…野呂 充

 1 はじめに

 2 ドイツにおける都市計画提案制度

 3 わが国における都市計画提案制度



第4部 グローバル化する社会と租税の役割



12 日本の所得税における最低生活費非課税の正当化と具体化…谷口勢津夫

 1 はじめに

 2 最低生活費非課税の租税憲法上の正当化

 3 現行の人的控除の縮減

 4 結びにかえて――最低生活費非課税のあり方について



13 ドイツ所得税法における最低生活費非課税――ドイツ売上税法の概観とともに…マルクス・ハインツェン/

奥谷健訳

 1 所得税の現状

 2 基本法の前提条件

 3 売上税法の概観



14 国内税法のヨーロッパ法的決定因子…シュテファン・ヒンデラング=ハネス・ケーラー/谷口勢津夫訳

 1 課税権

 2 間接税

 3 直接税

 4 まとめと展望



第5部 グローバル化する社会と環境の保護



15 環境法における情報取扱いと知識の創出――カルタヘナ法を手がかりに…松本和彦

 1 はじめに

 2 環境リスクへの事前対処

 3 知識創出の意義

 4 参照領域としての遺伝子技術法

 5 カルタヘナ法における知識の創出

 6 若干の考察

 7 おわりに



16 EU法における環境情報へのアクセス…ジークリート・ボイゼン/松本和彦訳

 1~8

 (*本論考の見出しは数字のみで構成)



17 環境分野の司法アクセスとオーフス条約――ドイツの環境訴訟への影響を中心として…大久保規子

 1 はじめに――ドイツと日本の特殊性

 2 オーフス条約と欧州における司法アクセスの拡大

 3 ドイツ法の展開

 4 おわりに――日本への示唆