書籍詳細:子どもの感情コントロールと心理臨床

子どもの感情コントロールと心理臨床

の画像の画像
  • 紙の書籍
  • 電子書籍
定価:税込 2,200円(本体価格 2,000円)
紙の書籍・POD・アーカイブズの価格を表示しています。
電子書籍の価格は各ネット書店でご確認ください。
在庫あり
発刊年月
2015.07(上旬刊)
ISBN
978-4-535-56321-6
判型
A5判
ページ数
232ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

きれる、かんしゃく、暴力、いじめ、不登校、リストカット…子どもの心の問題はどのように生じるかを明快に解き、支援の青写真を描く。

目次

はじめに



 1.子どもの感情コントロールの育ちと親子のSOS

 2.「感情制御の発達不全」という課題

 3.心の傷と脳機能の問題が明らかになってきた時代に

 4.専門家に向けて

 5.本書の構成



第1章 感情制御の発達不全とは



 1.「子どもが困ったときに親を見ると安心する」という関係性

 2.環境に適応するために発達する脳

 3.脳の構造と感情制御のメカニズム

 4.トラウマ反応と感情制御

 5.感情制御の発達不全モデル

 6.母子の脳機能と愛着システム

 7.ネガティヴ感情の社会化の困難

 8.日本特有の問題──負情動・身体感覚の否定による制御

 9.日本人の親子関係と自我境界

 10.解離様式による適応

 11.Affect Phobiaの世代間連鎖



 児童精神科医からの一言(1)暴力は薬物療法でおさまるのか

 児童精神科医からの一言(2)子どもへの投薬の原則──成長と社会参加の保障



第2章 3歳までの子育てにおける困難



 1.母性というもの

 2.母子のボンドと愛着のシステム

 3.子に泣かれると負情動がこみあげてくる母の困難

 4.親自身の生い立ちの記憶

 5.妊娠・出産をめぐる傷つき

 6.授乳と卒乳をめぐって

 7.乳幼児期のしつけ

 8.トイレットトレーニングをめぐって

 9.泣かないで言うことを聞く「よい子」にすることの危険性

 10.IT化時代だからこそアナログ子育ての重要性



 児童精神科医からの一言(3)薬はいつまで続けるもの?」という素朴な疑問

 児童精神科医からの一言(4)よい精神科医とは





第3章 児童期以降に生じる困難



 1.感情制御の育ちの困難につながる不利な条件

 2.「発達障害」と「発達障害様症状」

 3.解離様式で適応する子どもたちの姿

 4.感情制御困難と「かんしゃく」

 5.いじめの加害と被害

 6.「自作自演」の問題

 7.学業不振の問題

 8.不登校という問題

 9.思春期と依存の問題

 10.恋愛とその逸脱をめぐる問題



 児童精神科医からの一言(5)精神科医療における基本的な薬の知識

 児童精神科医からの一言(6)「おちつきのない子」とAD/HDの治療薬



第4章 児童期以降の親子関係における困難



 1.母子関係の発達と家族関係

 2.親としてのアイデンティティ

 3.思春期のしつけ

 4.高校生の恋愛と親子関係

 5.夫婦の関係性と子の感情制御の育ち

 6.親の愛情と「学校への苦情」の問題

 7.解離を促進するダブルバインドのコミュニケーション



 児童精神科医からの一言(7)子どもの「睡眠障害」と薬物療法

 児童精神科医からの一言(8)症状安定期における薬の副作用の見分け方



第5章 見立てと援助の方法論



 1.エコシステミックに問題を見立てる枠組み

  (1)エコシステミックな見立てモデル

  (2)典型的な不登校の事例を通して

 2.問題増幅システムへの介入の方法論

  (1)初回面接

  (2)子どもへの心理治療の導入

  (3)システムズアプローチの方法論と認識論

 3.成長発達システムへの介入の方法論

  (1)身体の安心感を獲得させる方法

  (2)記憶情報の再処理──EMDRセラピーという方法論

  (3)脳の働きのバランスを整える──ブレインジムという方法論

  (4)セラピーの中での攻撃性の扱いをめぐって

  (5)その他の方法論



 児童精神科医からの一言(9)DSM-5やICD-10などの「診断基準」と精神科医の「診断」

 児童精神科医からの一言(10)子どもの診断で誤診が多いのはなぜか

 児童精神科医からの一言(11)カルテに記載される診断名と医療保険制度



第6章 事例を通して──親の苦悩と覚悟と愛情、そして子の成長



 1.学校できれて暴れてしまう小学生の2事例

  (1)小学1年生ゆうたの事例

  (2)小学3年生たくみの事例

  (3)2事例の比較から

 2.「盗み」を主訴とした小学生の2事例

  (1)小学5年生ふじ子の事例

  (2)小学4年生とも子の事例

  (3)2事例の比較から

 3.複雑性PTSDとしての思春期の「不登校」の2事例

  (1)中学3年生みどりの事例

  (2)19歳さちこの事例

  (3)2事例を通して



 児童精神科医からの一言(12)事例「たくみ」の薬物療法に関する解説

 児童精神科医からの一言(13)事例「みどり」の薬物療法に関する解説

 児童精神科医からの一言(14)経歴と臨床医としての背景



あとがき



引用文献

家族療法の参考文献











 

書評掲載案内

■2015年9月3日付『教育新聞』読書面