書籍詳細:精神科のくすりを語ろう・その2

精神科のくすりを語ろう・その2 患者による官能的評価の新たな展開

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定価:税込 1,980円(本体価格 1,800円)
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在庫あり
発刊年月
2015.09(中旬刊)
ISBN
978-4-535-98430-1
判型
A5判
ページ数
192ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

官能的評価(主観的服薬・投薬体験)によって「薬物を介した精神療法」が浮かび上がる。新たに11剤を取り上げた、待望の続編!

目次

序章 官能的評価の臨床経過報告――あれから8年経ちました



「薬物は〈構造〉に効く」/「官能的評価」とは何か/官能的評価が生みだす双方向性のダイナミズム/精神医学と漢方医学のあわいで/「体質学」とは何か/「身体力動学」とは何か/体質学と身体力動学を活かす官能的評価/ナラティブの抽出、編集、そしてまた新たな価値の創出/「風通しのいい診療室」を目指して



本書活用に際しての注意点ーー「嗜薬」という現象について



ジェイゾロフト



緩やかな意欲上昇/双極II型障害のうつ状態に微量を用いる/不安の兆候をかき消すのに効果的か

/対人不安を軽減/パニック障害の予期不安をほどく/かえって無気力になるという副作用/セロトニン症候群・賦活症候群/瞬間的な離脱による副作用/「薬圧」の小さい薬/ずっと服み続けていける



サインバルタカプセル



ノルアドレナリン・セロトニン・ドパミンを上昇させる薬/スピーディな効果発現/吐き気・手足の震え・傾眠・口渇などの副作用/「そう言えば効いているのかも……」/過食が抑えられる、欲が減る/強迫に基づく書痙に効く/線維筋痛症に効果あり/痛みがかえって強まる場合も



リフレックス、レメロン



単純な不眠症はそう多くない/激しい眠気が時として仇になる/「いい塩梅の重石」/重くても、不快ではない/MARTAに似た食欲増進・傾眠/「カリフォルニアロケット燃料処方」とは/デジレルとリフレックス、似ているようで違う/セロトニン賦活による副作用/「何もせずまったりとしている状態に痛痒を覚えない人」にとっての安楽/性機能障害が出ない/「切れたスイッチが入らないようになる」眠気



レクサプロ



秋晴れのような穏やかで晴れやかな心地/脱力・傾眠傾向もある/吐き気・下痢・腹部不快感/不安・強迫に効く可能性/感情調整作用があるのか/プライマリケア現場での第一選択薬か



セパゾン



何が何でも服薬中止しようと足掻く方へ/悪夢をほどく/就寝中の歯ぎしりについて/いわゆる「マイナー酔い」について/パニック発作抑止の効果/軽い断薬症状について



セロクエル



コントミンとよく似た薬/不快な眠気をもたらさないために、少量から開始を/双極II型障害のうつ病相における第一選択薬/不安やイライラにただちに抗不安薬がいいのか/振動しながら次第に持ちあがっていく/恐怖・不快さの軽減/意外にも過食嘔吐を抑制する/強迫・嘔吐恐怖に効く/下痢型過敏性腸症候群に奏功する



ジプレキサ



急な躁転・うつ転を防ぐための安全弁/過食症を作りだす薬? それとも止める薬?/口渇などの抗コリン作用が出現することも/効果発現が早い薬/痛みの官能的評価収集の難しさ/胸部圧迫感の解消/自己省察が可能な統合失調症患者さんにのびやかな思考を



エビリファイ



ドパミン・セロトニンシステムスタビライザー/入眠にも効果あり/無気力になっても、苦しくない/過食症治療の主役の一つ/アカシジア・むずむず脚症候群などの副作用/効果発現早く、薬圧も少ない/治療者・患者さん相互の官能に鋭く訴えかける薬



コントミン、ウインタミン



微細量のさじ加減がわかるコントミンのポテンシャル/“不安”“イライラ”という言葉を咀嚼し腑分けする/傾眠・動作緩慢などの副作用/MARTAときわめて似た薬/二次的に、安楽をもたらし、疲れを解く/みぞおちの痛みに効く/適量を探りあてられたときにみられる現象/ボヤで火を消し止めた、理想的展開/薬物のポテンシャルを計るための漸増



リリカカプセル



疼痛の治療では、痛みのみに注目しない/眠気・めまいなどの副作用が頻出/ロキソニンの連用が引き起こす問題/すべての症状を消し去らないと気が済まぬ人へ



リボトリール、ランドセン



睡眠作用の陰と陽/衝動性のみならず、強迫性の緩和も/パニック発作の抑止・予期不安の解消という2つの効果/むずむず脚症候群によく効く/舌痛症に効果あり/妊娠とリボトリール/穏やかで冷静な思考を保てる薬/自身の内省力を高める作用があるか/病態をドラスティックに変える薬は「作為体験」のように認識される/「なくてはならない命綱のような薬」



終章 精神科薬物治療を成功に導くために

   ――精神科医・患者さん双方が知っておくとよいだろうこと



書評掲載案内

■2015年10月25日付『産経新聞』(生活面)

参考リンク

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