書籍詳細:脳を通って私が生まれるとき

脳を通って私が生まれるとき

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定価:税込 2,420円(本体価格 2,200円)
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在庫なし
発刊年月
2016.12
ISBN
978-4-535-98447-9
判型
四六判
ページ数
200ページ
Cコード
C3047
ジャンル

内容紹介

こころは脳なのだろうか。臨床にもかかわるこの問いに、精神科医が挑む。ゾウリムシからコンピュータまで考察し、意識の謎に迫る。

目次

第1章 私は脳の中にいるのか
    局在と反射/父の話/私らしさの起源/フィネアス・ゲージの問題

第2章 動物機械・ゾウリムシの確率的知覚
    ゾウリムシの生物物理/方向転換の化学/ゾウリムシの「好み」と集団的思考

第3章 細胞が連なり、神経が生まれ、しかし脳はまだない
    海綿の神経学/ヒドラの神経学/クラゲの神経学/脳なきオートマトン

第4章 空気人形からガンダムへ、そして仮想中枢へ――身体イメージの歴史的変遷
    アリストテレスとガレノスと空気人形/デカルトの身体観/
    トマス・ウィリスの反射/デカルトとガンダム/二一世紀の身体観へ

第5章 私という現象は命がそうであるように閉鎖系なのか――オートポイエーシス論を通して考える
    オートポイエーシス/ニューロンか表象か/表象は非連続なのか/
    ゾーエーとビオス/意識は閉鎖系なのか

第6章 再入力による仮想中枢の明滅と表象――こころの始まり
    表象と記憶/脳と意識のサンドウィッチ理論/
    再入力とエントロピー/仮想中枢と辺縁

第7章 マシンは私になれるのか
    封筒の裏紙で/デフォールト・モード・ネットワーク/
    他者と不可分な私/一つきりのマシンは私にはなれない

第8章 ミラーニューロンが起こす動作は誰の意図か
    ミラーニューロンの問題/つられるということの意味/
    脳の外側にある私

第9章 閉じる言葉、開かれた言葉
    「ことばの前のことば」/長男のフーフー/非在の現前/
    唯夫君のフーフー/閉じる言葉、開かれた言葉

第10章 死を超えてあるいはいくばくか残るかもしれない私のこと/イデアの道/
    言葉のもつ本来の意味/私の一貫性を支えるもの/表象意識の残響

第11章 私たちの感覚器は着脱可能な外付機器かもしれない――ヤスパース復権の可能性
    意識障害の局在論/ヤスパース復権の可能性/
    私という演算装置の境界は身体か/表層意識の三層

第12章 もしもすべては脳が決めたもうた必然であるのならば――脳と倫理

    倫理の三つの流れ/てんかんの中年男性のエピソード/
    ソーフロスネーの気配/カントの正義/精神療法の格率

第13章 機械論、機能主義、多元論、そして愛について
    機械論/局在論から多元論へ/機能主義/
    こころとは何か/そして愛

書評掲載案内

■『UP』東京大学出版会 2017年4月号(4頁)東大教師が新入生にすすめる本 評者:糸川昌成氏(新領域創成科学研究科教授)