書籍詳細:手錠腰縄による人身拘束

手錠腰縄による人身拘束 人間の尊厳の確保の視点から

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,080円(本体価格 2,800円)
在庫なし
発刊年月
2017.07
ISBN
978-4-535-52279-4
判型
A5判
ページ数
216ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

被疑者を、手錠・腰縄姿で路上、病院、法廷等を歩かせ、施錠したまま検察官室で取り調べることの問題性を多角的に検証する。

目次

第1章 監獄法・刑事収容施設法と手錠腰縄
1 監獄法
 (1) 監獄法は明治41年10月1日施行
 (2) 監獄法19条
 (3) 新憲法と監獄法
 (4)「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」の導入
2 新憲法と手錠腰縄と代用監獄
 (1) 刑事収容施設法78条
 (2) 刑事収容施設法78条についての国会(参議院)における審議

第2章 代用監獄制度と国際自由権規約(条約)の国内適用
1 代用監獄と国際人権法
2 手錠を施されたままの取調べにおける自白
3 被疑者の取調べと代用監獄
 (1) 刑事収容施設法15条
 (2) 勾留期間の非人道性
 (3) 警察官による供述調書の作成
 (4) 日本の冤罪事件と代用監獄

第3章 「市中引廻し」の路上における手錠腰縄の人身拘束
1 大阪弁護士会人権擁護委員会人権侵害申告事件(その1)
2 大阪弁護士会人権擁護委員会人権侵害申告事件(その2)
3 東京地裁判決(平成5年10月4日判決)

第4章 検察官室における手錠をかけたままの被疑者の取調べ
1 はじめに
2 施錠したままの取調べの制度的経緯
 (1) 旧刑事訴訟法下における施錠したままの取調べ
 (2) 新刑事訴訟法下における施錠したままの取調べ
3 自白の任意性に関する判例の検討
 (1) 東京高裁判決(昭和37年6月25日)
 (2) 最高裁判決(昭和38年9月13日)
 (3) 東京地裁判決(昭和40年5月29日)
4 運用の実際とその問題点
 (1) 地方検察庁の実情
 (2) 拘置所側の態度
5 おわりに

第5章 病院施設内の手錠腰縄の連行
1 事件の概要
2 問題の所在
3 自由権規約との関係
 (1) 原告の主張
 (2) 被告の主張
4 判決の内容と最高裁による確定
5 国際人権の観点からみた判決の評価
6 関連する一般的意見
7 資 料

第6章 裁判員裁判における手錠腰縄
1 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
2 裁判員裁判における手錠等の取扱い
3 手錠腰縄における法務省通達など

第7章 手錠腰縄問題の憲法理論
1 憲法13条の人間の尊厳の法理
 (1) 憲法13条の規定
 (2) 国際人権諸条約
 (3) 憲法13条「個人の尊厳の法理」の裁判における活用とその意義
2 法廷における手錠腰縄

第8章 国際自由権規約に基づく法理論
1 国際人権法の国内適用
2 国際人権法と刑事手続
 (1) 国際人権法の制定経過
 (2) 国際法(条約)と国内法の関係――国際人権規約は国内法である
3 手錠腰縄連行と自由権規約にもとづく法理論
 (1) 自由権規約(B規約)7条
 (2) 自由権規約(B規約)10条
 (3) 自由権規約(B規約)14条2項(無罪の推定を受ける権利の確保)

第9章 法廷における手錠腰縄の違憲性と人権条約違反
1 留置場から法廷にまで及ぶ人身拘束の実態
2 法廷における手錠腰縄の問題性
3 違憲性・人権条約違反の法的根拠
4 おわりに

第10章 法廷における手錠腰縄の諸問題
1 京都地裁白井万久裁判官の法廷における手錠腰縄の訴訟指揮
2 青砥事件
 (1) 事件の概要
 (2) 手続等の経過
 (3) 即時抗告に対する高裁の決定
 (4) 特別抗告
3 大阪弁護士会司法事務協議会