書籍詳細:現代朝鮮経済
ERINA北東アジア研究叢書6 現代朝鮮経済 挫折と再生への歩み
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内容紹介
日本による朝鮮統治からの解放、金日成政権による共産主義下を経て現在に至るまでの北朝鮮の経済史を制約された資料から描く。
目次
北東アジア研究叢書発刊に際して
はじめに(三村光弘)
第1章 北朝鮮経済を理解するために
1 はじめに
2 北朝鮮経済を理解するために必要なこと
3 朝鮮半島と日本の関係
3.1 日本の近代化と朝鮮半島との関係
3.2 日本の植民地としての朝鮮半島
4 国際情勢に翻弄される朝鮮半島-日本の敗戦から建国,東西冷戦の勃発,分断そして朝鮮戦争
4.1 日本の敗戦と植民地としての連合国による占領
4.2 分断国家としての独立と朝鮮戦争
4.3 分断国家としての体制競争
5 おわりに
第2章 現代朝鮮経済史:東西冷戦下の社会主義経済としての北朝鮮経済
1 はじめに
2 自立的民族経済建設路線と社会主義計画経済
2.1 自立的民族経済建設路線とは何か
2.2 朝鮮戦争と「戦時計画経済」
2.3 朝鮮戦争後の経済建設方向
2.4 東側陣営の一員としての北朝鮮
2.5 緊張する国際情勢と北朝鮮の「自主路線」
2.6 北朝鮮と対外経済関係
3 各時期の経済計画
3.1 戦後復興三カ年計画
3.2 五カ年計画
3.3 第1次七カ年計画
3.4 六カ年計画
3.5 第2次七カ年計画
3.6 第3次七カ年計画
4 おわりに
第3章 北朝鮮の産業
1 はじめに
2 農林水産業
2.1 農業
2.2 水産業
3 鉱工業
3.1 鉱業
(1)主要品目の開発状況
3.2 工業
(1)重工業
(2)軽工業
4 エネルギー
4.1 北朝鮮のエネルギー産業の特徴
4.2 北朝鮮のエネルギー需給状況
5 おわりに
第4章 北朝鮮の対外経済関係
1 はじめに
2 海外直接投資
2.1 合営法(合弁法)の制定と「経済特区」の否定
2.2 羅津・先鋒自由経済貿易地帯の設置
2.3 南北関係の進展と新たな特殊経済地帯の設置
(1)金剛山観光地区
(2)開城工業地区
2.4 中朝間での共同開発・共同管理の推進
2.5 特殊経済地帯の地方への拡大
3 日朝経済関係
3.1 貿易
(1)日朝貿易の開始と間接貿易の時期
(2)日朝直接貿易の開始と直接決済の承認
(3)繰り延べ払い,輸銀融資,貿易保険の適用とプラント輸出の急増
(4)日本企業の退潮と在日朝鮮人企業の台頭
(5)国際政治的環境の変化と貿易の中断
3.2 投資
(1)在日朝鮮人による投資の開始
4 朝ソ・朝ロ経済関係
5 朝中経済関係
5.1 朝中関係の開始と朝鮮戦争,戦後復興
5.2 東西冷戦終了後の朝中経済関係
5.3 北朝鮮経済の回復と朝中経済関係
6 朝鮮半島の南北経済関係
6.1 南北経済交流の性格
(1)南北経済交流開始の経緯
(2)南北経済交流の時期的区分
(3)北朝鮮にとっての南北経済交流
6.2 南北交易統計の構造と性質
(1)南北交易統計の出所とその問題点
(2)統計上のカテゴリーの区分
(3)一般交易と委託加工の交易額と品目別特徴
(4)非商業性取引排除の問題
6.3 北朝鮮にとっての南北交易
(1)北朝鮮の貿易相手国の構成と対外貿易に占める南北交易の比率
(2)北朝鮮経済における南北交易が持つ意味
6.4 おわりに
7 おわりに
第5章 東西冷戦の終了と新たな国際秩序の中での北朝鮮経済
1 はじめに
2 旧ソ連・東欧の社会主義政権崩壊、中韓国交正常化と社会主義世界市場喪失
2.1 ペレストロイカと東欧革命の進行、ソ連崩壊
2.2 旧ソ連・東欧の社会主義政権崩壊と朝鮮半島
3 危機の中での再出発の試み―「党の戦略的方針」
3.1 農業部門での変化
(1)分組管理制改革
(2)農民市場
3.2 工業部門での変化
3.3 対外経済関係での変化
4 金日成の逝去と「苦難の行軍」
4.1 対外関係改善の努力と金日成の逝去
4.2 苦難の行軍の開始と重工業優先路線の復活
4.3 国家による供給の停止と非国営経済主体の隆盛
5 金正日時代の始まりと経済管理改善への努力
5.1 国営企業のリストラと経済計画作成方法における変化
5.2 「実利社会主義」への進入と経済改革の深化
5.3 経済改革の拡大
5.4 経済管理改善措置
5.5 農民市場の地域市場への改編と商品流通における価格メカニズムの部分的導入
5.6 経済改革の後退と動員体制の復活
6 2009年の貨幣交換
6.1 貨幣交換の内容
6.2 2009年貨幣交換失敗の要因とその影響
(1)非国営部門の成長と商品経済の発達
(2)商品経済の発達と非国営経済主体に対する認識の変化
7 おわりに
第6章 朝鮮経済の現状と未来
1 はじめに
2 「人民生活向上」への取り組み
2.1 2010年の新年共同社説以後の国民生活重視路線
2.2 中ロとの経済交流の活発化―金正日の中国,ロシア訪問
(1)朝中国境地帯での中国の経済開発プロジェクトの活発化
(2)金正日の中国訪問
(3)中朝間の「共同開発・共同管理」の始動
(4)朝ロ経済協力の活発化
2.3 中国との経済交流の活発化―外国投資の受け入れ強加
3 金正恩時代の朝鮮経済―「社会主義文明国」「全民科学技術人材化」
3.1 金正日の逝去と金正恩時代の始まり
3.2 金正恩時代の開始と新しいキーワード(社会主義文明国,新世紀産業革命,知識経済)
3.3 「生きた宣伝物」としての建設事業
4 「経済開発と核武力開発の並進路線」
4.1 朝鮮労働党中央委員会2013年3月全員会議での並進路線の提起
4.2 核,ミサイル開発と経済制裁
(1)北朝鮮による核実験,ロケット・ミサイル発射
(2)国連安全保障理事会決議による経済制裁
(3)各国の独自制裁
5 経済政策の方向性
5.1 経済管理改善への準備
5.2 社会主義企業責任管理制の導入
(1)工業における社会主義企業責任管理制
(2)農業における社会主義企業責任管理制
6 朝鮮労働党第7回大会と経済部門間連携への挑戦
6.1 大会の概要
6.2 大会の意義
7 おわりに―朝鮮経済の未来像
おわりに
参考文献
『ERINA REPORT』記事一覧[Vol.1(1994年2月)~No.137(2017年8月)]
索 引
はじめに(三村光弘)
第1章 北朝鮮経済を理解するために
1 はじめに
2 北朝鮮経済を理解するために必要なこと
3 朝鮮半島と日本の関係
3.1 日本の近代化と朝鮮半島との関係
3.2 日本の植民地としての朝鮮半島
4 国際情勢に翻弄される朝鮮半島-日本の敗戦から建国,東西冷戦の勃発,分断そして朝鮮戦争
4.1 日本の敗戦と植民地としての連合国による占領
4.2 分断国家としての独立と朝鮮戦争
4.3 分断国家としての体制競争
5 おわりに
第2章 現代朝鮮経済史:東西冷戦下の社会主義経済としての北朝鮮経済
1 はじめに
2 自立的民族経済建設路線と社会主義計画経済
2.1 自立的民族経済建設路線とは何か
2.2 朝鮮戦争と「戦時計画経済」
2.3 朝鮮戦争後の経済建設方向
2.4 東側陣営の一員としての北朝鮮
2.5 緊張する国際情勢と北朝鮮の「自主路線」
2.6 北朝鮮と対外経済関係
3 各時期の経済計画
3.1 戦後復興三カ年計画
3.2 五カ年計画
3.3 第1次七カ年計画
3.4 六カ年計画
3.5 第2次七カ年計画
3.6 第3次七カ年計画
4 おわりに
第3章 北朝鮮の産業
1 はじめに
2 農林水産業
2.1 農業
2.2 水産業
3 鉱工業
3.1 鉱業
(1)主要品目の開発状況
3.2 工業
(1)重工業
(2)軽工業
4 エネルギー
4.1 北朝鮮のエネルギー産業の特徴
4.2 北朝鮮のエネルギー需給状況
5 おわりに
第4章 北朝鮮の対外経済関係
1 はじめに
2 海外直接投資
2.1 合営法(合弁法)の制定と「経済特区」の否定
2.2 羅津・先鋒自由経済貿易地帯の設置
2.3 南北関係の進展と新たな特殊経済地帯の設置
(1)金剛山観光地区
(2)開城工業地区
2.4 中朝間での共同開発・共同管理の推進
2.5 特殊経済地帯の地方への拡大
3 日朝経済関係
3.1 貿易
(1)日朝貿易の開始と間接貿易の時期
(2)日朝直接貿易の開始と直接決済の承認
(3)繰り延べ払い,輸銀融資,貿易保険の適用とプラント輸出の急増
(4)日本企業の退潮と在日朝鮮人企業の台頭
(5)国際政治的環境の変化と貿易の中断
3.2 投資
(1)在日朝鮮人による投資の開始
4 朝ソ・朝ロ経済関係
5 朝中経済関係
5.1 朝中関係の開始と朝鮮戦争,戦後復興
5.2 東西冷戦終了後の朝中経済関係
5.3 北朝鮮経済の回復と朝中経済関係
6 朝鮮半島の南北経済関係
6.1 南北経済交流の性格
(1)南北経済交流開始の経緯
(2)南北経済交流の時期的区分
(3)北朝鮮にとっての南北経済交流
6.2 南北交易統計の構造と性質
(1)南北交易統計の出所とその問題点
(2)統計上のカテゴリーの区分
(3)一般交易と委託加工の交易額と品目別特徴
(4)非商業性取引排除の問題
6.3 北朝鮮にとっての南北交易
(1)北朝鮮の貿易相手国の構成と対外貿易に占める南北交易の比率
(2)北朝鮮経済における南北交易が持つ意味
6.4 おわりに
7 おわりに
第5章 東西冷戦の終了と新たな国際秩序の中での北朝鮮経済
1 はじめに
2 旧ソ連・東欧の社会主義政権崩壊、中韓国交正常化と社会主義世界市場喪失
2.1 ペレストロイカと東欧革命の進行、ソ連崩壊
2.2 旧ソ連・東欧の社会主義政権崩壊と朝鮮半島
3 危機の中での再出発の試み―「党の戦略的方針」
3.1 農業部門での変化
(1)分組管理制改革
(2)農民市場
3.2 工業部門での変化
3.3 対外経済関係での変化
4 金日成の逝去と「苦難の行軍」
4.1 対外関係改善の努力と金日成の逝去
4.2 苦難の行軍の開始と重工業優先路線の復活
4.3 国家による供給の停止と非国営経済主体の隆盛
5 金正日時代の始まりと経済管理改善への努力
5.1 国営企業のリストラと経済計画作成方法における変化
5.2 「実利社会主義」への進入と経済改革の深化
5.3 経済改革の拡大
5.4 経済管理改善措置
5.5 農民市場の地域市場への改編と商品流通における価格メカニズムの部分的導入
5.6 経済改革の後退と動員体制の復活
6 2009年の貨幣交換
6.1 貨幣交換の内容
6.2 2009年貨幣交換失敗の要因とその影響
(1)非国営部門の成長と商品経済の発達
(2)商品経済の発達と非国営経済主体に対する認識の変化
7 おわりに
第6章 朝鮮経済の現状と未来
1 はじめに
2 「人民生活向上」への取り組み
2.1 2010年の新年共同社説以後の国民生活重視路線
2.2 中ロとの経済交流の活発化―金正日の中国,ロシア訪問
(1)朝中国境地帯での中国の経済開発プロジェクトの活発化
(2)金正日の中国訪問
(3)中朝間の「共同開発・共同管理」の始動
(4)朝ロ経済協力の活発化
2.3 中国との経済交流の活発化―外国投資の受け入れ強加
3 金正恩時代の朝鮮経済―「社会主義文明国」「全民科学技術人材化」
3.1 金正日の逝去と金正恩時代の始まり
3.2 金正恩時代の開始と新しいキーワード(社会主義文明国,新世紀産業革命,知識経済)
3.3 「生きた宣伝物」としての建設事業
4 「経済開発と核武力開発の並進路線」
4.1 朝鮮労働党中央委員会2013年3月全員会議での並進路線の提起
4.2 核,ミサイル開発と経済制裁
(1)北朝鮮による核実験,ロケット・ミサイル発射
(2)国連安全保障理事会決議による経済制裁
(3)各国の独自制裁
5 経済政策の方向性
5.1 経済管理改善への準備
5.2 社会主義企業責任管理制の導入
(1)工業における社会主義企業責任管理制
(2)農業における社会主義企業責任管理制
6 朝鮮労働党第7回大会と経済部門間連携への挑戦
6.1 大会の概要
6.2 大会の意義
7 おわりに―朝鮮経済の未来像
おわりに
参考文献
『ERINA REPORT』記事一覧[Vol.1(1994年2月)~No.137(2017年8月)]
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書評掲載案内
■『週刊東洋経済』2017年11月4日号112頁“Books&Trends”に、著者インタビュー掲載
■2017年12月17日付『新潟日報』(22面)読書面 評者:李 燦雨氏(帝京大学准教授)
■2017年12月17日付『新潟日報』(22面)読書面 評者:李 燦雨氏(帝京大学准教授)