書籍詳細:小数と対数の発見

小数と対数の発見

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,080円(本体価格 2,800円)
在庫あり
発刊年月
2018.07
ISBN
978-4-535-79813-7
判型
A5判
ページ数
258ページ
Cコード
C3041
ジャンル

内容紹介

2020年日本数学会出版賞受賞!

15世紀後半からの《天文学の革新》は同時に《数学の転換》の時代でもあった。その壮大な歴史ドラマをいきいきと描き出す労作。

目次

序章 物語の背景——物理学の誕生

第1章 60進小数をめぐって
 1.算術の始まり
 2.天文学と60進小数
 3.60進小数のアルゴリズム
 4.10進小数への接近

第2章 10進法と10進小数
 1.10進法と10進位取り表記
 2.度量衡と10進法
 3.商業数学の発展
 4.イスラム社会での発展
 5.小数概念への接近
 6.ステヴィンの『十分の一法』

第3章 数概念の転換
 1.1の数的身分をめぐって
 2.離散的数と連続的量の分離
 3.数の連続体への展望
 4.方程式論をめぐって
 5.10進小数提唱の意義

第4章 クラヴィウスとネイピア
 1.小数点の導入
 2.ネイピアのロッド
 3.積和と積差の公式
 4.秘伝としての加減法
 5.スッコトランドへの伝播

第5章 ネイピアによる対数の提唱
 1.対数についてのネイピアの著書
 2.『記述』におけるネイピア対数の定義
 3.ネイピア対数のふるまい
 4.ネイピア対数についてのいくつかの命題
 5.ネイピア対数表とその使用法
 6.ネイピア対数の有用な使用法

第6章 ネイピアによる対数表の構成
 1.連続関数としての対数認識
 2.逆対数表の構成
 3.対数計算のための不等式
 4.精密な対数表の形成

第7章 ケプラーと対数
 1.ケプラーと対数の出会い
 2.ケプラー対数の定義
 3.ケプラーの対数表
 4.対数による計算の例
 5.ケプラーの功績

第8章 先行者そしてヨースト・ビュルギ
 1.アルキメデスからオレームへ
 2.ニコラ・シュケー
 3.シュティーフェル
 4.ステヴィンの利子表
 5.ヨースト・ビュルギ
 6.ビュルギの対数表とその使用法

第9章 常用対数の誕生
 1.ヘンリー・ブリッグス
 2.ネイピア自身による改良の試み
 3.ブリッグスの対数理論
 4.ブリッグスによる対数計算の基本
 5.ブリッグスによる素数の対数計算

文献
あとがき
索引

書評掲載案内

■日本経済新聞2018年10月20日 27面・読書欄

■週刊読書人2018年10月19日
「自然学が物理学に学問序列が転換する過程の数学史——近代科学誕生の前史、ここに完結」評者:猪野修治氏
https://dokushojin.com/article.html?i=4427

■『現代数学』2019年2月号P85に掲載 評者:瀬山士郎氏

■2018年8月31日付 J-CAST BOOKウオッチ
『「数学の常識」が確立したのは意外に新しい』
https://www.j-cast.com/bookwatch/2018/08/31007865.html

■『ファイナンス』2020年11月号 ライブラリーP52-53にて掲載
評者:佐藤宣之(名古屋大学客員教授)