書籍詳細:統帥権

日評選書 統帥権

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  • 大江 志乃夫
  • 紙の書籍
定価:税込 3,300円(本体価格 3,000円)
在庫僅少
発刊年月
1983.12
ISBN
978-4-535-01132-8
判型
四六判
ページ数
324ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

かつての日本の軍隊は、天皇の下に統帥権が独立し、国民のコントロールのきかない存在であった。そして今、自衛隊にその危険はないのか。明治から現在に至る日本の軍事力の組織と運用を統帥権の観点からとらえる。

目次

はじめにーーー憲法変遷論と統帥権

第一部 統帥権独立の歴史的過程

1 統帥権独立の起源ーーー明治初期の文民統制の後退
2 帝国憲法と統帥権ーーー天皇親率の原理
3 日清戦争の戦争指導ーーー戦時大本営条例
4 軍部大臣現役武官制ーーー内閣制度と軍部大臣
5 日露戦争の戦争指導ーーー国務と統帥

第二部 国家内国家としての軍部の確立

1 帝国国防方針の策定ーーー国策の決定権 
2 軍令の制定ーーー天皇親裁の違憲立法
3 植民地と軍隊ーーー占領地軍政機構の固定化
4 帷幄上奏権の乱用ーーー軍事同盟と軍拡
5 シベリア出兵の戦争指導ーーー政略出兵と戦略目標 
6 軍縮と総力戦論ーーー第一次大戦の教訓と軍部

第三部 軍部のファシズム化

1 軍部と政治ーーー日本の軍人の非軍事的・政治的特質
2 満州事変から日中戦争へーーー関東軍暴走か陸軍独走か
3 国体明徴から国家総動員へーーー軍部ファシズムと憲法理論
4 政府外交と軍部外交ーーー中国侵略をめぐる二元外交
5 太平洋戦争の戦争指導ーーー最高戦争指導機関の問題
6 降伏をめぐる国務と統帥ーーー宮廷政治と軍部

第四部 日本国憲法と自衛隊

1 日本国憲法と軍事ーーー占領政策と憲法第九条・第六六条
2 警察予備隊・保安隊ーーー治安警察軍か、米軍補助部隊か
3 MSAから六〇年安保へーーーアメリカに負う軍事的義務
4 自衛隊と有事立法ーーー
5 日米防守同盟から攻守同盟へーーー誰のための”シーレーン”防衛か
6 文民統制ーーー軍・政府・国会

おわりにーーー日本国民にとって自衛隊とは何かーーー文民統制以前の問題