書籍詳細:日本近代主権と「戦争革命」

日本近代主権と「戦争革命」

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発刊年月
2020.12
ISBN
978-4-535-58755-7
判型
A5判
ページ数
496ページ
Cコード
C3031
ジャンル

内容紹介

天皇の意思と行動を宰領し、戦争という未曾有の危機の到来を待って宮中の最側近が周到に画策した「革命」と、その戦後への影響。

目次

序章 近代天皇制の前提とその制度化
    ーー権力はいかにその「実行力」を構成してきたのか
1 起点にある王政復古の特性ーー裸形の権力の発揚
2 大日本帝国憲法体制への道ーー公権力への特立化と普遍化の技法
3 天皇「親裁」体制としての天皇親政の構造化
    ーー政党内閣制への必然的傾斜

[第一部]戦争の利用と「錦旗革命」
第一章 日米開戦と天皇制
1 近代公権力と開戦の力学
2 天皇制のアンチノミーと戦争
3 対米軍事行動への政戦略と天皇
4 初期「和平構想」の幻想

第二章 権力「革命」構想としての終戦工作の起動
1 終戦工作の胎動
2 東條内閣倒閣運動への収斂
3 東條内閣倒閣運動と木戸幸一
4 小磯内閣をめぐる宮中グループ・重臣の動向と木戸幸一

第三章 終戦工作の本格化
1 戦況の悪化と木戸の策動
2 鈴木貫太郎内閣期における終戦方針の停頓
3 木戸幸一の知略の決行ーー「時局収拾対策試案」の起草
4 第一五回御前会議と木戸幸一の深謀

第四章 ポツダム宣言受諾と「錦旗革命」の奏功
1 「天皇の意思」の策出と宰領
2 最終段階における親政天皇の「効力」の活用


[第二部]「錦旗革命」の投影と戦後日本
第一章 敗戦後における「錦旗革命」の呪縛
1 近代天皇制の「免罪」構造
2 主権者と主権の相関と相克

第二章 新憲法構想における天皇制の再利用
1 近衛文麿「改正綱領」の位置と特質
2 近衛文麿「改正綱領」と木戸幸一
3 近衛文麿と佐々木惣一の相克と乖離
4 近衛・佐々木構想における「議会」の位置づけの相違
5 政府の憲法改正構想における内閣制度の位置と意義

第三章 日本国憲法の初期設定における内閣と天皇
1 「マッカーサー草案」の波紋
2 天皇の「叡慮」の活用と国民主権
3 「八月革命説」の含意と陥穽
4 内閣の衆議院解散権の位置と意味
5 議会における内閣の衆議院解散権をめぐる攻防と争点

第四章 政権の民主化をめぐる確執と国家公務員制度
1 民主化をめぐる銓衡任用と資格任用の相克
2 国家公務員法制定をめぐる攻防と争点
3 特別職次官の否定と国家行政組織法ーー統御と依存の狭間で

終章 敗戦後における「戦争革命」の変奏と民主化の屈曲