書籍詳細:ジャーナリズムの規範理論

ジャーナリズムの規範理論

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在庫あり
発刊年月
2021.04
ISBN
978-4-535-58758-8
判型
A5判
ページ数
240ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

誰もが情報受発信者になりうる昨今、ジャーナリズムの役割と、なぜ日本に規範理論としてのジャーナリズム論が必要なのかを考える。

目次

序 章  ジャーナリズムと規範理論 

【第1部 理論】

第1章 専門職教育と社会的責任論
      ――ジャーナリズムの規範理論研究の原点 

はじめに
1.専門職教育とジャーナリズム倫理学の「一時的活況」
2.プレスの自由委員会と『自由で責任あるプレス(A Free and Responsible Press)』
3.『マス・コミの自由に関する四理論(Four Theories of the Press)』と 社会的責任論
おわりに

第2章 リバタリアン・ジャーナリズム ――ジョン・C・メリル

はじめに
1.メリルの社会的責任論批判
2.メリルのジャーナリズム倫理学
3.実存主義ジャーナリズム
4.カール・ノルデンシュテレンクとの論争
おわりに

第3章 リベラル・ジャーナリズム ――エドマンド・B・ランベス

はじめに
1.Committed Journalism: An Ethic for the Professionの概要
2.スティワードシップ
3.ランベスの思想的基盤:アメリカ新聞編集者協会(ASNE)原則声明
4.ランベスの思想的基盤:ジョン・ロールズ
5.ランベスの思想的基盤:ジェローム・A・バロン
6.ランベスの思想的基盤:アラスデア・マッキンタイア
おわりに

第4章 コミュニタリアン・ジャーナリズム
      ――クリフォード・G・クリスチャンズ

はじめに
1.クリスチャンズの問題意識
2.啓蒙主義(Enlightenment)批判
3.自由主義(Liberalism・Libertarianism)批判
4.功利主義(Utilitarianism)批判
5.道具主義(Instrumentalism)批判
6.相対主義(Relativism)批判
7.クリスチャンズのコミュニケーション倫理学
8.クリスチャンズのトランスフォーマティブ・ジャーナリズム
おわりに

【第2部 実践】

第5章 プライバシー侵害 ――『逆転』事件再考 
はじめに
1.権利の倫理学
2.共通善の倫理学
3.プライバシー侵害の倫理学
4.『逆転』事件
おわりに

第6章 少年犯罪報道 ――「成長発達権」を手掛かりとして

はじめに
1.実名報道の論理
2.成長発達権と権利の視点
3.少年犯罪と共通善の倫理学
おわりに

第7章 「極化」現象 ――ヘイト・スピーチを手掛かりとして

はじめに
1.国連人種差別撤廃委員会とヘイト・スピーチの法規制
2.ヘイト・スピーチと倫理学理論
3.ヘイト・スピーチ報道のジレンマ
4.ジャーナリズム倫理学の視点
おわりに

第8章 紛争地取材 ――後藤健二の事例を中心として

はじめに
1.事件の概要
2.紛争地取材に関する意見
3.旅券返納問題に関する意見
4.紛争地への渡航規制に関する意見
5.専門職としてのジャーナリスト
6.多元的視点と新世界情報・コミュニケーション秩序の理念
おわりに

第9章 便宜供与――日本新聞協会「記者クラブに関する見解」小史

はじめに
1.信頼とジャーナリズム
2.便宜供与に関する規定
3.裁判所の見解
おわりに

終 章 ジャーナリストの行為規範

はじめに
1.「真実を述べること」と「信頼をえること」
2.ジャーナリズムの定義
3.ナショナリスティック・アプローチ
4.リバタリアン・アプローチ
5.リベラル・アプローチ
6.コミュニタリアン・アプローチ
おわりに

書評掲載案内

■『読書人』2021年8月6日3面にて掲載
「あるべき姿」の確率を目指す
評者:植村八潮(専修大学教授)