書籍詳細:アフリカの零細鉱業をめぐる社会構造

アフリカの零細鉱業をめぐる社会構造 貧困解消に向けたタンザニアの零細鉱業支援のあり方

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発刊年月
2021.12
ISBN
978-4-535-54020-0
判型
A5判
ページ数
232ページ
Cコード
C3033
ジャンル
難易度
テキスト:中級

内容紹介

アフリカにおいて零細鉱業は貧困層の重要な生計手段である。零細鉱業が社会にもたらす影響性を踏まえ、あるべき支援の方途を探る。

目次

1 研究の枠組と意義

第1章 問題の所在
 1.1 零細鉱業とはなにか
 1.2 零細鉱業のインフォーマル性と貧困の罠
 1.3 零細鉱業への国際社会と政府の対応、そしてその限界
 1.4 本書のねらいと仮説
 1.5 研究の方法

第2章 零細鉱業を取り巻く行政・社会構造――既往研究のレビューから
 2.1 貧困解消に向けた零細鉱業支援の隘路
 2.2 地域の実態をどう捉えるか:零細鉱業と脱農業化
 2.3 零細鉱業者のモビリティをどう捉えるか
 2.4 社会性をどう捉えるか:零細鉱業の社会的な機能
 2.5 小活:既往研究に照らした本書の意義


2 タンザニア国ゲイタ県の零細鉱業

第3章 タンザニアの零細鉱業とその立場の変化
 3.1 タンザニアの零細鉱業
 3.2 タンザニアにおける金鉱山開発の成り立ちと零細金鉱業の立場
 3.3 タンザニア政府による制度的・政策的対応
 3.4 小活

第4章 ゲイタ県の零細金鉱業――調査対象地における零細鉱業活動
 4.1 ゲイタ県の鉱業活動と零細金鉱業
 4.2 ゲイタ県の零細金鉱業システム
 4.3 ゲイタ県の零細金鉱業の主要アクターの結びつき
 4.4 小括


3 零細鉱業の経済・社会的紐帯

第5章 零細金鉱業における経済的・社会的接続
 5.1 零細金鉱業の組織性とメリット
 5.2 零細金鉱業に内在する社会的セーフティネット
 5.3 小括

第6章 零細鉱業者の多様性と経済的・社会的接続
 6.1 ニャルグス地区とルワンガサ地区の調査対象者の特徴
 6.2 出身地と零細鉱業者の経済的・社会的接続の関係
 6.3 零細鉱業の経済的・社会的接続と地域社会とのかかわり
 6.4 小活


4 零細鉱業者の脱農業化と地域社会とのかかわり

第7章 脱農業化と農民の零細鉱業へのかかわり
 7.1 零細鉱業者は鉱業を安定的と捉えているのか
 7.2 零細鉱業を生計手段としてどう活用しているのか
 7.3 調査対象者は農業にどのようにかかわっているのか
 7.4 小活

第8章 脱農業化と社会変容         
 8.1 脱農業化と農民の地域コミュニティへのかかわり
 8.2 脱農業化がもたらす社会変容の可能性:分析からいえる顕著な点
 8.3 小括

第9章 脱農業化と零細鉱業者の地域とのつながり
 9.1 零細鉱業者のルワンガサ地区への定着度
 9.2 零細鉱業者のルワンガサ地区への定着度と地域へのかかわり
 9.3 零細鉱業者の地域とのつながりと背景要因
 9.4 小活


5 零細鉱業への支援のあり方を考える

第10章 タンザニアの零細鉱業に対するタンザニア政府の対応
 10.1 零細鉱業のフォーマル化に向けた制度上の構造要因
 10.2 小活

第11章 タンザニアの農村自治体を通じた零細鉱業支援の可能性
 11.1 タンザニアの鉱業行政機構と地方自治機構
 11.2 零細鉱業者の農村自治体への帰属意識
 11.3 零細鉱業者の農村自治体との関係
 11.4 零細鉱業者の村との関係性から見える中央行政に対する認識
 11.5 小活

第12章 タンザニアの貧困解消に向けた零細鉱業支援
 12.1 零細鉱業における生産と家計収入の関係
 12.2 生産無のグループを支援対象とすることの妥当性
 12.3 考察と政策的含意
 12.4 小活

結び

書評掲載案内

『アフリカ研究104号』P91に書評掲載
評者:坂本公美子(宇都宮大学国際学部)