書籍詳細:クラスター化する高度人材の国際労働移動

クラスター化する高度人材の国際労働移動 ポジション獲得競争を勝ち抜く集団

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発刊年月
2024.03
ISBN
978-4-535-54070-5
判型
A5判
ページ数
296ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

高度人材の積極的な獲得や育成政策が、必ずしもポジティブサムゲームにはならない現実を理論と実証の両側面から示す書。

目次


序 章

第1章 国境を越えるヒトの労働移動

1.1 なぜ人は国境を越えて移動するのか
1.2 頭脳獲得競争の背景にある人的資本理論
1.3 「グローバルエリート論」の誤謬
1.4 ポジション獲得競争と国際労働市場
1.5 閉鎖的な国際労働市場


第2章 アメリカを目指す高度人材

2.1 アメリカを目指す高度人材と情報通信産業
2.2 アメリカのグローバルマーケットへ参入するインド人集団
2.3 アメリカのIT 産業におけるインド人技術者集団の地位獲得競争


第3章 ヨーロッパの非英語圏における高度人材の移動

3.1 高技能移民(Highly Skilled)の国際移動の概観
3.2 ヨーロッパ域内での高技能移民の移動
3.3 イギリスへ移動する専門職集団
3.4 ドイツへ移動する専門職集団
3.5 閉鎖的な労働市場でのポジション獲得競争


第4章 アジアから日本へ移動する高度人材

4.1 日本の入国管理制度と高度人材受け入れ政策
4.2 日本における高度人材の定義
4.3 来日する高度人材の変遷―北米中心からアジア中心へ
4.4 小括
4.5 アジア地域出身者による機会独占の背景


第5章 e-Japan戦略とIT人材の受け入れから育成へ

5.1 21世紀に向けたアジアの国際協調体制の強化
5.2 政策的受け入れターゲットとしての「技術」
5.3 外国人IT 人材と日本の情報通信産業
5.4 小括


第6章 情報通信産業への高度人材の誘致政策

6.1 アジアIT スキルイニシアティブとは
6.2 日本主導のアジアIT スキル標準化を巡る背景
6.3 日本企業の外国人IT 人材の採用と障壁
6.4 IT 資格相互認証制度の評価


第7章 韓国から日本へ移動する高度人材

7.1 「e-Japan 戦略」と外国人IT 人材
7.2 2000年前後の日本の情報通信政策
7.3 1980年代から90年代の情報通信産業における日韓関係
7.4 韓国のIMF 通貨危機と海外就労支援政策
7.5 日本への国際労働移動を希望する若年求職者の増加


第8章 日本のIT産業でポジションを獲得する外国人IT人材

8.1 韓国人IT 人材の日本への移動メカニズム
8.2 日本のIT 産業でのポジション獲得競争
8.3 日本のIT 産業における外国人集団のポジション獲得競争


第9章 中国から日本へ移動しようとする高度人材

9.1 中国の人材育成政策と高等教育の普及
9.2 来日する中国人留学生層の変化
9.3 日本での就労を希望する中国人若年求職者
9.4 中国人大学生・大学院生の日本でのポジション獲得競争
9.5 中国人学生の日本への移動を阻む障壁


第10章 若年外国人の労働市場参入を阻む日本型雇用

10.1 外国人IT 人材と日本の労働市場
10.2 情報通信産業におけるジョブ型雇用と日本型雇用
10.3 メンバーシップルールと情意考課システム
10.4 日本型雇用システムに適応しやすい外国人集団


第11章 高度人材の移動はなぜリージョナル化し、クラスター化するのか

11.1 高等教育の普及と拡大の陥穽
11.2 排除と奪取が繰り返される国際労働市場
11.3 知識経済のパラドックス
11.4 グローバリゼーションの逆説的帰結


終 章