書籍詳細:子どもとあゆむ精神医学
子どもとあゆむ精神医学
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定価:税込 3,300円(本体価格 3,000円)
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内容紹介
育ちゆく子どものこころの発達・発達障害を多様な角度からわかりやすく丁寧に説く貴重な一冊。臨床に活きる「基本」がここにある。
目次
序 章 これまで語ってこなかったこと——最終講義から
発達の第三の軸
自己制御の発達
発達の「主体」について
乳児の能動性と主体
人間のアタッチメント
幼児性愛
アタッチメントと探索活動
二人三脚の探索活動
注意の自己制御
しつけが発達にもたらすもの
「自我」の生成
言葉の獲得
関係の脱中心化
「他者」の登場と「自己」の生成
_______________________________
第1部 精神発達・発達障害をどう考えるか
_______________________________
第1章 精神発達の基本構造
認識発達を推し進めるもの
関係発達を推し進めるもの
規範と自己制御の発達
精神発達と発達障害
第2章 こころの発達と脳
──高次脳機能障害、発達障害、環境的発達不全を繋ぐもの
問題のポイント
高次脳機能障害とは
共通症状はどのようなものか
フレーム問題を巡って
なぜ「注意障害」が起きるのか
なぜ「情緒の脱抑制」が起きるのか
なぜ処理速度が落ちるのか
第3章 発達論的視点からみた自閉症スペクトラム
——フロイトの発達論に照らせば
精神発達とは
自閉症スペクトラムとフロイトの発達論
「幼児性愛」とは何か
口唇期(乳児期)の「性愛」
ボウルビィのアタッチメント(愛着)理論
幼児性愛と自閉症
アタッチメントと幼児性愛
自閉症スペクトラムの生じる必要条件
自閉症スペクトラムに傾く場合
自閉症スペクトラムへの負荷条件
幼児期前半(肛門期)における自閉症スペクトラム
幼児期後半(男根期)における自閉症スペクトラム
むすび
第4章 自閉症スペクトラムにおける体験世界
乳幼児の探索活動と体験世界
情動の共有と体験世界
自閉症スペクトラムの体験世界
カナーの中核群での体験世界
アスペルガー症候群における体験世界
むすび
第5章 発達障害における感覚と知覚
感覚の過敏性と非恒常性
胎児期から出産までの感覚世界
新生児の感覚世界
乳幼児の視覚世界
言語と知覚
錯視と発達障害
ロールシャッハテストと発達障害
むすび
第6章 自閉症スペクトラムと想像力の問題
ウィングの三つ組
例1:器物の配置へのこだわり
例2:順路へのこだわり
例3:衣服へのこだわり
「想像力の障害」と映るもの
まとめ
第7章 「学習のおくれ」をどう考えるか
学校制度の成立と「学習のおくれ」の発見
学習のおくれと知的障害
何の学習のおくれなのか
「学習障害」の出現
学習障害をどう理解するか
むすび
第8章 一次障害と二次障害をどう考えるか
細菌医学から生まれた疾患理解
精神医学の分類と診断
基本症状と副症状
発達障害における「一次障害(一次症状)」
発達障害における「二次障害(二次症状)」
二次災害としての「二次障害」
第9章 自閉症と統合失調症——カナーはどう考えたか
最初の論文
統合失調症との連続性
15年後の論文
ブロイラーの統合失調症群とカナーの幼児自閉症
第10章 発達障害の500年
パラケルススの障害論
ウィリスからモンテッソーリまで
イタールの取り組み
なぜ「自閉症」は見過ごされてきたのか
「自閉症」の発見
自閉症研究の転換
発達障害ブームの陰
相模原事件を巡って
第11章 自閉症研究の「これまで」と「これから」
カナー以前の「これまで」
カナーの早期幼児自閉症
「障害」と「疾患」
百家争鳴の時代
ラターの言語認知障害説
その後の研究動向
研究の「これから」
_______________________________
第2部 トラウマ・アタッチメントをどう考えるか
_______________________________
第12章 逆境がもたらすもの
——心的外傷・愛着障害・逆境体験
過去の体験のトラウマ
トラウマ論の忘却
トラウマ論の復活
フロイトのトラウマ論の再検討
「児童虐待」のPTSD論
心的外傷論の発展拡大
フェリッティらの研究
「逆境的小児期体験」論のポイント
「境遇」の視点から
トラウマ治療の届かないところ
「愛着障害」と逆境
むすび
第13章 「アタッチメント」を考える
動物には二種類ある
「アタッチメント」の原型
ヒトの「アタッチメント」
成人の「アタッチメント」
「アタッチメント」と「性愛」
子どもの「アタッチメント」
「アタッチメント」と探索活動
「アタッチメント」の個体差
第14章 愛着障害をどう考えるか
アタッチメント(愛着)とは何か
愛着障害とは何か
おとなのアタッチメントと愛着障害
アタッチメントと対象喪失
第15章 こころの傷と心的外傷
子どもの「こころの傷」
こころの傷とこころの成長
こころの傷のもたらす失調
PTSDの本態
子どもの心的外傷
発達のおくれと心的外傷
むすび
_______________________________
第3部 子どものそだちをどう考えるか
_______________________________
第16章 子どもを育てる難しさと子育ての失調
子育てとはどういうものか
子育ての私化(個人化)の進行
現代の子育ての難しさ
「児童虐待」問題の発生
「虐待」の用語と配慮性
米国における「児童虐待」の理解
子育て失調の予防
第17章 「児童虐待防止法」のパラドックス
虐待相談対応件数の激増
要保護児童の非増加
「虐待死」の非増加
相談対応件数をうなぎ登りにするもの
通報(通告)激増がもたらすもの
通告義務化がもたらすもの
英国の場合
第18章 社会的養護と「家庭」
「続あしながおじさん」と白亜館会議
ホスピタリズム論争
「児童虐待防止法」と家庭的養護
家庭養護(里親、養子)の問題
家庭的養護(ユニットケア)の問題
「家庭」の子育て、「家庭的養護」の子育て
家庭的養護にはおとなの数が重要
第19章 現代社会の臨床課題
——キラキラネームから考える
読めない名前
人名とはわからぬ名前との出会い
キラキラネームの出現
近隣共同体の消滅
キラキラネームと社会に繋がれない子ども
不登校の増加
発達障害の臨床的増加
貧困と孤立
むすび
第20章 現代の貧困を考える
貧病の妙薬
国の借金
貧困の当事者体験
現代の貧困
第21章 いじめをどう捉え直すか
私的体験を振り返る
60〜70年代のいじめ
80〜90年代のいじめ
いじめの構造変化
現代のいじめ
いじめをどうするか
第22章 電子ゲームをどう考えるか
漫画とテレビ
技術革新のもたらすもの
電子ゲームに熱中するわけ
電子ゲーム以前
むすび
第23章 性非行と性化行動——〈性〉と〈愛〉を巡って
〈性〉と犯罪
未成年の性犯罪
性非行という概念
〈性〉の自由化と性非行
幼児期・児童期の「性化行動」
発達からみた性化行動
むすび
第24章 思春期の理解とそのケア——発達理論の視点から
フロイトとピアジェの発達論
思春期の出現
思春期の諸問題
現代日本の思春期(1)
現代日本の思春期(2)
現代日本の思春期(3)
思春期への臨床
むすび
第25章 思春期への社会的支援
社会的支援の原型
思春期(青年期)の出現
思春期第一世代における困難
思春期第二世代以降の困難
現代の思春期の困難
互助としての社会的支援
専門機関の社会的支援
第26章 少子化からみる現代の青年期
——少子化対策には何が必要か
エンゼルプランの失敗
終身雇用の解体
未婚率の激増
エンゼルではなくキューピットに
終身雇用の解体は経済を成長させたか
自由競争、能力主義がもたらすもの
性交経験率の増加と減少
消費社会の価値やモラル
恋愛からの遠のき
むすび
第27章 おとなになるということ
自分が「おとな」になること
「おとな」の像
「おとな」に歩ませるレール
児童期の「おとな」
思春期の「おとな」
「おとな体験」の狭小化
均質集団内での成長
むすび
終 章 自閉症をどう考えてきたかを振り返る
——あとがきに代えて
自閉症との出会い
精神発達(共同性への参入)という切り口
ラター説との出会い
異説狩りの時代
二冊の本
知的障害との出会い
発達論との再会
教育大学での経験
児童心理治療施設での臨床から
むすび
文 献
索 引
初出一覧
発達の第三の軸
自己制御の発達
発達の「主体」について
乳児の能動性と主体
人間のアタッチメント
幼児性愛
アタッチメントと探索活動
二人三脚の探索活動
注意の自己制御
しつけが発達にもたらすもの
「自我」の生成
言葉の獲得
関係の脱中心化
「他者」の登場と「自己」の生成
_______________________________
第1部 精神発達・発達障害をどう考えるか
_______________________________
第1章 精神発達の基本構造
認識発達を推し進めるもの
関係発達を推し進めるもの
規範と自己制御の発達
精神発達と発達障害
第2章 こころの発達と脳
──高次脳機能障害、発達障害、環境的発達不全を繋ぐもの
問題のポイント
高次脳機能障害とは
共通症状はどのようなものか
フレーム問題を巡って
なぜ「注意障害」が起きるのか
なぜ「情緒の脱抑制」が起きるのか
なぜ処理速度が落ちるのか
第3章 発達論的視点からみた自閉症スペクトラム
——フロイトの発達論に照らせば
精神発達とは
自閉症スペクトラムとフロイトの発達論
「幼児性愛」とは何か
口唇期(乳児期)の「性愛」
ボウルビィのアタッチメント(愛着)理論
幼児性愛と自閉症
アタッチメントと幼児性愛
自閉症スペクトラムの生じる必要条件
自閉症スペクトラムに傾く場合
自閉症スペクトラムへの負荷条件
幼児期前半(肛門期)における自閉症スペクトラム
幼児期後半(男根期)における自閉症スペクトラム
むすび
第4章 自閉症スペクトラムにおける体験世界
乳幼児の探索活動と体験世界
情動の共有と体験世界
自閉症スペクトラムの体験世界
カナーの中核群での体験世界
アスペルガー症候群における体験世界
むすび
第5章 発達障害における感覚と知覚
感覚の過敏性と非恒常性
胎児期から出産までの感覚世界
新生児の感覚世界
乳幼児の視覚世界
言語と知覚
錯視と発達障害
ロールシャッハテストと発達障害
むすび
第6章 自閉症スペクトラムと想像力の問題
ウィングの三つ組
例1:器物の配置へのこだわり
例2:順路へのこだわり
例3:衣服へのこだわり
「想像力の障害」と映るもの
まとめ
第7章 「学習のおくれ」をどう考えるか
学校制度の成立と「学習のおくれ」の発見
学習のおくれと知的障害
何の学習のおくれなのか
「学習障害」の出現
学習障害をどう理解するか
むすび
第8章 一次障害と二次障害をどう考えるか
細菌医学から生まれた疾患理解
精神医学の分類と診断
基本症状と副症状
発達障害における「一次障害(一次症状)」
発達障害における「二次障害(二次症状)」
二次災害としての「二次障害」
第9章 自閉症と統合失調症——カナーはどう考えたか
最初の論文
統合失調症との連続性
15年後の論文
ブロイラーの統合失調症群とカナーの幼児自閉症
第10章 発達障害の500年
パラケルススの障害論
ウィリスからモンテッソーリまで
イタールの取り組み
なぜ「自閉症」は見過ごされてきたのか
「自閉症」の発見
自閉症研究の転換
発達障害ブームの陰
相模原事件を巡って
第11章 自閉症研究の「これまで」と「これから」
カナー以前の「これまで」
カナーの早期幼児自閉症
「障害」と「疾患」
百家争鳴の時代
ラターの言語認知障害説
その後の研究動向
研究の「これから」
_______________________________
第2部 トラウマ・アタッチメントをどう考えるか
_______________________________
第12章 逆境がもたらすもの
——心的外傷・愛着障害・逆境体験
過去の体験のトラウマ
トラウマ論の忘却
トラウマ論の復活
フロイトのトラウマ論の再検討
「児童虐待」のPTSD論
心的外傷論の発展拡大
フェリッティらの研究
「逆境的小児期体験」論のポイント
「境遇」の視点から
トラウマ治療の届かないところ
「愛着障害」と逆境
むすび
第13章 「アタッチメント」を考える
動物には二種類ある
「アタッチメント」の原型
ヒトの「アタッチメント」
成人の「アタッチメント」
「アタッチメント」と「性愛」
子どもの「アタッチメント」
「アタッチメント」と探索活動
「アタッチメント」の個体差
第14章 愛着障害をどう考えるか
アタッチメント(愛着)とは何か
愛着障害とは何か
おとなのアタッチメントと愛着障害
アタッチメントと対象喪失
第15章 こころの傷と心的外傷
子どもの「こころの傷」
こころの傷とこころの成長
こころの傷のもたらす失調
PTSDの本態
子どもの心的外傷
発達のおくれと心的外傷
むすび
_______________________________
第3部 子どものそだちをどう考えるか
_______________________________
第16章 子どもを育てる難しさと子育ての失調
子育てとはどういうものか
子育ての私化(個人化)の進行
現代の子育ての難しさ
「児童虐待」問題の発生
「虐待」の用語と配慮性
米国における「児童虐待」の理解
子育て失調の予防
第17章 「児童虐待防止法」のパラドックス
虐待相談対応件数の激増
要保護児童の非増加
「虐待死」の非増加
相談対応件数をうなぎ登りにするもの
通報(通告)激増がもたらすもの
通告義務化がもたらすもの
英国の場合
第18章 社会的養護と「家庭」
「続あしながおじさん」と白亜館会議
ホスピタリズム論争
「児童虐待防止法」と家庭的養護
家庭養護(里親、養子)の問題
家庭的養護(ユニットケア)の問題
「家庭」の子育て、「家庭的養護」の子育て
家庭的養護にはおとなの数が重要
第19章 現代社会の臨床課題
——キラキラネームから考える
読めない名前
人名とはわからぬ名前との出会い
キラキラネームの出現
近隣共同体の消滅
キラキラネームと社会に繋がれない子ども
不登校の増加
発達障害の臨床的増加
貧困と孤立
むすび
第20章 現代の貧困を考える
貧病の妙薬
国の借金
貧困の当事者体験
現代の貧困
第21章 いじめをどう捉え直すか
私的体験を振り返る
60〜70年代のいじめ
80〜90年代のいじめ
いじめの構造変化
現代のいじめ
いじめをどうするか
第22章 電子ゲームをどう考えるか
漫画とテレビ
技術革新のもたらすもの
電子ゲームに熱中するわけ
電子ゲーム以前
むすび
第23章 性非行と性化行動——〈性〉と〈愛〉を巡って
〈性〉と犯罪
未成年の性犯罪
性非行という概念
〈性〉の自由化と性非行
幼児期・児童期の「性化行動」
発達からみた性化行動
むすび
第24章 思春期の理解とそのケア——発達理論の視点から
フロイトとピアジェの発達論
思春期の出現
思春期の諸問題
現代日本の思春期(1)
現代日本の思春期(2)
現代日本の思春期(3)
思春期への臨床
むすび
第25章 思春期への社会的支援
社会的支援の原型
思春期(青年期)の出現
思春期第一世代における困難
思春期第二世代以降の困難
現代の思春期の困難
互助としての社会的支援
専門機関の社会的支援
第26章 少子化からみる現代の青年期
——少子化対策には何が必要か
エンゼルプランの失敗
終身雇用の解体
未婚率の激増
エンゼルではなくキューピットに
終身雇用の解体は経済を成長させたか
自由競争、能力主義がもたらすもの
性交経験率の増加と減少
消費社会の価値やモラル
恋愛からの遠のき
むすび
第27章 おとなになるということ
自分が「おとな」になること
「おとな」の像
「おとな」に歩ませるレール
児童期の「おとな」
思春期の「おとな」
「おとな体験」の狭小化
均質集団内での成長
むすび
終 章 自閉症をどう考えてきたかを振り返る
——あとがきに代えて
自閉症との出会い
精神発達(共同性への参入)という切り口
ラター説との出会い
異説狩りの時代
二冊の本
知的障害との出会い
発達論との再会
教育大学での経験
児童心理治療施設での臨床から
むすび
文 献
索 引
初出一覧