書籍詳細:やさしい精神分析的実践ガイド

やさしい精神分析的実践ガイド

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  • 紙の書籍
予価:税込 3,850円(本体価格 3,500円)
発刊年月
2025.03
ISBN
978-4-535-98541-4
判型
A5判
ページ数
352ページ
Cコード
C3047
ジャンル
難易度
テキスト:初級

内容紹介

精神分析的な精神療法では、どのタイミングで、どのような解釈的介入を行うのか。臨床例をもとに技法の実際をやさしく解説する。

目次

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第Ⅰ部 背景理論編
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第1章 イントロダクション
    ——意識的思考と無意識的思考が併存する人間の心の謎


臨床例 1.1


第2章 目的も時制もない無意識、論理的で直線的な意識

「意識的な思考=自分自身」は間違い!?——精神分析の発見

意識的思考と無意識的思考の違い

「置き換え」「圧縮」「象徴化」とは何か?

一次過程思考と二次過程思考

中間まとめ

無意識には知性がない?

「イド」「自我」「超自我」


第3章 無意識を科学する
    ——認知脳神経科学からのアプローチ


「無意識には知性がない」という仮説

リベットの古典的実験

意識されない感情・動機づけ——プライミング実験

社会的行動を可能にする無意識的な知恵

分割脳実験

「解釈者」としての左脳

解釈者と作話


第4章 そもそも「意識」とは何か?
    ——進化心理学からのアプローチ


アメフラシの防御行動

トゲウオの求愛行動とミヤコドリの卵を守る行動

人類の進化とゴシップ仮説

ミラー・ニューロンと相手の行動の意図を理解する能力の進化

道具をつくり、使う能力の獲得

道具づくり、音楽、そして言語

「意識」とは本当は何なのか?
——ブローカ領域とウェルニッケ領域がつくりだした幻


第5章 無意識を意識化するために——精神分析技法の展開

内省できない「意識」

フロイトの精神分析技法の変遷
——「暗示と説得」から「自由連想と解釈」へ

抵抗と転移

自我心理学的な精神分析治療の技法

自我心理学派のその後の問題

内的対象関係の外界への投影と取り入れ

投影同一化と取り入れ同一化、そして神経症的悪循環

最近の認知脳神経科学の知見をもとに、
少し見方を変えてみると……


第6章 対象とする問題と治療の基本的な考え方

狭義の神経症(病態水準を表す言葉)

広義の神経症(心理的不調のメカニズムを表す言葉)

神経症は不合理な情緒反応であること

不快感情とそれに対する非適応的な防衛機制がつくる悪循環

対人関係での相互交流による悪循環

広義の神経症の治療における基本的な考え方

実臨床での対象疾患(適応)

精神分析的精神療法の対象にすることが望ましくないもの(禁忌)

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第Ⅱ部 治療技法編
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第7章 顕在内容と潜在内容

顕在内容

臨床例 7.1

臨床例 7.1の顕在内容

潜在内容

臨床例 7.1の潜在内容

傾聴と理解のレベル

臨床例 7.2

臨床例 7.2の顕在内容

臨床例 7.2の潜在内容

顕在内容から潜在内容へ
——テーマの抽出と、治療者・患者関係へつなげてみること

臨床例 7.3

臨床例 7.3の読み取り


第8章 治療文脈、適応文脈、派生複合体

治療文脈

適応文脈

治療文脈と適応文脈

臨床例 8.1

臨床例 8.1の読み取り

臨床例 8.2

臨床例 8.2の読み取り

臨床例 8.3

臨床例 8.3の読み取り

臨床例 8.4

臨床例 8.4の読み取り

派生物・派生複合体

派生複合体に注目して臨床例を振り返る


第9章 沈黙と傾聴

沈黙・傾聴の適応

「適応文脈」への言及や「派生複合体」の展開を待つための沈黙・傾聴

臨床例 9.1

臨床例 9.2

患者の健康的な自閉状態を抱えておくための沈黙・傾聴

臨床例 9.3

患者が投影同一化的コミュニケーションを続けているときに、
治療関係を抱えておくための沈黙・傾聴

臨床例 9.4

患者が「病的な自閉」にあるときに、自発的に
コミュニケーション抵抗を緩めるのを待つための沈黙・傾聴

臨床例 9.5

臨床例 9.6

臨床例 9.7


第10章 抵抗と介入1——解釈的介入の構造と手順

解釈的介入を行うための要件とタイミング

臨床例9.1での不完全な解釈的介入

臨床例9.2での不完全な解釈的介入

臨床例9.4での解釈的介入

解釈的介入をしたあとで、しっかり沈黙・傾聴を続けること
——患者からの確証反応、あるいは非確証反応を受け取ること

臨床例 10.1

臨床例 10.2

臨床例 10.3

臨床例 10.4

介入に含めるべきこと、含めないほうがよいこと
——「何も足さない、何も引かない」の原則

臨床例 10.5

臨床例 10.6

臨床例 10.7

臨床例 10.8


第11章 抵抗と介入2——抵抗の種類と介入

粗大な行動的抵抗

臨床例 11.1

臨床例 11.2

臨床例 11.3

臨床例 11.4

行動化・投影同一化による抵抗

投影同一化における抵抗解釈での注意点

臨床例11.5

コミュニケーション抵抗

臨床例11.6


第12章 治療の進行と治癒メカニズム

初回面接から治療初期

臨床例 12.1

臨床例 12.2

治療的退行と部分的・弱毒化された再演の治療的意味合い

臨床例 12.3

臨床例 12.4

臨床例 12.5

健康的な自閉/健康的な一人遊びの時期

臨床例 12.6

終結期

臨床例 12.7

臨床例 12.8


あとがき

特殊用語集

A 自我心理学的な「防衛機制」
B そのほかの特殊用語
C 本書では推奨していない精神療法の介入技法

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