書籍詳細:よみがえる美しい島

よみがえる美しい島 産廃不法投棄とたたかった豊島の五〇年

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  • 紙の書籍
予価:税込 2,860円(本体価格 2,600円)
発刊年月
2025.05(下旬)
ISBN
978-4-535-52858-1
判型
四六判
ページ数
352ページ
ジャンル

内容紹介

わが国最大の産廃不法投棄に見舞われた瀬戸内海の豊島。自然豊かなふるさとを取り戻すために立ち上がった住民たちの勇姿を描く。

目次

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第一章 住民の敗北――大量の産廃が島へ
    (一九七五年〜一九九〇年)
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美しく、心豊かな島

国立公園が廃棄物処理場に

悲惨な覚悟でデモを決行

知事が裁判中に許可決定

おそれていたことが現実に

生活被害、そして人体被害が発生

住民を救った兵庫県警

業者らに有罪判決

県が共犯者の役割

なぜ県は犯罪行為に加担したか

豊島が「ゴミの島」に


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第二章 住民の勝利――県が廃棄物の撤去を約束
    (一九九〇年〜二〇〇〇年)
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たたかいの場は公調委へ

なぜ公害調停を選んだか

許しがたい県の虚偽答弁

中坊弁護士の「強者」とたたかう姿勢

第一回調停から決裂寸前に

県庁前で毎日立ちんぼ抗議

第二回調停も決裂寸前に

巨額の費用で実態調査が実現

想像を絶する汚染が判明

学習こそ確信を生む

安岐正三がハマチの養殖業を断念

事業者を相手に高松地裁に提訴

銀座で廃棄物を展示

総理大臣が支援を表明

豊島での中間処理を選択

わずか一〇ケ月でスピード勝訴

県が初めて「遺憾」の表明

排出業者の責任を求める

「中間合意」で熾烈なせめぎあい

失敗した「土地使用料」要求

二分された住民の意見

草の根運動に立ち上がる

苦渋の決断・「中間合意」の成立

技術検討委員会の発足

専門委員会で発言の権利を得る

排出業者と画期的な合意成立

地域の美化運動

事業者の抵抗を排除し、処分地を取得

豊島の心を一〇〇万県民に

知事選挙の争点に

住民総動員体制へ

石井亨が県議に当選

直島での処理に変更

正念場・何を勝ちとるか

文言をめぐる最後の攻防

歴史的な「最終合意」が成立

ようやく住民に笑顔

美しく晴れた日


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第三章 県と住民の協働――共通の難敵「廃棄物」に挑む
    (二〇〇〇年~二〇一七年)
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住民を取り巻く厳しい状況

中間処理施設の稼働に向けて

「全国に例のない処理協議会」

「共創」の意義と要件

相次ぐ住民運動のリーダーの死

遮水壁の設置――戻ってきたオサガニ

豊島から緑を――オリーブ基金の創設

実現しなかった産廃記念館構想

「学びの島」にするために――「豊島・島の学校」を開校

忙しくなった見学者対応

他所の廃棄物処理を認めるか

「道しるべのない道のり」――中間処理施設がようやく稼働

重要な進行管理

環境基準達成をあきらめるか

「豊島の恩人」中坊弁護士の死

産廃特措法は延長されたけれど

スラグの埋め立ては許さない――住民の怒りが爆発

ついに悲願達成――「きれいな島を一緒に見たかった」

対照的な二つの式典


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第四章 よみがえる美しい島(二〇一七年~)
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完了式典後に新たな廃棄物

残された最大の「難敵」――汚染された地下水

遮水壁と土堰堤の撤去を求めて

「今を生きる我々の責任」――調停条項「再考・再確認」を

唐櫃自治会長が住民会議を批判

「事なかれ主義」とのたたかい

鮮明になった対決点

再び海とつながる─―鋼矢板の全部撤去

土堰堤を残すか否か

NPO構想が浮上

大事業を終えて――関係者のさまざまな思い

残された難事業・地下水浄化

美しい島に向かって


参考文献
最終合意文書

年表