書籍詳細:分断と反知性主義のアメリカ

分断と反知性主義のアメリカ 知性の敗北と再建の政治経済学

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  • 紙の書籍
予価:税込 2,640円(本体価格 2,400円)
発刊年月
2026.06
ISBN
978-4-535-54125-2
判型
四六判
ページ数
256ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

なぜ知は民主主義の中で敗れるのか。「分かりやすさ均衡」からアメリカの分断を読み解く。

目次


はじめに
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第一章 分断と反知性主義の基礎
      ——「分かりやすさ」が勝つ社会
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1 分断——歴史とメカニズム

分断の三次元/分断のメカニズム


2 反知性主義——特殊アメリカ的な文脈

リチャード・ホフスタッター/宗教復興運動/
ジャクソニアン・デモクラシー/
パラノイド・スタイル/ドナルド・トランプ


3 分かりやすさ均衡

我々は「部分均衡マシン」である/確率、時間、他者/
「分かりやすさ均衡」


4 分断と反知性主義に寄り添う

ラストベルトから出ていかない者は怠惰なのか/
リベラルも科学も純粋ではない/オリジナルのポピュリスト/
コラム1 「空洞化」として現れる日本の反知性主義

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第二章 コロナ期における公衆衛生対策と経済財政政策
      ——専門知という名の「信頼財」
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1 不信のなかの公衆衛生対策

世界で最も準備ができていた国のコロナ対策/
実証分析からみえること——信頼という構造条件/信頼と非薬理学的介入/
感染症に潜む二つの部分均衡/
コラム2 日本のコロナ対応は「成功」だったのか


2 専門知という信頼材

信頼財/不信は「愚かさ」ではなく構造的な帰結


3 遅れてくるインフレ

大規模経済対策/ミクロ経済学の成果——現在進行形のフィードバック/
アメリカ救済計画という「過大な一押し」/
財政インフレ、火消しに遅れた金融政策/マクロ経済の分かりやすさ均衡


4 完全雇用下の大幅赤字

予算制度の建付けと議会予算局(CBO)/積み上がる赤字と債務/
「現実認識の分断」のもとでの財政悪化/
議会予算局という「控えめな警鐘」


5 知の公共化回路——疾病予防管理センターと議会予算局

公衆衛生専門家はフロンティアを描く/経済政策におけるトレードオフ/
「知の公共化回路」——土俵を作る、土俵を広く、懐深くする


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第三章 格差の正当化——顧みられない格差
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1 「消えゆくアメリカン・ドリーム」

分配の上方集中/格差の決め手は事前分配/
米欧で異なるオートメーションの帰結/アメリカン・ドリームの統計学


2 政治はいかに格差を見えなくするか——みせかけの再分配

共和党政権――三つの政治技法/
バイデン——再分配への厚い壁、事前分配の未成熟/
コラム3・1 分配が政治になる瞬間


3 なぜ顧みられないのか——システム正当化理論

パラドックス——格差が広がると、福祉を求めなくなる/
世界は概ね正しいという信念/
格差が広がるほどメリトクラシーへの信念は強まる/
制度の裏切り——アイビー・プラスへの入学の実態


4 処方箋——事前分配/再分配の二段構え

事前分配の方法論的成熟、社会保険としての再分配/
機会の平等——競技場の平準化(level playing field)/
AI仕様の事前分配/再分配/
コラム3・2 数値化された価値をめぐる分断

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第四章 民主主義の「共有地」の枯渇——連帯という核心
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1 アメリカ民主主義の現在地

侵食される民主主義/「重なり合うコンセンサス」への後退/
さらなる後退?/後退の先は共同体なのか


2 言論の自由市場

二面市場モデル、公共財としての真理/レモン問題とSNS/
コラム4・1 日本の言論市場/検閲ではない、三つの介入


3 二つのアプローチ——ルソーとマディソン

ジャン=ジャック・ルソー——鏡を磨く/
ジェームズ・マディソン——競争と抑制均衡


4 連帯——競争と討議を支える共有地

民主主義の共有地/熟議という回路/熟議の制度整備/カント的規範/
アメリカ史からの希望/いま必要な連帯/
コラム4・2 司法と分断

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第五章 人類規模の危機——気候変動、AI、感染症
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1 二つのガバナンスの欠如

脅威評価の出発点/気候変動——「知の生産」への攻撃/
AI——開発競争、人間との分業の空洞化/
コラム5・1 「分からない」の政治学——AIにみる日本の無知性主義/
感染症——制度整備は進んでも信頼が傷ついたまま/問題は地理と時間


2 反知性主義との相克

人類規模の危機と向き合う三条件/共同体の拡張/倫理的射程の狭さ/
システムへの判断対象の拡大/複雑なシステムへの無理解/
不確実性の制度的処理/確実性への渇望/鏡像関係


3 危機の整理学

危機の三つの意味/政治運動としてのESG/
危機の射程を問う——ジョセフ・ヒース/テールリスク、正義の問題/
では、危機はあるのか


4 シングルトン

広く複雑な世界/科学と組織の力/シングルトンという思考実験/
シングルトンの欠陥/グローバルな「知の公共化回路」/
コラム5・2 科学者間のカント的協力

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第六章 日本への射程と結論
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1 日本への射程

日本の無知性主義/
コロナ禍——異時点間ガバナンスの欠如と「制度的記憶」の不在/
格差——「二段構え」の未完成/
日本の民主主義——日本版「知の公共化回路」の実装の必要性/
人類規模の危機——媒介のミドルたりうるか


2 結論——知性の敗北と再建の政治経済学

3 結語


おわりに

参考文献
索  引