書籍詳細:株式会社法の立法と解釈

株式会社法の立法と解釈

の画像の画像
  • 紙の書籍
定価:税込 6,380円(本体価格 5,800円)
在庫なし
発刊年月
1993.04
旧ISBN
4-535-58079-0
ISBN
978-4-535-58079-4
判型
A5判
ページ数
352ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

バブル崩壊後にわが国の大企業で露見した不祥事の数々は、法的規制の効力に深甚な疑問を投げかけている。自主的監視制度を中心とした私的自治の復権を強調した気鋭の商法学者による立法と解釈への根源的批判の書。

目次


 序 章 株式会社の基本構造ならびに「構造改革」と法
 1 はじめに
 2 近代株式会社の生成と法
 3 近代株式会社の基本構造と法
 4 株式会社の「構造変革」とは何か
 5 構造変革の理解とその理論的影響の諸相
 6 おわりに
第1部 現代日本の株式会社立法政策
 第1章 株式会社立法政策の方法的基礎としての私的自治
 1 はじめに
 2 私的自治ないしセルフコントロールの株式会社法的変容
 3 所有による経営のコントロールの意味分析
 4 第二次的コントロール措置としての具体的諸法制度
 5 終わりに代えて
 第2章 企業の「自主的監視制度」強化の論理と1981年改正商法の現実
 1 はじめに
 2 戦後の株式会社法の存在状況と現代的課題
 3 企業の「自主的監視制度」強化の論理的意味
 4 企業の「自主的監視制度」強化の法制度的具体案
 5 おわりに
 第3章 日米経済摩擦と企業法
 1 日米構造協議と株式会社法
 2 近代的法規制システムの問題状況
 3 戦後日本の改正諸立法の問題状況
 4 「株主権の強化」要求の若干の検討
 5 一応の小括
 第4章 企業をめぐる「非行」諸現象と法の役割
 1 現代日本の株式会社法状況
 2 株式会社に対する近代的コントロールシステムに対する本質的疑問
 3 株式会社に対する近代的コントロールシステムとその問題点
 4 近代的コントロールシステム克服のための具体的改革プラン
 5 おわりに
第2部 株式会社法の理論と解釈
 第1章 株式会社企業の「社会的実在性」と政治献金能力
 1 はじめに
 2 八幡製鉄政治献金事件判決の法律構成
 3 株式会社企業の社会的実在性と権利能力
 4 株式会社企業のなす無償の寄付ないし献金行為の解釈論
 5 一応の総括に代えて
 第2章 株式=社員権論の意義と単位株制度・端株制度
 1 はじめに
 2 法制度としての株式会社法と株式=社員権論の意義
 3 単位株制度の法制度論的・立法政策論的考察
 4 端株制度の法制度論的・立法政策論的考察
 5 おわりに
 第3章 定款による議決権代理行使資格の株式への限定の効力
 1 はじめに
 2 最高裁判決を中心とした従来の判例の態度とその評価
 3 最近の下級審判決例にみられる有効説の新たな理由づけの試みとその評価
 4 結びに代えて
 第4章 決議取消の訴え等会社法上の訴えと「裁量棄却」の本質
 1 問題の所在
 2 決議取消等会社法上の訴えと裁判所の「裁量棄却権」
 3 「裁量棄却権」規定削除の意味と棄却行為の法的性質
 4 決議取消の訴えと棄却の基準
 5 一応の総括
 第5章 監査役の業務監査機能の立法政策的意義と地位の独立性
 1 はじめに
 2 株式会社に対する近代的法規制システムにおける監査制度の意義
 3 監査役による業務監査の対象範囲に関する学説状況
 4 監査役の業務監査機能の立法政策的意義とその対象範囲
 5 監査役の業務執行機関からの独立性の確保
 6 終わりに代えて
第6章 会計帳簿・書類の閲覧等請求権制度と「営業の秘密」
 1 はじめに
 2 最近のある裁判例について
 3 会計帳簿・書類の閲覧等請求権の立法政策的意義
 4 解釈論上の若干の問題について
 5 閲覧等請求権行使の制約の論理としての「営業の秘密」
 6 おわりに