書籍詳細:崩壊している司法

崩壊している司法 横浜事件再審免訴判決と仕事をしない裁判官たち

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,640円(本体価格 2,400円)
在庫なし
発刊年月
2014.06(中旬刊)
ISBN
978-4-535-52056-1
判型
A5
ページ数
248ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

踏み込んだ判断からは逃げまくっているのに恥じるどころか居直る傲慢な裁判官。横浜事件再審事件の弁護人が司法の病理を内部告発!

目次

第1章 裁判官の職務上の義務違反・職務怠慢と驕り



――本書で訴えたいこと



1 単純な問題の単純な解決方法



2 免訴判決制度の簡単な説明(読者へのお願い)



(1) 刑の廃止と免訴判決

(2) 確定判決前の刑の廃止と確定判決後の刑の廃止



3 免訴判決の理不尽さ・不合理性



(1) 裁判の打ち切り

(2) 社会的意義が皆無の判決

(3) 関係者の労力の否定

(4) 死者の「手続からの解放」の不合理性

(5) 金では回復されない名誉

(6) 一貫性のない説明

(7) 内容的に失効しない原確定有罪判決

(8) 二重の危険禁止の原則を忘れた免訴判決



4 横浜再審免訴判決に対する批判の視点



5 裁判官の職務上の義務違反・職務怠慢と驕り



(1) 裁判官の職務上の義務違反・職務怠慢

(2) 裁判官の驕り





第2章 裁判の基本原則



――納得できる裁判とは



1 「裁判」とその「理由」



2 裁判の論理的整合性



(1) 論理的整合性とは

(2) 裁判自体における論理的整合性

(3) 証拠上認められる事実との関係における論理的整合性

(4) 法令及び法律原則との関係における論理的整合性



3 裁判の社会的妥当性



4 裁判の哲学性と思想性(裁判官の良心)



(1) 裁判と哲学的思考

(2) 人権思想と法の支配

(3) 裁判と政策形成(司法積極主義

(4) 裁判と政治(司法消極主義

(5) 哲学性と思想性に欠ける裁判



5 横浜再審免訴判決と司法の堕落





第3章 免訴判決とは



――免訴規定の適用限界と法の空白



1 免訴判決という制度について



(1) 刑事訴訟法の規定

(2) 刑の廃止と裁判での審理方法

(3) 裁判打ち切りの宣告である免訴判決



2 刑の廃止規定等の適用限界



(1) はじめに

(2) 「犯罪後一・二審判決言い渡しまでの間」に生じた刑の廃止等

(3) 「控訴審判決後上告審判決言い渡しまでの間」に生じた刑の廃止等

(4) 「原判決確定後再審判決言い渡しまでの間」に生じた刑の廃止等

(5) 再審裁判に関する法の空白





3 刑の廃止と無罪判決との関係について





第4章 常識を疑う横浜再審免訴判決



――60年後に「訴追を免じること」のおかしさ



1 裁判官としての職務を放棄した横浜再審免訴判決



(1) 免訴判決に対する怒り

(2) 報道機関による裁判官の常識を問う批判

(3) 法の論理と常識の相克



2 再審裁判一般の手続の流れ



(1) はじめに

(2) 再審「請求」手続と再審「公判」手続

(3) 「無罪」再審と「免訴」再審

(4) 「裁判をやり直す」ことの意味について



3 横浜事件と再審免訴判決までの流れ



(1) 確定有罪判決

(2) 再審請求

(3) 横浜地裁の再審開始決定

(4) 東京高裁の決定

(5) 横浜地裁再審免訴判決





第5章 「『刑事』裁判」と「『再審』裁判」



――「『刑事』裁判」とは言えない「『再審』裁判」



1 この第5章の結論



2 そもそも「刑事裁判」とは



(1)  刑事裁判制度の目的

(2) 検察官の請求(起訴)から始まる刑事裁判

(3) 時代・社会と連携する刑事裁判制度



3 確定判決を経た元被告人の立場



(1) 二重の危険と再訴の禁止

(2) 二重の危険と免訴判決

(3)  確定判決の存在と公訴権の「消滅」

(4) 公訴権消滅後の再審裁判



4 戦後における再審制度の変質



(1) 戦前の再審制度と不利益再審

(2) 戦後の利益再審のみの再審制度

(3) 再審制度の目的=無辜の救済

(4) 再審裁判における公訴権の変質



5 再審無罪判決による救済内容



(1) 刑罰の執行からの解放

(2) 名誉の回復と無罪判決の公示

(3) 無罪判決の公示と拘禁補償の公示との違い

(4) 拘禁補償の公示とプライバシーの問題

(5) 裁判に要した費用の補償



6 再審裁判の手続上の特色



(1) 原裁判と断絶した再審裁判

(2) 再審裁判開始の発端

(3) 再審請求の取り下げ

(4) 社会から切り離された再審裁判

(5) 被告人不在でも審判可能である再審裁判

(6) 元被告人に出頭義務がない再審裁判

(7) 制度目的から外れた求刑と刑の量定

(8) 再審有罪判決と刑の執行

(9) 再審有罪判決と前科

(10) 再審開始決定の効力について



7 再審裁判における公訴権論と訴訟条件論



(1) 訴訟条件について

(2) 再審裁判での訴訟条件の問題点

(3) 再審裁判における異質な公訴権

(4) 原判決確定後の「刑の廃止」及び「大赦」

(5)  再審有罪判決と原判決確定後の「刑の廃止」及び「大赦」

(6) 原裁判所が訴訟条件の判断を間違えた場合の措置



8 再審裁判における訴訟条件固定論



9 かくして「再審裁判」とは



第6章 横浜再審免訴判決誤判論



――再審制度を否定する裁判の打切り



1 破綻してる再審理論



(1) 「事実認定の誤り」を是正しない再審裁判所

(2) 再審間違った公訴権論・訴訟条件論

(3) 刑事訴訟法も予定していない再審裁判の打ち切り

(4) 再審制度の否定につながる免訴判決

(5) 制度設計上あり得ない「免訴判決申立手続」

(6) 免訴判決を求めるための再審請求は背理



2 欠陥だらけの横浜再審免訴判決



(1) 社会的意義・機能が全くないこと

(2) 「手続からの解放」という詭弁

(3) 免訴判決では「名誉回復」にならないこと

(4) 3回の無罪立証を強いたこと

(5) 社会的損失だけを残したこと



3 矛盾に満ちた横浜再審免訴判決



(1) 明白な論理矛盾の存在

(2) 論理的一貫性のない趣旨不明の説明

(3) 論点をはぐらかす免訴判決

(4) 論理的整合性を欠く説明

(5) 言い訳をする免訴判決

(6) リップサービスに過ぎなかった証拠調





第7章 通常事件における刑の廃止規定等の適用限界



――免訴判決に潜む不合理性



1 はじめに



2 戦後における刑事裁判システムの変更



3 理念とされた英米法思想の刑事裁判観



4 プラカード事件と最高裁判決



(1) プラカード事件の概要

(2) 最高裁判決

(3) 百家争鳴の意見



5 刑事裁判の現実



6 通常事件での免訴判決の不合理性





第8章 判例・学説の状況と裁判官の職務怠慢



――再審裁判での刑の廃止規定等の不適用



1 刑の廃止規定等の適用を否定する従前の判例・学説



(1) 免訴規定適用説の判例とこれに対する実務家の批判

(2) 免訴規定不適用説の判例

(3) 2000年当時通説である免訴規定不適用説

(4) 2000年当時の「再審裁判と公訴権」論



2 ・浜再審免訴判決の義務違反・職務怠慢



(1) 判例・学説の無視

(2) 思考しない裁判官たち



2 学説「免訴規定適用説」とこれに対する批判



3 学説「免訴規定不適用説」の更なる展開



第9章 崩壊している司法



――法曹一元制度の実現に向けて



1 権限を行使しない・浜地裁の裁判官たち



(1) 法の空白と判例(司法立法)について

(2)  横浜再審裁判と法の空白

(3)  横浜再審免訴判決に欠ける勇気



2 哲学性も人権思想にも欠ける最高裁判所大法廷決定



(1) 婚外子相続分に関する2013年大法廷決定

(2) 大法廷決定の違憲判断の理由の不合理性

(3) 大法廷決定の違憲理由の詳細

(4) 違憲審査手法に哲学性が欠ける年大法廷決定

(5)  司法権の権限行使を放棄した大法廷決定

(6) 人権思想に欠ける大法廷決定

(7) 気骨のない裁判官たち

(8) 判例変更の事実を隠蔽する大法廷決定

(9)



3 育たない裁判官



(1) 官僚システムに組み込まれた裁判官

(2) 玉石混淆の裁判官社会

(3) 野に出て初めて知る「世の中」



4 崩壊している司法と幻の法曹一元制度



5 裁判官制度改革の失敗



(1) 裁判官の質の低下と絶対量の不足

(2) 司法制度改革審議会の設置

(3) 司法制度改革審議会の中間報告

(4) 裁判官増員に抵抗する裁判官たち

(5) 司法制度改革審議会の最終意見書

(6) 実現できなかった裁判官の質と量の改革

(7) 追い詰められている裁判官たち



6 残された課題 = 裁判官制度の改革



注釈・引用文献

[資料1]裁判の進行と刑の廃止との関係図

[資料2]法律条項集

[資料3]無罪判決の公示例

書評掲載案内

■2014年8月17日付『しんぶん赤旗』(9面)/評者:橋本 進(ジャーナリスト)

■2014年9月15日付『かしわ9条の会通信』/評者:坂倉敏雄