書籍詳細:水俣病の民衆史 第二巻

水俣病の民衆史 第二巻 奇病時代 1955-1958

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  • 紙の書籍
定価:税込 9,350円(本体価格 8,500円)
在庫僅少
発刊年月
2015.04
ISBN
978-4-535-06518-5
判型
A5判
ページ数
672ページ
Cコード
C3321
ジャンル

内容紹介

原因不明の奇病が村を襲ったとき、患者と家族が陥った状況、村人、行政・医療の対応を、克明な証言によって明らかにする。

目次

第一部 月浦の奇病

第一章 患者・家族に起きたこと:患家レポート1~7
  1 伝説的カラフユジ(怠け者)の一家
  2 トコロテン売りの主婦と女中
  3 坪段で最初に発病した二家族
  4 奇病発見の契機となった坪谷の二家族
  5 坪段生え抜きの松本一族の二家族と坂本一族の二家族
  6 タコ獲り漁師の子供
  7 坪谷最後の奇病発病者

第二章 月浦で起きたこと
  一 月浦の奇病の考察――自分と関係のない病気・自分たちの病気
  二 伝染病の烙印――避病院隔離と特定患家消毒
  三 患家は隠す、村人は避ける

第二部 出月の奇病

第三章 患家・家族に起きたこと:患家レポート8~14
  8 最も発病が早いとされた子供
  9 精神病院で狂死した男
  10 やうち漁師の三家族
  11 引揚者の四家族
  12 戦前出月有力者の漁師の妻
  13 青空楽団のマンドリン弾き
  14 獲り頭の漁師一家

第四章 出月で起きたこと
  一 祟り病
  二 伝染病の恐怖と魚介類の摂食状況
  三 医学と行政は住民に何の説明もせず
  四 生活保護受給による歪みの増大
  五 出月の奇病の考察――隣の漁師の病気

第三部 湯堂の奇病

第五章 患家・家族に起きたこと:患家レポート15~23
  15 湯堂最初の診定発病者
  16 貧困な漁師の娘
  17 失明した弟と劇症型死亡の姉
  18 嫁さんが漁をした会社行き
  19 一七歳で発病した元網元の養女
  20 網子岩坂一族と網元岩阪一族の六世帯一一人
  21 劇症型発病死亡の幼い姉と胎児性の妹
  22 獅子島出身漁師一家の五歳の男の子
  23 元露天商の漁師一家の三人の子供たち

第六章 湯堂で起きたこと
  一 混乱する村
  二 罹病を隠す漁師たち
  三 村の中の胎児性患者
  四 湯堂の奇病の考察――村落防衛と個人防衛

終 章 三つの村の奇病のまとめ
  一 患者・家族に起きたこと――患家レポートのまとめ
  二 村で起きたことのまとめ

書評掲載案内

■2015年2月7日付『毎日新聞──今週の本棚』評者:池澤夏樹氏
■2021年10/1号『週間 金曜日』p48にて掲載