書籍詳細:実験数学読本1[改訂版]

実験数学読本1[改訂版] 真剣に遊ぶ数理実験から大学数学へ

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  • 紙の書籍
予価:税込 3,300円(本体価格 3,000円)
発刊年月
2024.09(下旬)
ISBN
978-4-535-79034-6
判型
A5判
ページ数
288ページ
ジャンル
難易度
テキスト:初級

内容紹介

身近な材料を使った実験をもとに、背後にある現象と数理を読み解く。新しい実験と「波動の数理」の章を加えてリニューアル!

目次


第0章 実験レシピと数学ワンポイント

 1.対数らせんの抽出
 2.増減表の粋な使い方
 3.石けん膜で作る縄張りの形
 4.塩山で作る内心と放物線
 5.塩山で作る縄張りの形(ボロノイ分割)
 6.素朴に円周と直径を測ってπを算出
 7.振り子の周期からπを算出
 8.針を落としてπを算出(ビュッフォンの針)
 9.光の屈折の法則
 10.楕円の描き方と楕円ミラー
 11.放物線の描き方と放物線ミラー
 12.○○が最大の形は何か?
 13.○○が最小の形は何か?
 14.作図可能・三等分可能な整数角度
 15.折り紙でモーレーの定理を解く(角の三等分問題)
 16.似非電子ホタルの同期
 17.熱の移動と過冷却水の凍結
 18.墨流しの実験と渦の表現
 19.デザイン定規で描ける曲線(サイクロイド)
 20.自作! こまと逆さごま(重心)
 21.雲をつくる
 22.マックナゲット数
 23.富士山と胸突き八丁
 24.牛乳パックの1000mlは虚偽記載か?
 25.一夜一夜に人見頃とはいうけれど
 26.2次方程式の虚数解はどこにある?
 27.だいたいの円弧の長さを求める方法
 28.積を和にする関数を探せ
 29.底eの有難味,ラジアンの有難味
 30.アルキメデスによる角の三等分

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第1部 連続関数と微分法についての数理2章
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第1章 世界でたった一つの場所――世界地図の数理

 1.世界にたった一つの場所
 2.合同変換の不動点
 3.相似変換の不動点
 4.世界地図上の不動点
 5.メルカトル図法
 6.世界地図上の不動点(続)
 7.ニュートン法


第2章 針金の枠に張られる膜の形――石けん膜の数理

 1.1円玉を水に浮かべる
 2.石けん膜の実験
 3.表面張力1
 4.表面張力2
 5.膜の張り方の法則
 6.立方体枠の場合

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第2部 常微分方程式についての数理5章
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第3章 ハイジの危険なブランコ――ブランコの数理

 1.運動方程式とブランコ運動
 2.単振動とハイジのブランコ
 3.特殊関数とハイジのブランコの周期
 4.ブランコのあり得ない倒立状態
 5.相図
 6.減衰振動と振れが小さくなるブランコ
 7.背中を押してもらって楽しむブランコ
 8.減衰のない強制振動と危険なブランコ
 9.パラメータ励振と自ら漕ぐブランコ


第4章 爆発する人口――指数的増殖と頭打ちの数理

 1.ねずみ算
 2.指数的増殖と頭打ち
 3.時間遅れ


第5章 大発生する虫――突発的変化の数理

 1.害虫の突発的大発生モデル
 2.モデル方程式の解析に向けて
 3.突然の大発生
 4.閾値 k_{*} = 3√3 の導出
 5.カタストロフィー
 6.ジーマンのカタストロフィー機械


第6章 最も速く粒子が滑る坂道の形――坂道の数理

 1.ブラキストクローネ問題
 2.変分問題
 3.最速降下線
 4.関数が複数の場合の変分問題
 5.等周問題
 6.懸垂線(カテナリー)


第7章 ふぞろいのメトロノームたち――メトロノームの数理

 1.メトロノームの仕組み
 2.メトロノーム運動のモデル方程式
 3.同期現象
 4.同期現象のモデル方程式
 5.0 < c = k のとき
 6.0 < c < k のとき

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第3部 数値計算と次元解析についての数理2章
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第8章 熱湯に氷を入れたら何度になるの?――次元の数理

 1.量と単位
 2.測定の尺度
 3.次元解析の導入
 4.バッキンガムのパイ定理
 5.いろいろな例


第9章 美味しいうどんのこね方――計算機演算の数理

 1.パイこね変換
 2.パイこね変換の数値計算――謎の現象
 3.浮動小数点数
 4.2進表現
 5.IEEE754規格
 6.パイこね変換の数値計算――謎は解けた
 7.予想外の例
 8.パイこね変換の数値計算――リベンジ

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第4部 偏微分方程式についての数理4章
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第10章 湯は水よりも早く凍る!?――雪氷の数理

 1.温度と熱
 2.熱方程式の導出
 3.ステファン問題
 4.ムペンバ現象
 5.雪の結晶の生涯
 6.平松式人工雪発生装置
 7.原理と特徴
 8.中谷式装置との違い
 9.雪の結晶成長モデル


第11章 振動や波の伝わり方――波動の数理

 1.形を変えないで伝播する波が満たす方程式
 2.弦の微小振動(横波)を記述する波動方程式
 3.弾性体の疎密波(縦波)を記述する波動方程式
 4.3次元の波動方程式


第12章 船はなぜ沈まないのか?――浮沈の数理

 1.非圧縮性完全流体
 2.発散定理
 3.グリーンの公式
 4.連続方程式
 5.オイラー方程式
 6.アルキメデスの原理


第13章 数理の力でアメーバを作る――隙間流体の数理

 1.ナヴィエ-ストークス方程式
 2.ヘレ・ショウ問題