書籍詳細:憲法 解釈論の応用と展開

憲法 解釈論の応用と展開

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,970円(本体価格 2,700円)
在庫なし
発刊年月
2011.02
ISBN
978-4-535-51811-7
判型
A5判
ページ数
360ページ
Cコード
C3032
ジャンル
難易度
テキスト:初級

内容紹介

学習者の誤解を芯からほぐし、憲法解釈論の深い理解を得られる待望の書。人権、統治の各分野を網羅、総合演習で実践力を獲得する。

目次

第1章 憲法上の権利・基本的な考え方



1 公共の福祉

 0 はじめに

 1 公共の福祉に関する従来の議論

 2 判例における「公共の福祉」

 3 一元的内在制約説の問題点

 4 二元説と新しい考え方

 5 設問の検討



2 自由と法律

 1 「新しい人権」

 2 「憲法上の権利」の前提

 3 一般的自由権、比例原則、法律の留保

 4 戦前公法学の遺産と「公共の福祉の留保」

 5 判例の検討――「私生活上の自由」

 6 設問の検討



3 憲法上の保護の範囲と程度

 1 憲法上の権利の保護範囲

 2 表現の自由の保護範囲

 3 定義づけ衡量

 4 取材の自由

 5 設問の検討――取材源秘匿



4 憲法上の権利の制約

 1 「憲法上の権利の制約」の意義

 2 「間接的・付随的制約」をめぐって

 3 信教の自由の付随的制約と間接的制約

 4 法律による制約と法律に基づく制約

 5 事前制約と事後制約

 6 設問の検討



5 目的・手段審査

 1 憲法上の権利の制約の正当化としての比例原則

 2 目的審査の重要性

 3 法益侵害の危険の程度

 4 手段審査

 5 目的・手段の相関関係

 6 設問の検討――均衡性の問題点



6 二重の基準または審査密度

 1 二重の基準論と比例原則

 2 二重の基準の論拠

 3 裁量論と「審査密度」

 4 設問の検討の手がかり





第2章 憲法上の権利・総論



7 憲法上の権利の享有主体性

 0 「論点」と「論証」

 1 「人権の享有主体」という問題設定

 2 外国人の人権

 3 「法人の人権」?

 4 団体の憲法上の権利

 5 設問の検討



8 特別の公法上の関係

 1 特別の公法上の関係をめぐる議論状況

 2 憲法秩序構成要素説の問題点

 3 法律の留保と刑事収容施設

 4 公務員関係の特質――行政公務員と裁判官

 5 設問の検討



9 憲法の私人間効力

 1 問題の所在

 2 契約関係と私人間効力

 3 不法行為と私人間効力

 4 団体――個人の関係と私人間効力

 5 設問の検討



10 法の下の平等

 1 平等原則と平等権――客観法と主観法

 2 平等の内容――「合理的根拠」と「差別」

 3 平等の審査基準または審査密度

 4 平等における目的・手段審査

 5 設問の検討





第3章 憲法上の権利・各論



11 政教分離

 0 人権各論への招待

 1 「制度的保障」をめぐって

 2 厳格分離と目的効果基準

 3 判例における政教分離

 4 類型的アプローチ

 5 設問の検討



12 表現の内容規制・内容中立規則

 1 問題の所在

 2 「表現行為」の直接的制約と付随的制約

 3 内容規制と内容中立規制の区別

 4 中間審査とLRAの基準

 5 設問の検討――適用違憲



13 文面上判断と合憲限定解釈

 1 問題の所在

 2 文面上判断と適用上判断

 3 漠然性と過度の広汎性

 4 第三者の憲法上の権利主張?

 5 合憲限定解釈

 6 設問の検討



14 財産権の憲法的保障

 1 問題の所在

 2 現存保障

 3 法制度保障と森林法事件判決

 4 財産価値の保障と損失補償

 5 設問の検討



15 生存権の憲法的構成

 1 生存権における「論証」不在

 2 「憲法上の権利」としての生存権?

 3 判例における立法・行政裁量論

 4 裁量統制の手法

 5 設問の検討――制度後退禁止原則?



16 学問の自由と教育を受ける権利

 1 問題の所在

 2 学問の自由の理解――「特権」か「自由」か

 3 設問(1)の検討――大学の自治

 4 教育内容への国の関与と「不当な支配」

 5 教師の「教育の自由」

 6 設問(2)の検討――教育の機会均等



17 選挙権と選挙運動の自由

 1 選挙権の性格論

 2 議員定数不均衡

 3 設問(1)の検討――選挙権行使の制限

 4 選挙運動の自由

 5 設問(2)の検討――「政党本位」の選挙運動



18 裁判を受ける権利

 1 憲法上の権利としての裁判を受ける権利

 2 裁判の公開

 3 訴訟・非訟峻別論

 4 訴訟の非訟化と憲法32条

 5 非訟事件における適正手続

 6 設問の検討





第4章 統治機構



19 権力分立と法の支配

 0 統治機構論への招待

 1 伝統的な権力分立論

 2 法の支配

 3 新しい権力分立理解

 4 設問(1)の検討――措置法

 5 設問(2)の検討――内閣総理大臣の異議



20 国民主権と代表制

 1 国民主権

 2 代表民主制

 3 政党

 4 設問(1)の検討――国民発案・国民投票の合憲性

 5 設問(2)の検討――パリテの合憲性



21 国会

 1 「政治のルール」としての憲法の規定

 2 法律案の発議・提出権

 3 両院制

 4 設問(1)の検討――再議決制度

 5 議院自律権

 6 設問(2)の検討――司法権の限界



22 内閣

 1 議院内閣制

 2 衆議院解散の実質的決定権と国事行為の把握

 3 設問(1)の検討――解散権の限界

 4 行政権

 5 設問(2)の検討――独立行政委員会



23 「執政」とコントロール

 1 「執政権」論

 2 国務の総理

 3 「執政権」否定説

 4 コントロールと協働

 5 設問(1)の検討――国権の最高機関

 6 設問(2)の検討――国政調査権



24 地方自治

 1 地方自治の憲法的保障

 2 道州制

 3 設問(1)の検討――首長制

 4 条例制定権

 5 設問(2)の検討――法律と条例



25 裁判所

 1 司法権の概念

 2 設問(1)-1の検討――行政主体間の訴訟

 3 設問(1)-2の検討―司法権の概念/限界?

 4 司法権の独立

 5 設問(2)の検討――最高裁裁判官の任命制度



26 違憲審査制

 1 付随的違憲審査制

 2 客観訴訟と違憲審査

 3 勧告的意見

 4 違憲審査の対象

 5 違憲確認判決の手法

 6 違憲判決の効力

 7 憲法判例の変更



第5章 総合演習



27 憲法判断の方法

 1 問題の所在

 2 文面審査と適用審査

 3 典型的な適用違憲

 4 適用審査から法令違憲へ

 5 設問の検討――法令の合憲性を前提にした適用違憲?

 6 法令違憲と適用違憲の使い分け



28 「憲法論」を主張する

 1 「憲法論」とは?

 2 合憲限定解釈・再論

 3 行政裁量とその統制

 4 判断過程統制と処分違憲の関係

 5 設問の検討――公的施設の利用拒否



29 事案の重視と判例の学習

 1 判例の学習はなぜ大切か

 2 「規範」と「当てはめ」?

 3 判例学習のポイント

 4 事案分析の「密度」を深める

 5 前回設問について



30 答案作成上の注意

 1 問題の所在

 2 答案の「書き方」はない

 3 出題との関連性を意識する

 4 当事者の立場から主張の順位を考える

 5 設問の検討

 6 今後の学習のために

正誤情報

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