書籍詳細:統治論に基づく人口比例選挙訴訟3

統治論に基づく人口比例選挙訴訟3

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  • 紙の書籍
定価:税込 1,320円(本体価格 1,200円)
在庫あり
発刊年月
2021.05
ISBN
978-4-535-52555-9
判型
A5判
ページ数
176ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

一票の格差訴訟に取り組む著者が、憲法の統治論に基づく主張を更に深めて詳述する第三弾。

目次

第1章 不当な判例変更

1 不当な判例変更(その1/平成26年大法廷判決(参)の
  【「二段階の判断枠組み」のうちの(1)段階の審査での
  「違憲状態か否か」の判断基準】の、
  平成29年大法廷判決(参)による不当な判例変更):
  【要約】平成26年大法廷判決(参)の投票価値の較差に関する
  二段階の判断枠組み(以下、「二段階の判断枠組み」ともいう)
  のうちの(1)段階の審査での「違憲状態か否か」の判断基準は、
  平成29年大法廷判決(参)によって不当に判例変更されたので、
  現在もなお、最高裁判所(ただし、大法廷を含む)及び
  下級審裁判所に対し、判例として拘束力を有す。

2 不当な判例変更(その2/平成26年大法廷判決(参)の
  『都道府県を各選挙区の単位とする従来の参院選挙制度の見直しが
  必要である』旨の判示の)平成29年大法廷判決(参)による
  不当な判例変更):

3 不当な判例変更についての11人の憲法学者の意見

4 【平成29年大法廷判決(参)の敢えて、3年毎の半数改選ルール
  (憲法46条参照)を再度持ち出して、それを理由に、
  「参議院議員の選挙における投票価値の平等は、」
  「二院に係る上記の憲法の趣旨との調和の下に実現さるべきである」
  との判示は、平成26年大法廷判決(参)の
  「参議院議員につき任期を6年の長期とし,解散もなく,
  選挙は3年ごとにその半数について行うことを定めている
  (46条等)。」
  こと(すなわち、参院選の3年毎の半数改選のルール)を
  考慮したうえで、「参議院議員の選挙であること自体から,
  直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき
  理由は見いだし難い。」とする判示
  (ただし、平成24年大法廷判決(参)も同じ)】の
  不当な判例変更である


第2章 「合理的期間論」(参)は、憲法98条1項に反するので、
     憲法98条1項により、「その効力を有しない」


1 「合理的期間論」(参)と憲法98条1項

2 11人の憲法学者の意見


第3章 事情判決の法理は、各利益の比較衡量により、
    「選挙が無効か否か」を決する法理である


1 【要約】「(1)選挙無効判決が言渡されないことにより
  被害を被る原告らの不利益(すなわち、正統性を欠く、
  国会議員および内閣総理大臣の国家権力の行使により、
  毎日被害を被る原告らの国民の不利益)の大きさ(前者)と、
  (2)(選挙無効判決の結果生じ得る)憲法の予定しない事態が
  出現されることによってもたらされる不都合、
  その他諸般の事情(後者)との比較衡量により、
  「選挙が無効か否か」を決する昭和60年大法廷判決(衆)の
  事情判決の法理によれば、前者の不利益が後者の不利益より、
  より大なので、本件選挙は無効である

2 19人の憲法学者の意見

3 21個の最高裁大法廷判決の各反対意見、意見、補足意見


第4章 令話2(2020)年大法廷判決(参)の分析

1 令話2(2020)年大法廷判決(参)の分析

2 令話2(2020)年大法廷判決(参)に照らし、
  最高裁は、自民党の参院選挙制度改革案が「改憲のうえ、合区解消」
  であることから、現憲法下での参院選挙制度改革の出口は、
  ブロック制であろう、とみていると推察される。

3 平成23年大法廷判決(衆)の「地域性に係る問題のために、
  殊更に、ある地域(都道府県)の選挙人と他の地域(都道府県)の
  選挙人との間に投票価値の不平等を生じさせるだけの
  合理性があるとはいい難い。」の判示(判例)

補遺